第6章 データソースおよびリソースアダプターの調整
接続プールは、リレーショナルデータベースやリソースアダプターなどのデータソースを使用する環境のパフォーマンスを最適化するために JBoss EAP が使用するツールです。
データソースおよびリソースアダプター接続のリソースを割り当てまたは割り当て解除することは、時間やシステムリソースのコストが大変高くなります。接続プールは、アプリケーションが使用できる接続の「プール」を作成して、接続のコストを削減します。
パフォーマンスを最適化するために接続プールを設定する前に、負荷がかかった状態で データソースプール統計 または リソースアダプターの統計 を監視し、ご使用の環境に適した設定を判断する必要があります。
6.1. プール統計の監視
6.1.1. データソースの統計
データソースの統計収集が 有効化 されている場合、データソースの ランタイム統計を表示 できます。
6.1.1.1. データソース統計の有効化
データソース統計は、デフォルトでは有効になっていません。データソース統計の収集は、 管理 CLI または 管理コンソール を使用して有効にできます。
管理 CLI を使用したデータソース統計の有効化
以下の管理 CLI コマンドは、ExampleDS
データソースの統計の収集を有効にします。
管理対象ドメインでは、このコマンドの前に /profile=PROFILE_NAME
を付けます。
/subsystem=datasources/data-source=ExampleDS:write-attribute(name=statistics-enabled,value=true)
変更を反映するためにサーバーをリロードします。
管理コンソール使用したデータソース統計の有効化
以下の手順にしたがって管理コンソールを使用し、統計の収集を有効にします。
-
Configuration
Subsystems Datasources & Drivers Datasources と選択します。 - データソースを選択し、表示 をクリックします。
- Attributes タブ下の Edit をクリックします。
- Statistics enabled? フィールドを ON に設定し、Save をクリックします。変更の反映にはリロードが必要であることを伝えるポップアップが表示されます。
サーバーをリロードします。
- スタンドアロンサーバーの場合は、ポップアップの Reload ボタンをクリックしてサーバーをリロードします。
- 管理対象ドメインの場合は、ポップアップの Topology リンクをクリックします。Topology タブで該当するサーバーを選択し、Reload ドロップダウンオプションを選択してサーバーをリロードします。
6.1.1.2. データソース統計の表示
管理 CLI または 管理コンソール を使用してデータソースのランタイム統計を表示できます。
管理 CLI を使用したデータソース統計の表示
以下の管理 CLI コマンドは、ExampleDS
データソースのコアプールの統計を取得します。
管理対象ドメインでは、コマンドの前に /host=HOST_NAME/server=SERVER_NAME
を追加します。
/subsystem=datasources/data-source=ExampleDS/statistics=pool:read-resource(include-runtime=true) { "outcome" => "success", "result" => { "ActiveCount" => 1, "AvailableCount" => 20, "AverageBlockingTime" => 0L, "AverageCreationTime" => 122L, "AverageGetTime" => 128L, "AveragePoolTime" => 0L, "AverageUsageTime" => 0L, "BlockingFailureCount" => 0, "CreatedCount" => 1, "DestroyedCount" => 0, "IdleCount" => 1, ... }
以下の管理 CLI コマンドは、ExampleDS
データソースの JDBC の統計を取得します。
/subsystem=datasources/data-source=ExampleDS/statistics=jdbc:read-resource(include-runtime=true) { "outcome" => "success", "result" => { "PreparedStatementCacheAccessCount" => 0L, "PreparedStatementCacheAddCount" => 0L, "PreparedStatementCacheCurrentSize" => 0, "PreparedStatementCacheDeleteCount" => 0L, "PreparedStatementCacheHitCount" => 0L, "PreparedStatementCacheMissCount" => 0L, "statistics-enabled" => true } }
統計はラインタイム情報であるため、必ず include-runtime=true
引数を指定してください。
利用可能な統計の詳細リストは、「データソースの統計」を参照してください。
管理コンソールを使用したデータソース統計の表示
管理コンソールからデータソースの統計を表示するには、Runtime タブで Datasources サブシステムを選択し、データソースを選択してから 表示 をクリックします。
利用可能な統計の詳細リストは、「データソースの統計」を参照してください。
6.1.2. リソースアダプターの統計
デプロイされたリソースアダプターのコアランタイム統計を表示できます。利用可能な統計の詳細リストは、リソースアダプターの統計の付録 を参照してください。
リソースアダプター統計の有効化
リソースアダプター統計は、デフォルトでは有効になっていません。以下の管理 CLI コマンドは、接続ファクトリーが java:/eis/AcmeConnectionFactory
として JNDI にバインドされた簡単なリソースアダプター myRA.rar
の統計収集を有効にします。
管理対象ドメインでは、このコマンドの前に /host=HOST_NAME/server=SERVER_NAME/
を追加する必要があります。
/deployment=myRA.rar/subsystem=resource-adapters/statistics=statistics/connection-definitions=java\:\/eis\/AcmeConnectionFactory:write-attribute(name=statistics-enabled,value=true)
リソースアダプター統計の表示
リソースアダプター統計は管理 CLI から取得できます。以下の管理 CLI コマンドは、接続ファクトリーが JNDI で java:/eis/AcmeConnectionFactory
としてバインドされた、リソースアダプター myRA.rar
の統計を返します。
管理対象ドメインでは、このコマンドの前に /host=HOST_NAME/server=SERVER_NAME/
を追加する必要があります。
deployment=myRA.rar/subsystem=resource-adapters/statistics=statistics/connection-definitions=java\:\/eis\/AcmeConnectionFactory:read-resource(include-runtime=true) { "outcome" => "success", "result" => { "ActiveCount" => "1", "AvailableCount" => "20", "AverageBlockingTime" => "0", "AverageCreationTime" => "0", "CreatedCount" => "1", "DestroyedCount" => "0", "InUseCount" => "0", "MaxCreationTime" => "0", "MaxUsedCount" => "1", "MaxWaitCount" => "0", "MaxWaitTime" => "0", "TimedOut" => "0", "TotalBlockingTime" => "0", "TotalCreationTime" => "0" } }
統計はラインタイム情報であるため、必ず include-runtime=true
引数を指定してください。