2.5. Vertical Pod Autoscaler を使用した Pod リソースレベルの自動調整
OpenShift Container Platform の Vertical Pod Autoscaler Operator (VPA) は、Pod 内のコンテナーの履歴および現在の CPU とメモリーリソースを自動的に確認し、把握する使用値に基づいてリソース制限および要求を更新できます。VPA は個別のカスタムリソース (CR) を使用して、プロジェクトの Deployment、DeploymentConfig、StatefulSet、Job、DaemonSet、ReplicaSet、または ReplicationController などのワークロードオブジェクトに関連付けられたすべての Pod を更新します。
VPA は、Pod に最適な CPU およびメモリーの使用状況を理解するのに役立ち、Pod のライフサイクルを通じて Pod のリソースを自動的に維持します。
2.5.1. Vertical Pod Autoscaler Operator について リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Vertical Pod Autoscaler Operator (VPA) は、API リソースおよびカスタムリソース (CR) として実装されます。CR は、プロジェクトのデーモンセット、レプリケーションコントローラーなどの特定のワークロードオブジェクトに関連付けられた Pod について Vertical Pod Autoscaler Operator が取るべき動作を判別します。
VPA は 3 つのコンポーネントで構成され、各コンポーネントは VPA namespace に独自の Pod を持ちます。
- レコメンダー
- VPA レコメンダーは、現在のリソース消費量と過去のリソース消費量を監視します。このデータに基づいて、VPA レコメンダーは、関連付けられたワークロードオブジェクト内の Pod に最適な CPU およびメモリーリソースを決定します。
- アップデーター
- VPA アップデーターは、関連付けられたワークロードオブジェクト内の Pod に正しいリソースがあるか確認します。リソースが正しい場合、アップデーターは何も行いません。リソースが正しくない場合、アップデーターは Pod を強制終了し、Pod のコントローラーが更新されたリクエストでリソースを再作成できるようにします。
- アドミッションコントローラー
- VPA アドミッションコントローラーは、関連付けられたワークロードオブジェクト内の各新しい Pod に正しいリソース要求を設定します。これは、Pod が新規であるか、または VPA アップデーターアクションによりコントローラーが Pod を再作成したかに関係なく適用されます。
デフォルトのレコメンダーを使用することも、独自の代替レコメンダーを使用して独自のアルゴリズムに基づいて自動スケーリングを実行することもできます。
デフォルトのレコメンダーは、これらの Pod 内のコンテナーの CPU とメモリーの過去および現在の使用状況を自動的に計算します。デフォルトのレコメンダーは、これらの Pod が常に効率的に動作するように、このデータを使用して最適なリソース制限および要求を決定します。たとえば、デフォルトレコメンダーは使用している量よりも多くのリソースを要求する Pod のリソースを減らし、十分なリソースを要求していない Pod のリソースを増やします。
VPA は、一度に 1 つずつ、これらの推奨値で調整されていない Pod を自動的に削除するため、アプリケーションはダウンタイムなしに継続して要求を提供できます。その後、ワークロードオブジェクトが、元のリソース制限および要求を使用して Pod を再デプロイします。VPA は変更用のアドミッション Webhook を使用して、Pod がノードに許可される前に最適化されたリソース制限および要求で Pod を更新します。VPA が Pod を削除する必要がない場合は、VPA リソース制限および要求を表示し、必要に応じて Pod を手動で更新できます。
デフォルトで、ワークロードオブジェクトは、VPA が Pod を自動的に削除できるようにするためにレプリカを 2 つ以上指定する必要があります。この最小値よりも少ないレプリカを指定するワークロードオブジェクトは削除されません。これらの Pod を手動で削除すると、ワークロードオブジェクトが Pod を再デプロイするときに、VPA は推奨内容に基づいて新規 Pod を更新します。この最小値は、VPA の最小値の変更 に記載されているとおり、VerticalPodAutoscalerController オブジェクトを変更して変更できます。
たとえば、CPU の 50% を使用する Pod が 10% しか要求しない場合、VPA は Pod が要求よりも多くの CPU を消費すると判別してその Pod を削除します。レプリカセットなどのワークロードオブジェクトは Pod を再起動し、VPA は推奨リソースで新しい Pod を更新します。
開発者は VPA を使用して、各 Pod に適切なリソースを持つノードに Pod をスケジューリングすることにより、需要が高い期間に Pod がアクティブであることを確認できます。
