6.4. Red Hat Enterprise Virtualization 4.4 SP1 の一般公開 (ovirt-4.5.0)
6.4.1. バグ修正
以下のバグは、Red Hat Virtualization の本リリースで修正されました。
- BZ#1648985
- ユーザーロールのパーミッションを持つユーザーは、スーパーユーザーの仮想マシンを制御したり、スーパーユーザーのコンソール接続を閉じたり、ユーザーロールのパーミッションを持つユーザーに仮想マシンを割り当てたりすることはできません。
- BZ#1687845
- ホストへの通知は、ジョブの終了時間をローカルブラウザーの時間と比較する代わりに、サーバー時間に依存して、複数のホストの Finish activating host 問題を解決します。
- BZ#1768969
- セルフホストエンジンのデプロイメント中に、iSCSI ログインに TPGT 値 (ターゲットポータルグループタグ) が使用されて重複する iSCSI セッションが作成される問題が解決されました。
- BZ#1810032
- vNIC ネットワークフィルターのデフォルト値は、REST API ドキュメントに記載されています。
- BZ#1834542
-
engine-setup
プロセスは、yum
プロキシー設定を使用してパッケージと RPM をチェックします。 - BZ#1932149
-
hosts-engine --deploy
コマンドは、クラスターまたはデータセンターの互換性レベルをチェックし、適切なフォーマットでストレージドメインを作成します。 - BZ#1944290
- ユーザーが期限切れのパスワードを使用して仮想マシンポータルまたは管理ポータルにログインしようとすると、リンクによってユーザーは Change password ページに移動します。
- BZ#1959186、BZ#1991240
- ユーザーが VM ポータルのテンプレートから VM をプロビジョニングすると、Manager はユーザーがアクセスできるクォータを選択するため、ユーザーはテンプレートで指定されたクォータに制限されません。
- BZ#1971622
- ホストの詳細ビューの仮想マシンタブにある警告アイコンが正しく表示されるようになりました。
- BZ#1971863
-
engine-setup
プロセスは、廃止されたANY
タイプの DNS クエリーを無視します。 - BZ#1974741
- 以前は、ファイナライズメカニズムのバグにより、ディスクがデータベースにロックされたままになりました。このリリースでは、最終処理のメカニズムが正しく機能し、すべてのシナリオでディスクのロックが解除されたままになります。
- BZ#1979441
- 以前は、高パフォーマンス仮想マシンの CPU がクラスター CPU と異なる場合に警告が表示されました。このリリースでは、CPU パススルーが設定されている場合、警告は表示されません。
- BZ#1986726
- 仮想マシンが OVA としてインポートされると、選択した割り当てポリシーに準拠します。
- BZ#1988496
-
vmconsole-proxy-helper
証明書は、engine-setup
プロセス中に Manager 証明書で更新されます。 - BZ#2000031
- 応答しない SPM ホストは、複数回ではなく 1 回再起動します。
- BZ#2003996
-
以前は、次回実行のスナップショット
type
がないため、次回実行スナップショットが存在する場合、通常のスナップショットを削除できませんでした。このリリースでは、次回実行'スナップショットをクライアントに報告しないことで問題を解決しました。 - BZ#2006745
-
以前は、Managed Block Storage ドメインとの間でテンプレートディスクをコピーすると、そのストレージドメイン ID が間違っており、同じイメージがイメージとベースディスクのデータベーステーブルに繰り返し保存され、その
ManagedBlockStorageDisk
ディスクタイプがDiskImage
にキャストされていました。このリリースでは、Managed Block Storage ドメインとの間でテンプレートディスクをコピーすると、期待どおりに機能するようになりました。 - BZ#2007384
-
ディスクの
writeRate
およびreadRate
パラメーター値のデータタイプが、より高い値をサポートするためにinteger
からlong
に変更されました。 - BZ#2010067
- 事前に割り当てられたディスクがダウンロードされると、そのイメージは完全に割り当てられるのではなく、Sparse として保存されます。
