6.13. Red Hat Virtualization 4.4 バッチ更新 1 (ovirt-4.4.2)
6.13.1. バグ修正
以下のバグは、Red Hat Virtualization の本リリースで修正されました。
BZ#1663135 以前は、スパースストレージからの仮想マシン (VM) のインポートは、ターゲットもスパースストレージを使用していると仮定していました。ただし、ブロックストレージはスパース割り当てをサポートしません。現在のリリースではこの問題は修正されています。COW イメージファイル形式のブロックストレージにインポートすると、スパースの割り当てタイプを維持し、想定どおりに機能します。
BZ#1740058 今回の更新以前は、電源がオフだった仮想マシンを実行すると、VDSM ログに無駄な警告が数多く含まれていました。今回の更新で問題が解決し、これらの警告は VDSM ログに表示されなくなりました。
BZ#1793290 以前は、パーティション番号がディスクパスから削除されていなかったため、ディスクマッピングはディスク自体ではなく、ディスク上の任意のパーティションを参照していました。現在のリリースではこの問題は修正されています。ディスクマッピングにはディスクパスのみが含まれます。
BZ#1843234 今回の更新以前は、自動入力を有効化して Firefox 74.0.1 以上を使用する場合、仮想マシンの実行 ダイアログの 初期起動 タブにある Sysprep 管理パスワードフィールドを自動入力する際に、管理ポータルのパスワードが使用されていました。自動入力されていない 管理パスワードを確認 フィールドとパスワードが一致しなかっため、ダイアログの検証に失敗していました。
この問題は解決され、ブラウザーは Sysprep 管理パスワードフィールドに自動入力を使用しなくなりました。
BZ#1855761 Firefox 68 ESR は、複数の標準単位を<svg> タグでサポートしません。詳細は、1287054 を参照してください。 その結果、この更新の前は、集約されたステータスカードアイコンが意図したよりも大きく表示されていました。
今回の更新では、アイコンのサイズはサポートされる単位を使用して確定され、その結果、FireFox 68 ESR 以降でアイコンが正しく表示されるようになりました。
BZ#1866956 今回の更新以前は、HA を有効にして Blank テンプレートが設定されていた場合、RHVM 仮想マシンのバックアップがこの設定を保存していました。この設定により、復元操作中の RHVM 仮想マシンのデプロイメントが阻止されていました。そのため、Red Hat Virtualization 4.4 へのアップグレードに失敗していました。
今回の更新で、セルフホストエンジンのデプロイメント時に RHVM 仮想マシンの HA 設定が無効になり、その結果、4.4 へのアップグレードに成功するようになりました。
BZ#1867038 以前は、バックアップからの復元、または RHV 4.3 から RHV 4.4 へのアップグレードは、gssapi モジュールを必要とする SSO 設定の復元中に失敗していました。本リリースでは、mod_auth_gssapi パッケージが RHV Manager アプライアンスに含まれているので、SSO 設定が含まれる場合でも、アップグレードまたはバックアップからの復元は成功します。
BZ#1869209 今回の更新以前は、新しい Intel CPU を持つホストを IBRS ファミリークラスターに追加できず、spec_ctrl フラグが検出されませんでした。
今回の更新で問題は解決され、最新の Intel CPU を持つホストを IBRS ファミリークラスターに追加して、spec_ctrl フラグを検出できるようになりました。
BZ#1869307 以前のバージョンでは、vim-enhanced パッケージのインストールは、Red Hat Virtualization Host 4.4 で失敗していました。本リリースでは、vim-enhanced パッケージのインストールは成功します。
BZ#1870122 以前は、セルフホストエンジンを RHV 4.3 から RHV 4.4 へアップグレードする際、Grafana は engine-setup プロセス時にデフォルトでインストールされていました。そして、Data Warehouse 設定にリモートデータベースオプションが選択されると、アップグレードに失敗していました。本リリースでは、セルフホストエンジンのインストールで Grafana デプロイメントはデフォルトで無効になり、アップグレードプロセスは成功します。
BZ#1871235 今回の更新以前は、REST API を使用してハイパフォーマンスプロファイルで設定された仮想マシンは、USB デバイスがある場合には起動できませんでした。これは、ハイパフォーマンスプロファイルが USB コントローラーを無効にしていたことが原因でした。また、互換性レベル 4.3 のクラスターのホストは、TSC 周波数を報告しませんでした。
今回の更新で、これらの問題を解決します。4.3 クラスターでは TSC は存在しなくなり、USB コントローラーがない場合は仮想マシンに USB デバイスがないため、仮想マシンが正常に実行できるようになります。
BZ#1875851 Firefox 68 ESR は、複数の標準単位を<svg> タグでサポートしません。詳細は、1287054 を参照してください。 その結果、この更新の前は、集約されたステータスカードアイコンが意図したよりも大きく表示されていました。
今回の更新では、アイコンのサイズはサポートされる単位を使用して確定され、その結果、FireFox 68 ESR 以降でアイコンが正しく表示されるようになりました。
6.13.2. 機能拡張
Red Hat Virtualization の今回のリリースでは、以下の機能拡張が提供されています。
BZ#1749803 今回の機能拡張により、複数のディスクに同じターゲットドメインを設定できるようになりました。
以前は、複数のディスクを移動またはコピーする際に、ディスクごとにターゲットドメインを個別に設定する必要がありました。共通のターゲットドメインが存在する場合は、すべてのディスクのターゲットドメインとして設定できるようになりました。
すべてのディスクが同じストレージドメインに移動またはコピーされないなど、共通のストレージドメインがない場合は、共通のターゲットドメインを 'Mixed' に設定します。
BZ#1819260 ストレージドメインの検索フィルタープロパティーが、次のように強化されました: 'size' は 'free_size' へ変更され、'total_size' は検索エンジンオプションに追加され、'used' は 'used_size' へ変更されました。
たとえば、ストレージドメインタブで、以下を使用できるようになりました。
6.13.3. 既知の問題
Red Hat Virtualization には、現時点で以下のような既知の問題があります。
BZ#1674497 以前 は、RHEL 8 ゲストの hot-unplugging メモリーは、メモリー DIMM が使用中であるためにエラーを生成していました。これにより、その仮想マシンからそのメモリーを削除することができませんでした。この問題を回避するには、こちらに記載 されているように、仮想マシンのカーネルコマンドラインパラメーターを設定して movable_node
を追加します。
BZ#1837864 Red Hat Virtualization 4.4 GA (RHV 4.4.1) から RHEV 4.4.2 へアップグレードする場合は、ホストは緊急モードに入り、再起動することはできません。回避策は、https://access.redhat.com/solutions/5428651 を参照してください。
BZ#1850378 / (root) にローカルにマウントされているストレージドメインのある Red Hat Virtualization を 4.3 から 4.4 へアップグレードすると、アップグレードは失敗します。具体的には、ホスト上ではアップグレードが成功したと表示されますが、管理ポータルでのホストのステータスは NonOperational
となっています。
ローカルストレージは、/ (root) とは別のファイルシステムで常に定義される必要があります。アップグレード中にデータが失われる可能性を防ぐために、別の論理ボリュームまたはディスクを使用します。
ローカルにマウントされているストレージドメインとして / (root) を使用している場合は、アップグレード前にデータを別の論理ボリュームまたはディスクに移行します。