第2章 OVN デプロイメントのプランニング
OVN は HA デプロイメントでのみデプロイします。分散仮想ルーター (DVR) を有効化してデプロイすることを推奨します。
OVN を使用するには、director のデプロイメントで VXLAN ではなく、Generic Network Virtualization Encapsulation (Geneve) を使用する必要があります。Geneve により、OVN は 24 ビットの Virtual Network Identifier (VNI) フィールドと追加の 32 ビットの Type Length Value (TLV) を使用してネットワークを特定し、送信元および宛先の論理ポートの両方を指定できます。MTU 設定を決定する際には、この大きなプロトコルヘッダーについて考慮する必要があります。
OVN を使用した DVR HA
DVR を使用する OVN を HA 環境でデプロイします。OVN は HA 環境でのみサポートされます。新規の ML2/OVN デプロイメントではデフォルトで DVR が有効化され、新規の ML2/OVS デプロイメントではデフォルトで無効化されています。neutron-ovn-dvr-ha.yaml
環境ファイルは、OVN を HA 環境で使用するデプロイメント用の DVR 固有のパラメーターを設定します。
2.1. コンピュートノード上の ovn-controller
ovn-controller
サービスは各コンピュートノードで実行され、OVN SB データベースサーバーに接続して論理フローを取得します。次に ovn-controller
はその論理フローを OpenFlow の物理フローに変換して、OVS ブリッジ (br-int
) に追加します。ovs-vswitchd
と通信して OpenFlow フローをインストールするために、ovn-controller
は ovn-controller
の起動時に渡された UNIX ソケットパス (例: unix:/var/run/openvswitch/db.sock
) を使用して、(conf.db
をホストする) ローカルの ovsdb-server
に接続します。
ovn-controller
サービスは、Open_vSwitch
テーブルの external_ids
コラムに特定のキーと値のペアがあることを想定します。puppet-ovn
は puppet-vswitch
を使用して、これらのフィールドにデータを読み込みます。puppet-vswitch
が external_ids
コラムに設定するキーと値のペアは以下のとおりです。
hostname=<HOST NAME> ovn-encap-ip=<IP OF THE NODE> ovn-encap-type=geneve ovn-remote=tcp:OVN_DBS_VIP:6642