管理者は VPA を使用して、クラスターリソースをより適切に活用できます。たとえば、必要以上の CPU リソースを Pod が予約できないようにします。VPA は、ワークロードが実際に使用しているリソースをモニターし、他のワークロードで容量を使用できるようにリソース要件を調整します。VPA は、初期のコンテナー設定で指定された制限と要求の比率も維持します。
VPA の実行を停止するか、クラスターの特定の VPA CR を削除する場合、VPA によってすでに変更された Pod のリソース要求は変更されません。ただし、新しい Pod は、VPA による以前の推奨内容ではなく、ワークロードオブジェクトで定義されたリソースを取得します。
2.5.2. Vertical Pod Autoscaler Operator のインストール リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
OpenShift Container Platform Web コンソールを使用して Vertical Pod Autoscaler Operator (VPA) をインストールすることができます。
手順
-
OpenShift Container Platform Web コンソールで、Operators
OperatorHub をクリックします。 - 利用可能な Operator のリストから VerticalPodAutoscaler を選択し、Install をクリックします。
-
Install Operator ページで、Operator recommended namespace オプションが選択されていることを確認します。これにより、Operator が必須の
openshift-vertical-pod-autoscalernamespace にインストールされます。この namespace は存在しない場合は、自動的に作成されます。 - Install をクリックします。
検証
VPA コンポーネントをリスト表示してインストールを確認します。
-
Workloads
Pods に移動します。 -
ドロップダウンメニューから
openshift-vertical-pod-autoscalerプロジェクトを選択し、4 つの Pod が実行されていることを確認します。 -
Workloads
Deployments に移動し、4 つのデプロイメントが実行されていることを確認します。
-
Workloads
オプション: 以下のコマンドを使用して、OpenShift Container Platform CLI でインストールを確認します。
$ oc get all -n openshift-vertical-pod-autoscaler出力には、4 つの Pod と 4 つのデプロイメントが表示されます。
出力例
NAME READY STATUS RESTARTS AGE pod/vertical-pod-autoscaler-operator-85b4569c47-2gmhc 1/1 Running 0 3m13s pod/vpa-admission-plugin-default-67644fc87f-xq7k9 1/1 Running 0 2m56s pod/vpa-recommender-default-7c54764b59-8gckt 1/1 Running 0 2m56s pod/vpa-updater-default-7f6cc87858-47vw9 1/1 Running 0 2m56s NAME TYPE CLUSTER-IP EXTERNAL-IP PORT(S) AGE service/vpa-webhook ClusterIP 172.30.53.206 <none> 443/TCP 2m56s NAME READY UP-TO-DATE AVAILABLE AGE deployment.apps/vertical-pod-autoscaler-operator 1/1 1 1 3m13s deployment.apps/vpa-admission-plugin-default 1/1 1 1 2m56s deployment.apps/vpa-recommender-default 1/1 1 1 2m56s deployment.apps/vpa-updater-default 1/1 1 1 2m56s NAME DESIRED CURRENT READY AGE replicaset.apps/vertical-pod-autoscaler-operator-85b4569c47 1 1 1 3m13s replicaset.apps/vpa-admission-plugin-default-67644fc87f 1 1 1 2m56s replicaset.apps/vpa-recommender-default-7c54764b59 1 1 1 2m56s replicaset.apps/vpa-updater-default-7f6cc87858 1 1 1 2m56s
