2.2. プライベートゾーンで公開する DNS レコードの設定
すべての OpenShift Container Platform クラスターでは、パブリックかプライベートかにかかわらず、DNS レコードはデフォルトでパブリックゾーンに公開されます。
DNS レコードをパブリックに公開しない場合は、クラスター DNS 設定からパブリックゾーンを削除できます。内部ドメイン名、内部 IP アドレス、組織内のクラスターの数などの機密情報を公開しない場合や、レコードを公開する必要がない場合もあります。クラスター内のサービスに接続できるすべてのクライアントが、プライベートゾーンの DNS レコードを持つプライベート DNS サービスを使用する場合、クラスターのパブリック DNS レコードは必要ありません。
クラスターをデプロイした後、DNS
カスタムリソース (CR) を変更して、プライベートゾーンのみを使用するように DNS を変更できます。このように DNS
CR を変更すると、その後に作成される DNS レコードはパブリック DNS サーバーに公開されなくなり、DNS レコードに関する情報は内部ユーザーだけに限定されます。これは、クラスターをプライベートに設定する場合、または DNS レコードをパブリックに解決する必要がない場合に適用できます。
または、プライベートクラスターでも DNS レコード用のパブリックゾーンを保持し、クライアントがそのクラスターで実行されているアプリケーションの DNS 名を解決できるようにすることも可能です。たとえば組織は、パブリックインターネットに接続するマシンを所有し、特定のプライベート IP 範囲に対して VPN 接続を確立してプライベート IP アドレスに接続することができます。これらのマシンからの DNS ルックアップでは、パブリック DNS を使用してそれらのサービスのプライベートアドレスを判断し、VPN 経由でプライベートアドレスに接続します。
手順
次のコマンドを実行して出力を確認し、クラスターの
DNS
CR を確認します。$ oc get dnses.config.openshift.io/cluster -o yaml
出力例
apiVersion: config.openshift.io/v1 kind: DNS metadata: creationTimestamp: "2019-10-25T18:27:09Z" generation: 2 name: cluster resourceVersion: "37966" selfLink: /apis/config.openshift.io/v1/dnses/cluster uid: 0e714746-f755-11f9-9cb1-02ff55d8f976 spec: baseDomain: <base_domain> privateZone: tags: Name: <infrastructure_id>-int kubernetes.io/cluster/<infrastructure_id>: owned publicZone: id: Z2XXXXXXXXXXA4 status: {}
spec
セクションには、プライベートゾーンとパブリックゾーンの両方が含まれることに注意してください。次のコマンドを実行して、
DNS
CR にパッチを適用し、パブリックゾーンを削除します。$ oc patch dnses.config.openshift.io/cluster --type=merge --patch='{"spec": {"publicZone": null}}'
出力例
dns.config.openshift.io/cluster patched
Ingress Operator は、
IngressController
オブジェクトの DNS レコード作成時にDNS
CR 定義を参照します。プライベートゾーンのみ指定されている場合、プライベートレコードのみが作成されます。重要パブリックゾーンを削除しても、既存の DNS レコードは変更されません。以前に公開したパブリック DNS レコードで、パブリックに公開する必要がなくなったものは、手動で削除する必要があります。
検証
次のコマンドを実行し、出力でクラスターの
DNS
CR を確認してパブリックゾーンが削除されたことを確認します。$ oc get dnses.config.openshift.io/cluster -o yaml
出力例
apiVersion: config.openshift.io/v1 kind: DNS metadata: creationTimestamp: "2019-10-25T18:27:09Z" generation: 2 name: cluster resourceVersion: "37966" selfLink: /apis/config.openshift.io/v1/dnses/cluster uid: 0e714746-f755-11f9-9cb1-02ff55d8f976 spec: baseDomain: <base_domain> privateZone: tags: Name: <infrastructure_id>-int kubernetes.io/cluster/<infrastructure_id>-wfpg4: owned status: {}