- BZ#2010203
- ログコレクション分析ツールは、改行を正しく処理し、HTML レポートの管理対象外のデバイスを持つ仮想マシンテーブルの不適切なフォーマットの問題を解決しました。
- BZ#2010478
- 仮想マシンの移行中にストレージの状態が変化すると、仮想マシンは再開ポリシーに従って正しく動作します。
- BZ#2011309
-
以前は、OpenSCAP セキュリティープロファイル適用時にセルフホストエンジンのデプロイが失敗し、SSH キーパーミッションがセキュアではない
0640
に変更されていました。このリリースでは、パーミッションは0600
のまま変更されず、デプロイメントは成功します。 - BZ#2013928
- Log Collection Analysis ツールのデータベース内の特殊文字がエスケープされ、HTML レポートにおける vdc_options テーブルの不適切なフォーマットに関する問題が解決されました。
- BZ#2016173
-
vdsm-tool
によって作成された LVM フィルターは、SCSI デバイスを含めるのではなく、マルチパスデバイスを正しくフィルタリングします。 - BZ#2024202
- 管理ポータルダイアログの翻訳文字列は、すべての言語で正しく表示されます。
- BZ#2028481
- SCSI リザベーションは、ホットプラグされたディスクに対して機能します。
- BZ#2040361
- VirtIO-SCSI インターフェイスを備えた複数のディスクが、複数の IO スレッド用に設定された仮想マシンにホットプラグされると、各ディスクに固有の PCI アドレスが割り当てられ、重複する PCI アドレスの問題が解決されます。
- BZ#2040402
- Log Collector ツールの廃止された log_days オプションを使用するコマンドが削除されました。
- BZ#2041544
- アップロードするホストを選択するときに、別のホストを選択すると、ホストリストは最初のホストに戻らなくなくなりました。
- BZ#2048546
-
Log Collector ツールは、今後において非推奨になる予定の
sosreport
コマンドによって引き起こされる警告メッセージを回避するために、sos report
コマンドを使用するように変更されました。 - BZ#2050108
-
ovirt-ha-broker
サービスは、DISA STIG プロファイルを持つホストで正常に実行されます。 - BZ#2052557
- ステートレス仮想マシンまたは run-once モードで起動された仮想マシンがシャットダウンされると、vGPU デバイスが適切に解放されます。
- BZ#2064380
- libvirt 8 の要件に準拠して、VNC コンソールのパスワードが 12 文字から 8 文字に変更されました。
- BZ#2066811
-
postgres ユーザーを
engine_psql.sh
に置き換えると、非 root ユーザーによる Ansible Playbook の実行を許可しない DISA STIG プロファイルを持つホストで、セルフホストエンジンのデプロイメントに成功します。
- BZ#2075852
-
正しいバージョンの
nodejs
パッケージがインストールされました。
6.4.2. 機能拡張
Red Hat Virtualization の今回のリリースでは、以下の機能拡張が提供されています。
- BZ#977379
- 管理ポータルで iSCSI ストレージドメイン接続を編集および管理できます。たとえば、論理ドメインを編集して別の物理ストレージを指すことが可能です。これは、基盤となる LUN がバックアップ目的で複製される場合、または物理ストレージアドレスが変更された場合に役立ちます。
- BZ#1616158
- セルフホストエンジンのインストールでは、Manager の IP アドレスが、セルフホストエンジンエージェントを実行しているホストと同じサブネットにあることが確認されます。
- BZ#1624015
-
engine-config
を使用して、すべての仮想マシンに対してコンソールタイプをグローバルに設定できます。 - BZ#1667517
-
ログインしたユーザーは、デフォルトのコンソールタイプ、フルスクリーンモード、スマートカードの有効化、
Ctrl+Alt+Del
キーマッピング、および 仮想マシンポータルでの SSH キーを設定できます。 - BZ#1745141
-
仮想マシン (
movdiri
、movdir64b
) のextra_cpu_flags
