3.5. SAN ベンダーのマルチパス設定のカスタマイズ
RHV 環境が SAN とのマルチパス接続を使用するように設定されている場合には、ストレージベンダーが指定する要件を満たすようにマルチパス設定をカスタマイズできます。このカスタマイズは、/etc/multipath.conf
で指定した設定と、デフォルトの設定の両方を上書きできます。
マルチパス設定を上書きする場合は、/etc/multipath.conf
をカスタマイズしないでください。VDSM は /etc/multipath.conf
を所有しているため、VDSM または Red Hat Virtualization をインストールまたはアップグレードすると、カスタマイズを含むこのファイルが上書きされます。この上書きにより、重大なストレージ障害が発生する可能性があります。
代わりに、カスタマイズまたは上書きする設定が含まれる /etc/multipath/conf.d
ディレクトリーにファイルを作成します。
VDSM は、/etc/multipath/conf.d
のファイルをアルファベット順に実行します。実行の順番を制御するには、ファイル名を番号で開始し、アルファベット順後の最後に来るようにします。たとえば、/etc/multipath/conf.d/90-myfile.conf
です。
重大なストレージ障害を引き起こさないように、以下のガイドラインに従ってください。
-
/etc/multipath.conf
は変更しないでください。ファイルにユーザー変更が含まれる場合にこのファイルが上書きされると、想定外のストレージ障害が発生する可能性があります。
これらのガイドラインに従わないと、非常に深刻なストレージ障害が発生する可能性があります。
前提条件
VDSM がマルチパスモジュールを使用するように設定されている。これを確認するには、以下を入力します。
# vdsm-tool is-configured --module multipath
手順
-
/etc/multipath/conf.d
ディレクトリーに新しい設定ファイルを作成します。 -
上書きする個々の設定を、
/etc/multipath.conf
から/etc/multipath/conf.d/<my_device>.conf
内の新しい設定ファイルにコピーします。コメントマークを削除して設定値を編集し、変更を保存します。 以下を入力して、新しい設定を適用します。
# systemctl reload multipathd
注記multipathd サービスを再起動しないでください。これにより、VDSM ログにエラーが生成されます。
検証手順
- さまざまな障害シナリオで実稼働クラスター以外のクラスターを使用して、新しい設定が想定どおりに実行されことをテストします。たとえば、ストレージの接続をすべて無効にします。
- 一度に 1 つの接続を有効にし、これによりストレージドメインに到達可能であることを確認します。