2.5.3. Vertical Pod Autoscaler Operator の使用について リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Vertical Pod Autoscaler Operator (VPA) を使用するには、クラスター内にワークロードオブジェクトの VPA カスタムリソース (CR) を作成します。VPA は、そのワークロードオブジェクトに関連付けられた Pod に最適な CPU およびメモリーリソースを確認し、適用します。VPA は、デプロイメント、ステートフルセット、ジョブ、デーモンセット、レプリカセット、またはレプリケーションコントローラーのワークロードオブジェクトと共に使用できます。VPA CR は、チェックする Pod と同じプロジェクト内にある必要があります。
VPA CR を使用してワークロードオブジェクトを関連付け、VPA が動作するモードを指定します。
-
AutoおよびRecreateモードは、Pod の有効期間中は VPA CPU およびメモリーの推奨事項を自動的に適用します。VPA は、推奨値で調整されていないプロジェクトの Pod を削除します。ワークロードオブジェクトによって再デプロイされる場合、VPA はその推奨値で新規 Pod を更新します。 -
Initialモードは、Pod の作成時にのみ VPA の推奨値を自動的に適用します。 -
Offモードでは、推奨されるリソース制限と要求のみが提供されます。その後、推奨値を手動で適用できます。Offモードは Pod を更新しません。
CR を使用して、VPA 評価および更新から特定のコンテナーをオプトアウトすることもできます。
たとえば、Pod には以下の制限および要求があります。
resources:
limits:
cpu: 1
memory: 500Mi
requests:
cpu: 500m
memory: 100Mi
Auto に設定された VPA を作成すると、VPA はリソースの使用状況を確認して Pod を削除します。再デプロイ時に、Pod は新規のリソース制限および要求を使用します。
resources:
limits:
cpu: 50m
memory: 1250Mi
requests:
cpu: 25m
memory: 262144k
次のコマンドを使用して、VPA の推奨値を表示できます。
$ oc get vpa <vpa-name> --output yaml
数分後に、出力には、以下のような CPU およびメモリー要求の推奨値が表示されます。
出力例
...
status:
...
recommendation:
containerRecommendations:
- containerName: frontend
lowerBound:
cpu: 25m
memory: 262144k
target:
cpu: 25m
memory: 262144k
uncappedTarget:
cpu: 25m
memory: 262144k
upperBound:
cpu: 262m
memory: "274357142"
- containerName: backend
lowerBound:
cpu: 12m
memory: 131072k
target:
cpu: 12m
memory: 131072k
uncappedTarget:
cpu: 12m
memory: 131072k
upperBound:
cpu: 476m
memory: "498558823"
...
出力には、target (推奨リソース)、lowerBound (最小推奨リソース)、upperBound (最大推奨リソース)、および uncappedTarget (最新の推奨リソース) が表示されます。
VPA は lowerBound および upperBound の値を使用して、Pod の更新が必要か判別します。Pod のリソース要求が lowerBound 値より少ないか upperBound 値より大きい場合、VPA は Pod を終了し、target 値で Pod を再作成します。
2.5.3.1. VPA の最小値の変更 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
デフォルトで、ワークロードオブジェクトは、VPA が Pod を自動的に削除し、更新できるようにするためにレプリカを 2 つ以上指定する必要があります。そのため、2 つ未満を指定するワークロードオブジェクトの場合 VPA は自動的に機能しません。VPA 外部のプロセスによって Pod が再起動された場合、VPA はこれらのワークロードオブジェクトから新しい Pod を更新します。このクラスター全体の最小値の変更は、VerticalPodAutoscalerController カスタムリソース (CR) の minReplicas パラメーターを変更して実行できます。
たとえば、minReplicas を 3 に設定する場合、VPA は 2 レプリカ以下のレプリカを指定するワークロードオブジェクトの Pod を削除せず、更新しません。
minReplicas を 1 に設定する場合、VPA は 1 つのレプリカのみを指定するワークロードオブジェクトの Pod のみを削除できます。VPA が Pod を削除してリソースを調整するたびに、ワークロードがダウンタイムを許容できる場合にのみ、1 つのレプリカオブジェクトでこの設定を使用します。1 つのレプリカオブジェクトで不要なダウンタイムを回避するには、podUpdatePolicy を Initial に設定して VPA CR を設定します。これにより、VPA 外部のプロセスが再起動した場合にのみ Pod が自動的に更新されます。または、Off に設定すると、アプリケーションの適切なタイミングで Pod を手動で更新できます。
