5.8. file_t および default_t タイプ
拡張属性をサポートするファイルシステムでは、ディスク上に SELinux コンテキストがないファイルにアクセスがあった場合、SELinux ポリシーが定義するデフォルトのコンテキストを持っているものとして扱われます。共通ポリシーでは、このデフォルトのコンテキストは
file_t
タイプを使います。このタイプを使用するのはこの場合に限るべきで、そうすることでディスク上でコンテキストのないファイルがポリシーで区別可能になり、通常、制限されたドメインにはアクセス不可能になります。SELinux 実行中のシステム上では、全ファイルに SELinux コンテキストがあり、file_t
タイプはファイル-コンテキスト設定では決して使われないため[9] file_t
は正しくラベル付けされたファイルシステムにはあってはなりません。
default_t
タイプは、ファイル-コンテキスト設定内の他のパターンのいずれにも合致しないファイルに使用され、これによってこれらのファイルをディスク上にコンテキストのないファイルから区別できるようになり、通常は制限されたドメインにはアクセス不可能になります。/mydirectory/
のようなトップレベルのディレクトリーを新たに作成すると、default_t
タイプのラベル付けがされます。このようなディレクトリーにサービスがアクセスする必要がある場合、このロケーションのファイル-コンテキスト設定を更新します。ファイル-コンテキスト設定にコンテキストを追加することに関しては 「永続的な変更: semanage fcontext」 を参照してください。
[9]
/etc/selinux/targeted/contexts/files/
内のファイルがファイルとディレクトリーのコンテキストを定義します。このディレクトリー内のファイルは、restorecon
および setfiles
に読み取られ、デフォルトのコンテキストにファイルおよびディレクトリーが復元されます。