カスタムプロパティーを変更することで、SnowRidge Accelerator Interface Architecture (AIA) を有効にできます。 - BZ#1781241
- 仮想マシンポータルで仮想マシンに自動的に接続する機能が、設定可能なオプションとして復元されました。
- BZ#1849169
-
VCPU_TO_PHYSICAL_CPU_RATIO
パラメーターが、ホスト上の物理 CPU の過剰使用を防ぐために、Evenly Distributed
スケジューリングポリシーに追加されました。このパラメーターの値は、仮想 CPU と物理 CPU の比率を反映しています。 - BZ#1878930
-
engine-config
を使用して、プールで使用可能な MAC アドレスの最小数のしきい値を設定できます。
- BZ#1922977
- 共有ディスクは OVF_STORE 設定に含まれています。これにより、ストレージドメインが新しいデータセンターに移動され、仮想マシンがインポートされた後に仮想マシンがディスクを共有できるようになります。
- BZ#1925878
- 管理ポータルへのリンクがすべての Grafana ダッシュボードに追加されました。
- BZ#1926625
- How to enable HTTP Strict Transport Security (HSTS) on Apache HTTPD の手順に従い、Manager をインストールした後に HTTP Strict Transport Security を有効にできます。
- BZ#1944834
- 意図しない切断を避けるために、管理ポータルで仮想マシンコンソールセッションをシャットダウンするための遅延間隔を設定できます。
- BZ#1964208
- 管理ポータルで仮想マシンのスクリーンショットを作成してダウンロードできます。
- BZ#1975720
- 並行移行接続を作成できます。詳細については、Parallel migration connections を参照してください。
- BZ#1979797
- 別のストレージドメイン内の仮想マシンによってリースされているボリュームを含むストレージドメインを削除しようとすると、警告メッセージが表示されます。
- BZ#1987121
-
vGPU 編集ダイアログを使用して、仮想マシンのすべての vGPU に対して vGPU ドライバーパラメーターを文字列として指定できます (例:
enable_uvm=1
)。vGPU 編集ダイアログは、ホストデバイス から 仮想マシンデバイス に移動されました。 - BZ#1990462
- RSyslog は、ユーザー名とパスワードを使用して Elasticsearch に対して認証できます。
- BZ#1991482
- モニタリングポータルへのリンクが管理ぽ=たるのダッシュボードに追加されました。
- BZ#1995455
- ゲスト OS に互換性がある場合、クラスターバージョン 4.6 以前では最大 vCPU 数以内の任意の数の CPU ソケットを使用できます。
- BZ#1998255
- vNIC プロファイルを属性で検索およびフィルタリングできます。
- BZ#1998866
- Windows 11 は、ゲストオペレーティングシステムとしてサポートされています。
- BZ#1999698
-
Apache HTTPD SSLProtocol 設定は、
engine-setup
によって設定されるのではなく、crypto-policies によって管理されます。 - BZ#2012830
- セットアップが複雑で管理が難しい LVM フィルターの代わりに、論理ボリューム管理 (LVM) デバイスファイルを使用してストレージデバイスを管理できるようになりました。RHEL 8.6 以降では、これがストレージデバイス管理のデフォルトになります。
- BZ#2002283
-
engine-config
で仮想マシンの PCI Express ポートの数を設定できます。 - BZ#2020620
- DISA STIG プロファイルを使用して、セルフホストエンジンをホストにデプロイできます。
- BZ#2021217
- Windows 2022 は、ゲストオペレーティングシステムとしてサポートされています。
- BZ#2021545
- DataCenter/Cluster 互換性レベル 4.7 は、RHEL 8.6 以降のホストで使用できます。
- BZ#2023786
-
仮想マシンがカスタムプロパティー
sap_agent=true
で設定されている場合、vdsm-hook-vhostmd