VerticalPodAutoscalerController オブジェクトの例
apiVersion: autoscaling.openshift.io/v1
kind: VerticalPodAutoscalerController
metadata:
creationTimestamp: "2021-04-21T19:29:49Z"
generation: 2
name: default
namespace: openshift-vertical-pod-autoscaler
resourceVersion: "142172"
uid: 180e17e9-03cc-427f-9955-3b4d7aeb2d59
spec:
minReplicas: 3
podMinCPUMillicores: 25
podMinMemoryMb: 250
recommendationOnly: false
safetyMarginFraction: 0.15
2.5.3.2. VPA の推奨事項の自動適用 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
VPA を使用して Pod を自動的に更新するには、updateMode が Auto または Recreate に設定された特定のワークロードオブジェクトの VPA CR を作成します。
Pod がワークロードオブジェクト用に作成されると、VPA はコンテナーを継続的にモニターして、CPU およびメモリーのニーズを分析します。VPA は、CPU およびメモリーに関する VPA の推奨値を満たさない Pod を削除します。再デプロイ時に、Pod は VPA の推奨値に基づいて新規のリソース制限および要求を使用し、アプリケーションに設定された Pod の Disruption Budget (停止状態の予算) を反映します。この推奨事項は、参照用に VPA CR の status フィールドに追加されます。
デフォルトで、ワークロードオブジェクトは、VPA が Pod を自動的に削除できるようにするためにレプリカを 2 つ以上指定する必要があります。この最小値よりも少ないレプリカを指定するワークロードオブジェクトは削除されません。これらの Pod を手動で削除すると、ワークロードオブジェクトが Pod を再デプロイします。VPA は推奨内容に基づいて新規 Pod を更新します。この最小値は、VPA の最小値の変更 に記載されているとおり、VerticalPodAutoscalerController オブジェクトを変更して変更できます。
Auto モードの VPA CR の例
apiVersion: autoscaling.k8s.io/v1
kind: VerticalPodAutoscaler
metadata:
name: vpa-recommender
spec:
targetRef:
apiVersion: "apps/v1"
kind: Deployment
name: frontend
updatePolicy:
updateMode: "Auto"
- 1
- この VPA CR が管理するワークロードオブジェクトのタイプ。
- 2
- この VPA CR が管理するワークロードオブジェクトの名前。
- 3
- モードを
AutoまたはRecreateに設定します。-
Auto:VPA は、Pod の作成時にリソース要求を割り当て、要求されるリソースが新規の推奨事項と大きく異なる場合に、それらを終了して既存の Pod を更新します。 -
Recreate:VPA は、Pod の作成時にリソース要求を割り当て、要求されるリソースが新規の推奨事項と大きく異なる場合に、それらを終了して既存の Pod を更新します。このモードが使用されることはほとんどありません。リソース要求の変更に応じて Pod を必ず再起動させたい場合に限定して使用します。
-
VPA によってリソースの推奨事項を決定し、推奨リソースを新しい Pod に適用するには、動作中の Pod がプロジェクト内に存在し、実行されている必要があります。
CPU やメモリーなどのワークロードのリソース使用量が安定している場合、VPA はリソースの推奨事項を数分で決定できます。ワークロードのリソース使用量が安定していない場合、VPA は正確な推奨を行うために、さまざまなリソース使用量の間隔でメトリクスを収集する必要があります。
2.5.3.3. Pod 作成時における VPA 推奨の自動適用 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
VPA を使用して、Pod が最初にデプロイされる場合にのみ推奨リソースを適用するには、updateMode が Initial に設定された特定のワークロードオブジェクトの VPA CR を作成します。
次に、VPA の推奨値を使用する必要のあるワークロードオブジェクトに関連付けられた Pod を手動で削除します。Initial モードで、VPA は新しいリソースの推奨内容を確認する際に Pod を削除したり、更新したりしません。
