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5.9. ファイルシステムのマウント

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デフォルトでは、拡張属性をサポートするファイルシステムがマウントされる際は、各ファイルのセキュリティ-コンテキストがファイルの security.selinux 拡張属性から取得されます。拡張属性をサポートしないファイルシステムのファイルは、ファイルシステムタイプに基づいて、ポリシー設定から単一のデフォルト設定コンテキストが割り当てられます。
既存の拡張属性を上書きしたり、拡張属性をサポートしないファイルシステムの異なるデフォルトコンテキストを特定するには、mount -o context コマンドを使います。例えば、複数システムで使用するリムーバブルメディアなどの正しい属性を提供するファイルシステムを信頼できない場合に、これは便利です。mount -o context コマンドは、File Allocation Table (FAT) や NFS ファイルシステムなど、拡張属性をサポートしないファイルシステムのラベリングのサポートにも使用できます。context で指定されたコンテキストは、ディスクに書き込まれません。オリジナルのコンテキストは保持され、context オプションなしでマウントされるとこれを見ることができます (最初にファイルシステムが拡張属性を持っている場合)。
ファイルシステムのラベリングに関する情報については、James Morris の記事 "Filesystem Labeling in SELinux" : http://www.linuxjournal.com/article/7426 を参照してください。

5.9.1. コンテキストのマウント

ファイルシステムを指定されたコンテキストでマウントする、または既存のコンテキストがある場合はこれを上書きする、拡張属性をサポートしないファイルシステムの異なるデフォルトのコンテキストを指定するには、希望するファイルシステムのマウント時に Linux root ユーザーで mount -o context=SELinux_user:role:type:level コマンドを実行します。コンテキストの変更は、ディスクに書き込まれません。デフォルトでは、クライアント側の NFS マウントは、NFS ファイルシステムのポリシーで定義されたデフォルトのコンテキストでラベリングされます。共通ポリシーでは、このデフォルトのコンテキストは nfs_t タイプを使います。追加のマウントオプションがないと、これによって Apache HTTP Server などの他のサービス経由で NFS ファイルシステムを共有することが妨げられる可能があります。以下の例では NFS ファイルシステムをマウントすることで、Apache HTTP Server 経由での共有が可能になっています。
~]# mount server:/export /local/mount/point -o \ context="system_u:object_r:httpd_sys_content_t:s0"
このファイルシステム上にある新規作成ファイルおよびディレクトリーには、-o context で指定された SELinux コンテキストがあるように見えます。しかし、この状況のコンテキスト変更がディスクに書き込まれていないため、context option で指定されたコンテキストは、context オプションが次のマウントで使われ、同一のコンテキストが指定された場合にのみ保持されます。
Type Enforcement は、SELinux ターゲットポリシーで使われる主要なパーミッション制御です。ほとんどの場合、SELinux ユーザーとロールは無視することができます。このため、-o context で SELinux コンテキストを上書きする際は、SELinux system_u ユーザーと object_r ロールを使って、タイプに集中します。MLS ポリシーや複数カテゴリのセキュリティーを使用していない場合は、s0 レベルを使います。

注記

ファイルシステムを context オプションでマウントする場合は、(ユーザーやプロセスによる) コンテキスト変更は禁止されます。例えば、context オプションでマウントされたファイルシステム上で chcon を実行すると、Operation not supported エラーが出ます。
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