パッケージがインストールされていないホストは、仮想マシン起動時にスケジューラーによって除外されます。 - BZ#2029830
- インストール時に、セルフホストエンジン仮想マシンの DISA STIG または PCI-DSS セキュリティープロファイルのいずれかを選択できます。
- BZ#2030596
- Manager は、PCI-DSS セキュリティープロファイルを持つホスト上で実行できます。
- BZ#2033185
- クラスターレベル 4.7 は、e1000e 仮想マシン NIC タイプをサポートします。e1000 ドライバーは RHEL 8.0 で非推奨化されるため、ユーザーは可能であれば e1000e に切り替える必要があります。
- BZ#2037121
- RHV Image Discrepancy ツールは、出力にデータセンターとストレージドメインの名前を表示します。
- BZ#2040474
- クラスターのアップグレード中に管理ポータルに表示されるエラーメッセージとステータスおよび進行状況のインジケーターが改善されました。
- BZ#2049782
- 管理ポータルでユーザー固有の個人設定を行うことができます。
- BZ#2054756
- Migration Toolkit for Virtualization ドキュメントへのリンクが、管理ポータルのログイン画面に追加されました。
- BZ#2058177
-
RHEL 8 がストレージデバイスの管理に使用する
nvme-cli
パッケージが RHVH に追加されました。 - BZ#2066042
-
cockpit-ovirt
に必要なansible-core
パッケージが RHVH に追加されました。 - BZ#2070963
-
DISA-STIG プロファイル要件に準拠するために、
rng-tools
、rsyslog-gnutls
、およびusbguard
パッケージがrhvm-appliance
に追加されました。 - BZ#2070980
-
OVA パッケージマニフェストが
rhvm-appliance
RPM に追加されました。 - BZ#2072881
- 以前の RHV 4 バージョンのバックアップを、最新バージョンのデータセンター/クラスターに復元できます。
6.4.3. リリースノート
このセクションでは、Red Hat Virtualization の注目すべき変更点や推奨プラクティスなど、今回のリリースに関する重要な情報を記載しています。お使いのデプロイメントに最大限の効果をもたらすために、以下の情報を考慮する必要があります。
- BZ#1782056
-
IPSec for Open Virtual Network が、
ovirt-provider-ovn
、ovn-2021
以降、およびopenvswitch2.15
以降のホストで使用できます。 - BZ#1940824
- OVN および OVS 2.11 を OVN 2021 および OVS 2.15 にアップグレードできます。
- BZ#2004852
- Ansible Playbook を使用して仮想マシンを作成する際に、利用可能な vCPU の数に応じて、VirtIO-SCSI と複数のキューを有効化できます。
- BZ#2015796
- 現在のリリースは、RHEL 8.6 DISA STIG OpenSCAP プロファイルを持つホストにデプロイできます。
- BZ#2023250
-
ホストのインストールとアップグレードのフローが更新され、RHEL 8.6 ホストの新規インストール中または RHEL 8.5 以前からのアップグレード中に
virt:rhel
モジュールが有効になりました。 - BZ#2030226
- RHVH は、PCI-DSS セキュリティープロファイルを持つマシンにデプロイできます。
- BZ#2052686
-
現在のリリースでは、
ansible-core
2.12.0 以降が必要です。 - BZ#2055136
-
virt
DNF モジュールのバージョンは、アップグレード手順中にホストの RHEL バージョンに設定されます。 - BZ#2056126
- 内部証明書が期限切れになると、Manager は 120 日前に警告イベントを作成し、30 日前に警告イベントを監査ログに作成します。Manager への HTTPS アクセス用のカスタム証明書はチェックされません。
6.4.4. 非推奨の機能
本項には、サポートされなくなった機能、または今後のリリースでサポートされなくなる予定の機能について記載します。
- BZ#2016359
- Red Hat Gluster Storage は 2024 年にサポートが終了するため、GlusterFS ストレージタイプは非推奨になりました。