Initial モードの VPA CR の例
apiVersion: autoscaling.k8s.io/v1
kind: VerticalPodAutoscaler
metadata:
name: vpa-recommender
spec:
targetRef:
apiVersion: "apps/v1"
kind: Deployment
name: frontend
updatePolicy:
updateMode: "Initial"
VPA によって推奨リソースを決定し、推奨事項を新しい Pod に適用するには、動作中の Pod がプロジェクト内に存在し、実行されている必要があります。
VPA から最も正確な推奨事項を取得するには、Pod が実行され、VPA が安定するまで少なくとも 8 日間待機してください。
2.5.3.4. VPA の推奨事項の手動適用 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
CPU およびメモリーの推奨値を判別するためだけに VPA を使用するには、updateMode を Off に設定した特定のワークロードオブジェクトの VPA CR を作成します。
Pod がワークロードオブジェクト用に作成されると、VPA はコンテナーの CPU およびメモリーのニーズを分析し、VPA CR の status フィールドにそれらの推奨事項を記録します。VPA は、新しい推奨リソースを判別する際に Pod を更新しません。
Off モードの VPA CR の例
apiVersion: autoscaling.k8s.io/v1
kind: VerticalPodAutoscaler
metadata:
name: vpa-recommender
spec:
targetRef:
apiVersion: "apps/v1"
kind: Deployment
name: frontend
updatePolicy:
updateMode: "Off"
以下のコマンドを使用して、推奨事項を表示できます。
$ oc get vpa <vpa-name> --output yaml
この推奨事項により、ワークロードオブジェクトを編集して CPU およびメモリー要求を追加し、推奨リソースを使用して Pod を削除および再デプロイできます。
VPA によって推奨リソースを決定し、推奨事項を新しい Pod に適用するには、動作中の Pod がプロジェクト内に存在し、実行されている必要があります。
VPA から最も正確な推奨事項を取得するには、Pod が実行され、VPA が安定するまで少なくとも 8 日間待機してください。
2.5.3.5. VPA の推奨事項をすべてのコンテナーに適用しないようにする リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
ワークロードオブジェクトに複数のコンテナーがあり、VPA がすべてのコンテナーを評価および実行対象としないようにするには、特定のワークロードオブジェクトの VPA CR を作成し、resourcePolicy を追加して特定のコンテナーをオプトアウトします。
VPA が推奨リソースで Pod を更新すると、resourcePolicy が設定されたコンテナーは更新されず、VPA は Pod 内のそれらのコンテナーの推奨事項を提示しません。
apiVersion: autoscaling.k8s.io/v1
kind: VerticalPodAutoscaler
metadata:
name: vpa-recommender
spec:
targetRef:
apiVersion: "apps/v1"
kind: Deployment
name: frontend
updatePolicy:
updateMode: "Auto"
resourcePolicy:
containerPolicies:
- containerName: my-opt-sidecar
mode: "Off"
たとえば、Pod には同じリソース要求および制限の 2 つのコンテナーがあります。
# ...
spec:
containers:
- name: frontend
resources:
limits:
cpu: 1
memory: 500Mi
requests:
cpu: 500m
memory: 100Mi
- name: backend
resources:
limits:
cpu: "1"
memory: 500Mi
requests:
cpu: 500m
memory: 100Mi
# ...
backend コンテナーがオプトアウトに設定された VPA CR を起動した後、VPA は Pod を終了し、frontend コンテナーのみに適用される推奨リソースで Pod を再作成します。
...
spec:
containers:
name: frontend
resources:
limits:
cpu: 50m
memory: 1250Mi
requests:
cpu: 25m
memory: 262144k
...
name: backend
resources:
limits:
cpu: "1"
memory: 500Mi
requests:
cpu: 500m
memory: 100Mi
...
