第3章 Red Hat Virtualization 用ストレージの準備
新たな環境のストレージドメインとして使用するストレージを準備する必要があります。Red Hat Virtualization 環境には少なくとも 1 つのデータストレージドメインが必要ですが、さらに追加することを推奨します。
ホストのオペレーティングシステムのインストールまたは再インストールを行う場合、Red Hat では、ホストにアタッチされている既存の OS 以外のストレージを最初にデタッチすることを強く推奨しています。これは、ディスクを誤って初期化してデータが失われる可能性を避けるためです。
データドメインには、データセンター内の仮想マシンおよびテンプレートの仮想ハードディスクと OVF ファイルを格納します。このドメインは、アクティブな間は複数のデータセンター間で共有することはできません (ただし、データセンター間で移行することは可能です)。複数のストレージタイプのデータドメインを同じデータセンターに追加することは可能ですが、それらはすべてローカルドメインではなく、全ホストがアクセス可能なドメインであることが条件となります。
以下のストレージタイプのいずれかを使用することができます。
前提条件
セルフホストエンジンには、Manager 用仮想マシン専用の 74 GiB 以上のデータドメインが追加で必要です。セルフホストエンジンのインストーラーがこのドメインを作成します。インストール前にこのドメイン用のストレージを準備します。
警告セルフホストエンジンのデプロイメント後にセルフホストエンジン用ストレージドメインを拡張または変更することはサポートされていません。このような変更により、セルフホストエンジンが起動できなくなる可能性があります。
- ブロックストレージドメイン (FCP または iSCSI のいずれか) を使用する場合、セルフホストエンジンでサポートされる設定は、単一のターゲット LUN のみとなります。
- iSCSI ストレージを使用する場合には、セルフホストエンジン用ストレージドメインは専用の iSCSI ターゲットを使用する必要があります。追加のストレージドメインは、異なる iSCSI ターゲットを使用しなければなりません。
- セルフホストエンジン用ストレージドメインと同じデータセンター内に追加のデータストレージドメインを作成することを強く推奨します。セルフホストエンジンをデータセンター内にデプロイする際に、アクティブなデータストレージドメインを 1 つしか用意していない場合、そのストレージドメインが破損しても、新しいストレージドメインを追加したり、破損したストレージドメインを削除することはできません。セルフホストエンジンを再デプロイしなければなりません。
3.1. NFS ストレージの準備
ファイルストレージまたはリモートサーバーで NFS 共有を設定し、Red Hat Enterprise Virtualization Host システムのストレージドメインとして機能するようにします。リモートストレージで共有をエクスポートし、Red Hat Virtualization Manager で共有を設定すると、共有は Red Hat Virtualization Host に自動的にインポートされます。
NFS の準備、設定、マウント、およびエクスポートに関する詳細は、Red Hat Enterprise Linux 8 の ファイルシステムの管理 を参照してください。
Red Hat Virtualization には、特定のシステムユーザーアカウントおよびシステムユーザーグループが必要です。これにより、Manager はストレージドメイン (エクスポートしたディレクトリー) にデータを保管することができます。以下の手順では、1 つのディレクトリーのパーミションを設定しています。Red Hat Virtualization のストレージドメインとして使用するすべてのディレクトリーについて、chown
および chmod
のステップを繰り返す必要があります。
前提条件
NFS
utils
パッケージをインストールする。# dnf install nfs-utils -y
以下のコマンドを実行して、有効なバージョンを確認する。
# cat /proc/fs/nfsd/versions
以下のサービスを有効にする。
# systemctl enable nfs-server # systemctl enable rpcbind
手順
kvm
グループを作成します。# groupadd kvm -g 36
kvm
グループにvdsm
ユーザーを作成します。# useradd vdsm -u 36 -g kvm
storage
ディレクトリーを作成し、アクセス権を変更します。# mkdir /storage # chmod 0755 /storage # chown 36:36 /storage/
storage
ディレクトリーを、適切なパーミッションで/etc/exports
に追加します。# vi /etc/exports # cat /etc/exports /storage *(rw)
以下のサービスを再起動します。
# systemctl restart rpcbind # systemctl restart nfs-server
特定の IP アドレスで利用可能なエクスポートを確認するには、以下のコマンドを実行します。
# exportfs /nfs_server/srv 10.46.11.3/24 /nfs_server <world>
サービス起動後に /etc/exports
を変更した場合は、exportfs -ra
コマンドを使用してその変更を再読み込みできます。上記のすべての手順を実行すると、exports ディレクトリーが準備でき、利用可能かどうかを確認するため、別のホストでテストすることができます。