第2章 最も重要な新機能
本項では、Red Hat OpenStack Platform の今回のリリースにおける最も重要な新機能の概要を説明します。
2.1. Compute
本項では、Compute サービスの最も重要な新機能について説明します。
- Cells v2 を使用したマルチセルデプロイメント
- OpenStack Compute は、デフォルトで Cells を活用するようになりました。大規模なデプロイメントで、それぞれ固有のコンピュートノードおよびデータベースを持つ複数のセルを使用する設定が可能です。グローバルサービスが配置およびフェイルセーフ操作を制御し、セル単位に分離することで、セキュリティーとプロセスの独立性が向上します。
- CPU がピニングされたインスタンスとピニングされていないインスタンスの単一ホスト上での共存
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CPU がピニングされたインスタンス (
hw:cpu_policy=dedicated
) とピニングされていないインスタンス (hw:cpu_policy=shared
) を、同じホスト上でスケジューリングできるようになりました。ホストアグリゲートを使用して、これらのインスタンス種別が別個のホスト上で実行されるようにする必要がなくなりました。 - SR-IOV (Single root I/O virtualization) を使用するインスタンスのライブマイグレーション
- SR-IOV インターフェースが設定されたインスタンスのライブマイグレーションを実施できるようになりました。移行プロセスの一環として、インターフェースの接続解除/再接続が行われるため、直接モードの SR-IOV インターフェースの場合には、この操作により多少のネットワークダウンタイムが発生します。間接モードの SR-IOV インターフェースの場合には、問題とはなりません。
- 固定されたインスタンスのライブマイグレーション
- この NUMA 対応ライブマイグレーション機能により、NUMA トポロジーが設定されたインスタンスのライブマイグレーションが可能になります。
- 帯域幅に対応したスケジューリング
- Quality of Service (QoS) ポリシーを使用して、最小帯域幅の確保を要求するインスタンスを作成できるようになりました。Compute スケジューリングサービスは、インスタンス用に最小帯域幅確保の要求を満たすホストを選択します。