2.5.3.6. OOM イベント後のカスタムのメモリー増加量 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
クラスターで OOM (メモリー不足) イベントが発生した場合、Vertical Pod Autoscaler Operator (VPA) はメモリーの推奨値を増やします。この推奨値は、OOM イベントの発生時に観測されたメモリー消費量と、将来的なメモリー不足によるクラッシュを防ぐために指定された乗数に基づいています。
推奨値は、OOM イベント発生時に Pod によって使用されていたメモリー使用量に指定バイト数または指定パーセンテージを掛けて算出される値のうち、どちらか大きい方です。計算は次の式で表されます。
recommendation = max(memory-usage-in-oom-event + oom-min-bump-up-bytes, memory-usage-in-oom-event * oom-bump-up-ratio)
メモリーの増加量は、レコメンダー Pod で次の値を指定して設定できます。
-
oom-min-bump-up-bytes。この値 (バイト単位) は、OOM イベントが発生した後のメモリーの具体的な増加量です。デフォルトは100MiBです。 -
oom-bump-up-ratio。この値は、OOM イベント発生時のメモリーの増加率です。デフォルト値は1.2です。
たとえば、OOM イベント中の Pod メモリー使用量が 100 MB で、oom-min-bump-up-bytes が 150 MB に設定され、oom-min-bump-ratio が 1.2 に設定されている場合。OOM イベントの後、VPA では、その Pod のメモリー要求を 120 MB (100 MB * 1.2) よりも高い 150 MB に増やすことを推奨します。
レコメンダーの Deployment オブジェクトの例
apiVersion: apps/v1
kind: Deployment
metadata:
name: vpa-recommender-default
namespace: openshift-vertical-pod-autoscaler
# ...
spec:
# ...
template:
# ...
spec
containers:
- name: recommender
args:
- --oom-bump-up-ratio=2.0
- --oom-min-bump-up-bytes=524288000
# ...
関連情報
2.5.3.7. 代替のレコメンダーを使用する リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
独自のレコメンダーを使用して、独自のアルゴリズムに基づいて自動スケーリングできます。代替レコメンダーを指定しない場合、OpenShift Container Platform はデフォルトのレコメンダーを使用します。これは、過去の使用状況に基づいて CPU およびメモリー要求を提案します。すべてのタイプのワークロードに適用されるユニバーサルレコメンデーションポリシーはないため、特定のワークロードに対して異なるレコメンダーを作成してデプロイメントすることを推奨します。
たとえば、コンテナーが特定のリソース動作を示している場合、デフォルトのレコメンダーは将来のリソース使用量を正確に予測できない可能性があります。例としては、監視アプリケーションで使用される使用量の急増とアイドル状態が交互に繰り返される周期的なパターンや、ディープラーニングアプリケーションで使用される繰り返しパターンなどがあります。これらの使用動作でデフォルトのレコメンダーを使用すると、アプリケーションのプロビジョニングが大幅に過剰になり、Out of Memory (OOM) が強制終了される可能性があります。
レコメンダーを作成する方法については、このドキュメントの範囲外です。
手順
Pod に代替のレコメンダーを使用するには:
代替レコメンダーのサービスアカウントを作成し、そのサービスアカウントを必要なクラスターロールにバインドします。
apiVersion: v11 kind: ServiceAccount metadata: name: alt-vpa-recommender-sa namespace: <namespace_name> --- apiVersion: rbac.authorization.k8s.io/v12 kind: ClusterRoleBinding metadata: name: system:example-metrics-reader roleRef: apiGroup: rbac.authorization.k8s.io kind: ClusterRole name: system:metrics-reader subjects: - kind: ServiceAccount name: alt-vpa-recommender-sa namespace: <namespace_name> --- apiVersion: rbac.authorization.k8s.io/v13 kind: ClusterRoleBinding metadata: name: system:example-vpa-actor roleRef: apiGroup: rbac.authorization.k8s.io kind: ClusterRole name: system:vpa-actor subjects: - kind: ServiceAccount name: alt-vpa-recommender-sa namespace: <namespace_name> --- apiVersion: rbac.authorization.k8s.io/v14 kind: ClusterRoleBinding metadata: name: system:example-vpa-target-reader-binding roleRef: apiGroup: rbac.authorization.k8s.io kind: ClusterRole name: system:vpa-target-reader subjects: - kind: ServiceAccount name: alt-vpa-recommender-sa namespace: <namespace_name>代替レコメンダーをクラスターに追加するには、次のような
