第1章 運用データ計測の概要
ceilometer、collectd、ロギングサービスなどの可観測性コンポーネントを使用して、Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) 環境からデータを収集できます。自動スケーリングのユースケースのために収集したデータを Gnocchi に保存することも、metrics_qdr
を使用してデータを Service Telemetry Framework (STF) に転送することもできます。
自動スケーリングの詳細は、インスタンスの自動スケーリング を参照してください。
STF の詳細は、Service Telemetry Framework 1.5 を参照してください。
1.1. 可観測性アーキテクチャー
Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) Observability は、OpenStack ベースのクラウドのユーザーレベルの使用状況データを提供します。可観測性コンポーネントを設定し、既存の RHOSP コンポーネントにより送信される通知から (例: Compute の使用状況イベント)、または RHOSP インフラストラクチャーリソースへのポーリングにより (例: libvirt)、データを収集することができます。Ceilometer は、収集したデータを、Service Telemetry Framework (STF) を含むデータストアやメッセージキューなどのさまざまなターゲットに公開します。
可観測性は、以下のコンポーネントで構成されます。
- データ収集: Observability は Ceilometer を使用してメトリックおよびイベントデータを収集します。詳細は、「Ceilometer」 を参照してください。
- ストレージ: 可観測性は、メトリックデータを Gnocchi に保存します。詳細は、「Gnocchi を使用したストレージ」 を参照してください。
- Alarm service: 可観測性は、Alarming サービス Aodh を使用してアクションをトリガーします。アクションのトリガーは、Ceilometer の収集するメトリックデータまたはイベントデータに対して定義されたルールに基づきます。
データを収集したら、サードパーティーのツールを使用してメトリックデータを表示および解析し、Alarming サービスを使用してイベントのアラームを設定できます。
図1.1 可観測性アーキテクチャー
1.1.1. 監視コンポーネントのサポート状況
以下の表に、Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) の監視用コンポーネントに対するサポート状況を示します。
コンポーネント | 以降でフルサポート | 非推奨化 | 以降で削除 | 注記 |
---|---|---|---|---|
Aodh | RHOSP 9 | RHOSP 15 | 自動スケーリングのユースケースでサポートされています。 | |
Ceilometer | RHOSP 4 | 自動スケーリングおよびサービステレメトリーフレームワーク (STF) のユースケースで RHOSP のメトリクスとイベントの収集がサポートされています。 | ||
Collectd | RHOSP 11 | RHOSP 17.1 | STF のインフラストラクチャーメトリクスの収集がサポートされています。 | |
Gnocchi | RHOSP 9 | RHOSP 15 | 自動スケーリングのユースケースのメトリックのストレージがサポートされています。 | |
Panko | RHOSP 11 | RHOSP 12、RHOSP 14 以降、デフォルトではインストールされていません | RHOSP 17.0 | |
QDR | RHOSP 13 | RHOSP 17.1 | RHOSP から STF へのメトリクスおよびイベントデータの送信がサポートされています。 |