2.3. Compute
このセクションでは、Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) Compute サービス (nova) の主な新機能の概要を説明します。
- デフォルトの Q35 マシンタイプへの移行
- 新しい RHOSP 17 デプロイメントにおける各ホストアーキテクチャーのデフォルトのマシンタイプは Q35 です。Q35 マシンタイプには、異なる RHEL 9.x マイナーリリース間でのインスタンスのライブマイグレーションや、i440fx マシンタイプで使用される ACPI ホットプラグよりも高速なネイティブ PCIe ホットプラグなど、いくつかの利点と改善点があります。i440FX マシンタイプは引き続き使用できます。
- インスタンス用にエミュレートされた仮想 Trusted Platform Module (vTPM) デバイス
- TPM を使用すると、コンピューターのセキュリティーを強化し、仮想化の信頼チェーンを提供できます。エミュレートされた vTPM は、物理 TPM チップをソフトウェアベースで表現したものです。管理者は、vTPM デバイスを持つインスタンスを作成できる機能をクラウドユーザーに提供できます。
- UEFI セキュアブート
- オーバークラウドに UEFI セキュアブート Compute ノードが含まれている場合、クラウドユーザーは UEFI セキュアブートで保護されたインスタンスを起動できます。UEFI セキュアブート用のイメージの作成については、UEFI セキュアブート用のイメージの作成 を参照してください。UEFI セキュアブートのフレーバーの作成については、フレーバーメタデータ の「UEFI セキュアブート」を参照してください。
- 専用 CPU と共有 CPU を組み合わせたインスタンスの作成機能
- 混合 CPU ポリシーを持つフレーバーを作成して、クラウドユーザーが専用 (固定) CPU と共有 (非固定) CPU を組み合わせたインスタンスを作成できるようになりました。
- エンタープライズワークロード向けの VirtIO データパスアクセラレーション (VDPA) サポート
- OVS ハードウェアオフロード用として、ML2/OVN を使用するように設定され、VDPA デバイスとドライバーおよび Mellanox NIC を備えた Compute ノードを持つ RHOSP デプロイメントでは、VirtIO データパスアクセラレーション (VDPA) ポートを使用するインスタンスをクラウドユーザーが作成できるように設定できます。詳細は、VDPA ポートを使用するインスタンスを有効にするための VDPA Compute ノードの設定 および VDPA インターフェイスを使用したインスタンスの作成 を参照してください。
- ルーティング対応ネットワークのスケジューラーのサポート
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ルーティング対応プロバイダーネットワークを使用する RHOSP デプロイメントでは、ルーティング対応ネットワークセグメントとのアフィニティーを持つ Compute ノードをフィルタリングするようにコンピュートスケジューラーを設定して、Compute ノード上でインスタンスをスケジュールする前に配置されたネットワークを検証できるようになりました。この機能は、
NovaSchedulerQueryPlacementForRoutedNetworkAggregates
パラメーターを使用して有効にできます。