6.4. ノードあたりの Pod の最大数の管理
OpenShift Container Platform では、ノードのプロセッサーコアの数に基づいて、ノードで実行可能な Pod の数、ハード制限、またはその両方を設定できます。両方のオプションを使用した場合、より低い値の方がノード上の Pod の数を制限します。
両方のオプションが使用されている場合、2 つの値の低い方の値により、ノード上の Pod 数が制限されます。これらの値を超えると、以下の状態が生じる可能性があります。
- CPU 使用率の増大。
- Pod のスケジューリングの速度が遅くなる。
- (ノードのメモリー量によって) メモリー不足のシナリオが生じる可能性。
- IP アドレスのプールを消費する。
- リソースのオーバーコミット、およびこれによるアプリケーションのパフォーマンスの低下。
Kubernetes では、単一コンテナーを保持する Pod は実際には 2 つのコンテナーを使用します。2 つ目のコンテナーは実際のコンテナーの起動前にネットワークを設定するために使用されます。そのため、10 の Pod を使用するシステムでは、実際には 20 のコンテナーが実行されていることになります。
クラウドプロバイダーからのディスク IOPS スロットリングは CRI-O および kubelet に影響を与える可能性があります。ノード上に多数の I/O 集約型 Pod が実行されている場合、それらはオーバーロードする可能性があります。ノード上のディスク I/O を監視し、ワークロード用に十分なスループットを持つボリュームを使用することが推奨されます。
podsPerCore
パラメーターは、ノードのプロセッサーコアの数に基づいて、ノードが実行できる Pod の数を設定します。たとえば、4 プロセッサーコアを搭載したノードで podsPerCore
が 10
に設定される場合、このノードで許可される Pod の最大数は 40
になります。
kubeletConfig: podsPerCore: 10
podsPerCore
を 0
に設定すると、この制限が無効になります。デフォルトは 0
です。podsPerCore
パラメーターの値は、maxPods
パラメーターの値を超えることはできません。
maxPods
パラメーターは、ノードのプロパティーに関係なく、ノードが実行できる Pod の数を固定値に設定します。
kubeletConfig: maxPods: 250
6.4.1. ノードあたりの Pod の最大数の設定
podsPerCore
および maxPods
の 2 つのパラメーターはノードに対してスケジュールできる Pod の最大数を制御します。両方のオプションを使用した場合、より低い値の方がノード上の Pod の数を制限します。
たとえば、podsPerCore
が 4 つのプロセッサーコアを持つノード上で、10
に設定されていると、ノード上で許容される Pod の最大数は 40 になります。
前提条件
次のコマンドを入力して、設定するノードタイプの静的な
MachineConfigPool
CRD に関連付けられたラベルを取得します。$ oc edit machineconfigpool <name>
以下に例を示します。
$ oc edit machineconfigpool worker
出力例
apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: MachineConfigPool metadata: creationTimestamp: "2022-11-16T15:34:25Z" generation: 4 labels: pools.operator.machineconfiguration.openshift.io/worker: "" 1 name: worker #...
- 1
- Labels の下にラベルが表示されます。
ヒントラベルが存在しない場合は、次のようなキー/値のペアを追加します。
$ oc label machineconfigpool worker custom-kubelet=small-pods
手順
設定変更のためのカスタムリソース (CR) を作成します。
max-pods
CR の設定例apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: KubeletConfig metadata: name: set-max-pods 1 spec: machineConfigPoolSelector: matchLabels: pools.operator.machineconfiguration.openshift.io/worker: "" 2 kubeletConfig: podsPerCore: 10 3 maxPods: 250 4 #...
注記podsPerCore
を0
に設定すると、この制限が無効になります。上記の例では、
podsPerCore
のデフォルト値は10
であり、maxPods
のデフォルト値は250
です。つまり、ノードのコア数が 25 以上でない限り、デフォルトによりpodsPerCore
が制限要素になります。以下のコマンドを実行して CR を作成します。
$ oc create -f <file_name>.yaml
検証
変更が適用されるかどうかを確認するために、
MachineConfigPool
CRD を一覧表示します。変更が Machine Config Controller によって取得されると、UPDATING
列でTrue
と報告されます。$ oc get machineconfigpools
出力例
NAME CONFIG UPDATED UPDATING DEGRADED master master-9cc2c72f205e103bb534 False False False worker worker-8cecd1236b33ee3f8a5e False True False
変更が完了すると、
UPDATED
列でTrue
と報告されます。$ oc get machineconfigpools
出力例
NAME CONFIG UPDATED UPDATING DEGRADED master master-9cc2c72f205e103bb534 False True False worker worker-8cecd1236b33ee3f8a5e True False False