1.5. RHEL 8 と RHEL 9 の主な相違点
このセクションでは、Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 9 で導入された主な変更点の概要を説明します。
- Application Streams の機能拡張
RHEL 8 では、Application Streams と呼ばれる機能が導入されました。RHEL は Application Streams を使用して、アプリケーション、ランタイム言語、データベースなどのユーザー空間コンポーネントの複数バージョンを、コアオペレーティングシステムパッケージよりも頻繁に配信および更新します。各 Application Streams はコンポーネントの特定バージョンを表し、Application Streams 内の各コンポーネントには定義されたライフサイクルがあります。ユーザーは Application Streams を使用することで、プラットフォームやデプロイメントの基礎となる安定性に影響を与えることなく、特定のユースケースやワークロードの要件に適したコンポーネントバージョンを使用できる柔軟性を得ることができます。
Red Hat は RHEL 8 で、RPM パッケージ、モジュール (パッケージグループ)、ソフトウェアコレクションの組み合わせとして、Application Streams のコンテンツをパッケージ化しました。RHEL 9 は、標準の
dnf install
コマンドを使用して RPM パッケージとしてインストールできる初期の Application Stream バージョンを提供することにより、Application Streams 機能をさらに強化しています。- Apache コネクターとロードバランサーの可用性
RHEL 9 は、Web クライアント要求をバックエンドアプリケーションサーバーに負荷分散するための Apache Tomcat コネクター (
mod_jk
) および JBoss HTTP コネクター (mod_proxy_cluster
) のディストリビューションを提供します。mod_jk
およびmod_proxy_cluster
の RHEL ディストリビューションは、これらのモジュールの JBCS ディストリビューションと同じです。Apache HTTP Server の RHEL 9 ディストリビューションをインストールしても、
mod_jk
モジュールとmod_proxy_cluster
モジュールは自動的にインストールされません。RHEL 9 上の RPM パッケージからmod_jk
およびmod_proxy_cluster
をインストールする方法の詳細は、Apache HTTP Server コネクターおよび負荷分散ガイド を参照してください。
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