Deploymentオブジェクトを作成します。apiVersion: apps/v1 kind: Deployment metadata: name: alt-vpa-recommender namespace: <namespace_name> spec: replicas: 1 selector: matchLabels: app: alt-vpa-recommender template: metadata: labels: app: alt-vpa-recommender spec: containers:1 - name: recommender image: quay.io/example/alt-recommender:latest2 imagePullPolicy: Always resources: limits: cpu: 200m memory: 1000Mi requests: cpu: 50m memory: 500Mi ports: - name: prometheus containerPort: 8942 securityContext: allowPrivilegeEscalation: false capabilities: drop: - ALL seccompProfile: type: RuntimeDefault serviceAccountName: alt-vpa-recommender-sa3 securityContext: runAsNonRoot: true同じ namespace 内の代替レコメンダー用に新しい Pod が作成されます。
$ oc get pods出力例
NAME READY STATUS RESTARTS AGE frontend-845d5478d-558zf 1/1 Running 0 4m25s frontend-845d5478d-7z9gx 1/1 Running 0 4m25s frontend-845d5478d-b7l4j 1/1 Running 0 4m25s vpa-alt-recommender-55878867f9-6tp5v 1/1 Running 0 9s代替レコメンダー
Deploymentオブジェクトの名前を含む Vertical Pod Autoscaler Operator (VPA) カスタムリソース (CR) を設定します。代替レコメンダーを含めるための VPA CR の例
apiVersion: autoscaling.k8s.io/v1 kind: VerticalPodAutoscaler metadata: name: vpa-recommender namespace: <namespace_name> spec: recommenders: - name: alt-vpa-recommender1 targetRef: apiVersion: "apps/v1" kind: Deployment2 name: frontend
2.5.4. Vertical Pod Autoscaler Operator の使用 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
VPA カスタムリソース (CR) を作成して、Vertical Pod Autoscaler Operator (VPA) を使用できます。CR は分析する Pod を示し、それらの Pod に対して VPA が実行するアクションを決定します。
前提条件
- 自動スケーリングするワークロードオブジェクトが存在することを確認します。
- 代替レコメンダーを使用する場合は、そのレコメンダーを含むデプロイメントが存在することを確認してください。
手順
特定のワークロードオブジェクトの VPA CR を作成するには、以下を実行します。
スケーリングするワークロードオブジェクトのプロジェクトの場所に切り替えます。
VPA CR YAML ファイルを作成します。
apiVersion: autoscaling.k8s.io/v1 kind: VerticalPodAutoscaler metadata: name: vpa-recommender spec: targetRef: apiVersion: "apps/v1" kind: Deployment1 name: frontend2 updatePolicy: updateMode: "Auto"3 resourcePolicy:4 containerPolicies: - containerName: my-opt-sidecar mode: "Off" recommenders:5 - name: my-recommender- 1
- この VPA が管理するワークロードオブジェクトのタイプ (
Deployment、StatefulSet、Job、DaemonSet、ReplicaSet、またはReplicationController) を指定します。 - 2
- この VPA が管理する既存のワークロードオブジェクトの名前を指定します。
- 3
- VPA モードを指定します。
-
Autoは、コントローラーに関連付けられた Pod に推奨リソースを自動的に適用します。VPA は既存の Pod を終了し、推奨されるリソース制限および要求で新規 Pod を作成します。 -
