6.9. Red Hat Virtualization 4.4 バッチ更新 5 (ovirt-4.4.6)
6.9.1. バグ修正
以下のバグは、Red Hat Virtualization の本リリースで修正されました。
- BZ#1932284
- 以前は、engine-config の値 LiveSnapshotPerformFreezeInEngine はデフォルトで false に設定され、クラスターの互換性レベル 4.4 以下の使用が想定されていました。この値は、一般バージョンに設定されています。今回のリリースにより、各クラスターレベルには独自の値があり、4.4 以降の場合は false に設定されています。これにより、ファイルシステムのフリーズコマンドのタイムアウトを削除する際の不要なオーバーヘッドが削減されます。
- BZ#1936972
- 以前は、パッケージの削除 (アンインストール) またはアップグレード時に、古い RPM ファイルが正しく削除されませんでした。その結果、削除されたパッケージが再インストールされたり、アップグレード中にシステムが一度に 2 つ以上の異なるバージョンのインストールを試みたりして、アップグレードに失敗していました。本リリースでは dnf プラグインが修正され、RPM パッケージが正しく削除されるようになりました。新しいバージョンでは、persistence-rpms ディレクトリーにあるはずのない RPM パッケージを削除することで、壊れたシステムの自動修復も行います。
- BZ#1940484
- 以前は、libvirtd がクラッシュし、ホストが応答しなくなっていました。現在のリリースではこの問題は修正されています。
6.9.2. 機能拡張
Red Hat Virtualization の今回のリリースでは、以下の機能拡張が提供されています。
- BZ#911394
- 今回のリリースでは、仮想マシン設定の virtio-scsi ドライバーに queue 属性が追加されました。今回の改善により、virtio-scsi ドライバーを使用したマルチキューパフォーマンスが可能になりました。
- BZ#1683987
- 今回のリリースにより、source-load-balancing が xmit_hash_policy の新しいサブオプションとして追加されました。xmit_hash_policy=vlan+srcmac を指定することで、ボンディングモード balance-xor (2)、802.3ad (4) および balance-tlb (5) 用に設定することができます。
- BZ#1745023
- 今回の機能拡張により、Cascadelake および Icelake CPU 用の AVX-512 Vector Neural Network Instructions (AVX512_VNNI) 機能のサポートが追加されました。AVX512_VNNI は、AVX-512 エクステンションの一部です。
- BZ#1845877
- 今回のリリースでは、oVirt/RHV 関連の証明書の収集が追加され、問題のデバッグが容易になり、お客様へのサポートと問題の解決が迅速化されます。証明書の情報は sosreport の一部として含まれるようになりました。セキュリティー上の理由から、対応する秘密鍵の情報は収集されないことに注意してください。
- BZ#1906074
- 今回のリリースで、通常のストレージドメインと管理対象のブロックストレージドメイン間でディスクをコピーするためのサポートが追加されました。管理対象のブロックストレージドメインと通常のストレージドメイン間でディスクを移行できるようになりました。
- BZ#1944723
- このリリースでは、x86_64 アーキテクチャーで最大 16TB の RAM の仮想マシンの実行がサポートされています。
6.9.3. テクノロジープレビュー
本セクションに記載する項目は、テクノロジープレビューとして提供しています。テクノロジープレビューステータスのスコープに関する詳細情報およびそれに伴うサポートへの影響については、Technology Preview Features Support Scope を参照してください。
- BZ#1688177
- 仮想 NIC プロファイルのフェイルオーバー。この機能により、ユーザーは移行時にアクティブ化されるフェイルオーバーネットワークを使用して、ダウンタイムを最小限に抑え、SR-IOV 経由で接続された仮想マシンを移行することができます。
6.9.4. リリースノート
このセクションでは、Red Hat Virtualization の注目すべき変更点や推奨プラクティスなど、今回のリリースに関する重要な情報を記載しています。お使いのデプロイメントに最大限の効果をもたらすために、以下の情報を考慮する必要があります。
6.9.5. 非推奨の機能
本項には、サポートされなくなった機能、または今後のリリースでサポートされなくなる予定の機能について記載します。