Recreateは、ワークロードオブジェクトに関連付けられた Pod に推奨リソースを自動的に適用します。VPA は既存の Pod を終了し、推奨されるリソース制限および要求で新規 Pod を作成します。Recreateモードが使用されることはほとんどありません。リソース要求の変更に応じて Pod を必ず再起動させたい場合に限定して使用します。 -
Initialは、ワークロードオブジェクトに関連付けられた新しく作成された Pod に推奨リソースを自動的に適用します。VPA は、新しい推奨リソースを確認する際に Pod を更新しません。 -
Offは、ワークロードオブジェクトに関連付けられた Pod の推奨リソースのみを生成します。VPA は、新しい推奨リソースを確認する際に Pod を更新しません。また、新規 Pod に推奨事項を適用しません。
-
- 4
- オプション: オプトアウトするコンテナーを指定し、モードを
Offに設定します。 - 5
- オプション: レコメンダーの推奨者を指定します。
VPA CR を作成します。
$ oc create -f <file-name>.yamlしばらくすると、VPA はワークロードオブジェクトに関連付けられた Pod 内のコンテナーのリソース使用状況を確認します。
次のコマンドを使用して、VPA の推奨値を表示できます。
$ oc get vpa <vpa-name> --output yaml出力には、以下のような CPU およびメモリー要求の推奨事項が表示されます。
出力例
... status: ... recommendation: containerRecommendations: - containerName: frontend lowerBound:1 cpu: 25m memory: 262144k target:2 cpu: 25m memory: 262144k uncappedTarget:3 cpu: 25m memory: 262144k upperBound:4 cpu: 262m memory: "274357142" - containerName: backend lowerBound: cpu: 12m memory: 131072k target: cpu: 12m memory: 131072k uncappedTarget: cpu: 12m memory: 131072k upperBound: cpu: 476m memory: "498558823" ...
2.5.5. Vertical Pod Autoscaler Operator のアンインストール リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Vertical Pod Autoscaler Operator (VPA) を OpenShift Container Platform クラスターから削除できます。アンインストール後、既存の VPA カスタムリソース (CR) によってすでに変更されている Pod のリソース要求は変更されません。VPA によって行われた以前の推奨事項ではなく、ワークロードオブジェクトで定義されたリソースが、新しい Pod に割り当てられます。
oc delete vpa <vpa-name> コマンドを使用して、特定の VPA CR を削除できます。Vertical Pod Autoscaler のアンインストール時と同じアクションがリソース要求に対して適用されます。
VPA を削除した後、潜在的な問題を回避するために、Operator に関連する他のコンポーネントを削除することを推奨します。
前提条件
- VPA をインストールしている。
手順
-
OpenShift Container Platform Web コンソールで、Operators
Installed Operators をクリックします。 - openshift-vertical-pod-autoscaler プロジェクトに切り替えます。
-
VerticalPodAutoscaler Operator の場合は、Options メニュー
をクリックし、Uninstall Operator を選択します。
- オプション: Operator に関連付けられているすべてのオペランドを削除するには、ダイアログボックスで Delete all operand instances for this operator チェックボックスをオンにします。
- Uninstall をクリックします。
オプション: OpenShift CLI を使用して VPA コンポーネントを削除します。
VPA namespace を削除します。
$ oc delete namespace openshift-vertical-pod-autoscalerVPA カスタムリソース定義 (CRD) オブジェクトを削除します。
$ oc delete crd verticalpodautoscalercheckpoints.autoscaling.k8s.io$ oc delete crd verticalpodautoscalercontrollers.autoscaling.openshift.io$ oc delete crd verticalpodautoscalers.autoscaling.k8s.ioCRD を削除すると、関連付けられたロール、クラスターロール、およびロールバインディングが削除されます。
注記この操作により、ユーザーが作成したすべての VPA CR がクラスターから削除されます。VPA を再インストールする場合は、これらのオブジェクトを再度作成する必要があります。
次のコマンドを実行して
MutatingWebhookConfigurationオブジェクトを削除します。$ oc delete MutatingWebhookConfiguration vpa-webhook-configVPA Operator を削除します。
$ oc delete operator/vertical-pod-autoscaler.openshift-vertical-pod-autoscaler