2.7. IBM Z および IBM LinuxONE を使用したシングルノード OpenShift のインストール


IBM Z® および IBM® LinuxONE にシングルノードクラスターをインストールするには、「IBM Z® および IBM® LinuxONE への RHEL KVM を使用したクラスターのインストール」または「IBM Z® および IBM® LinuxONE への z/VM を使用したクラスターのインストール」のいずれかの手順を参照して、ユーザーがプロビジョニングしたインストールを行う必要があります。

注記

IBM Z® にシングルノードクラスターをインストールすると、開発環境およびテスト環境のインストールが簡素化され、エントリーレベルで必要なリソース要件が少なくなります。

ハードウェア要件

  • クラスターごとに、SMT2 対応の 2 つの Integrated Facilities for Linux (IFL) に相当します。
  • 最低でもネットワーク接続 1 つ。これで、LoadBalancer サービスに接続するだけでなく、クラスター外のトラッフィクに関するデータを提供します。
注記

専用または共有 IFL を使用して、十分なコンピューティングリソースを割り当てることができます。リソース共有は IBM Z® の重要な強みの 1 つです。ただし、各ハイパーバイザーレイヤーで容量を正しく調整し、すべての OpenShift Container Platform クラスターに十分なリソースを確保する必要があります。

2.7.1. IBM Z および IBM LinuxONE での z/VM を使用したシングルノード OpenShift のインストール

前提条件

  • podman をインストールしている。

手順

  1. 次のコマンドを実行して、OpenShift Container Platform のバージョンを設定します。

    $ OCP_VERSION=<ocp_version> 1
    1
    <ocp_version> を現在のバージョン (latest-4.14 など) に置き換えます。
  2. 次のコマンドを実行して、ホストアーキテクチャーを設定します。

    $ ARCH=<architecture> 1
    1
    <architecture> をターゲットホストアーキテクチャー s390x に置き換えます。
  3. OpenShift Container Platform クライアント (oc) をダウンロードし、次のコマンドを入力して使用できるようにします。

    $ curl -k https://mirror.openshift.com/pub/openshift-v4/${ARCH}/clients/ocp/${OCP_VERSION}/openshift-client-linux.tar.gz -o oc.tar.gz
    $ tar zxf oc.tar.gz
    $ chmod +x oc
  4. OpenShift Container Platform インストーラーをダウンロードし、以下のコマンドを入力して使用できるようにします。

    $ curl -k https://mirror.openshift.com/pub/openshift-v4/${ARCH}/clients/ocp/${OCP_VERSION}/openshift-install-linux.tar.gz -o openshift-install-linux.tar.gz
    $ tar zxvf openshift-install-linux.tar.gz
    $ chmod +x openshift-install
  5. install-config.yaml ファイルを作成します。

    apiVersion: v1
    baseDomain: <domain> 1
    compute:
    - name: worker
      replicas: 0 2
    controlPlane:
      name: master
      replicas: 1 3
    metadata:
      name: <name> 4
    networking: 5
      clusterNetwork:
      - cidr: 10.128.0.0/14
        hostPrefix: 23
      machineNetwork:
      - cidr: 10.0.0.0/16 6
      networkType: OVNKubernetes
      serviceNetwork:
      - 172.30.0.0/16
    platform:
      none: {}
    bootstrapInPlace:
      installationDisk: /dev/disk/by-id/<disk_id> 7
    pullSecret: '<pull_secret>' 8
    sshKey: |
      <ssh_key> 9
    1
    クラスタードメイン名を追加します。
    2
    compute レプリカを 0 に設定します。これにより、コントロールプレーンノードがスケジュール可能になります。
    3
    controlPlane レプリカを 1 に設定します。この設定は、以前の compute 設定と組み合わせて、クラスターが単一ノードで実行されるようにします。
    4
    メタデータ 名をクラスター名に設定します。
    5
    networking の詳細を設定します。OVN-Kubernetes は、単一ノードクラスターで許可されている唯一のネットワークプラグインタイプです。
    6
    単一ノードの OpenShift クラスターのサブネットと一致するように cidr 値を設定します。
    7
    インストールディスクドライブへのパスを設定します (例: /dev/disk/by-id/wwn-0x64cd98f04fde100024684cf3034da5c2)
    8
    Red Hat OpenShift Cluster Manager からプルシークレット をコピーし、その内容をこの設定に追加します。
    9
    インストール後にクラスターにログインできるように、管理ホストから公開 SSH 鍵を追加します。
  6. 以下のコマンドを実行して、OpenShift Container Platform アセットを生成します。

    $ mkdir ocp
    $ cp install-config.yaml ocp
    $ ./openshift-install --dir=ocp create single-node-ignition-config
  7. Red Hat カスタマーポータルの 製品ダウンロード ページまたは RHCOS イメージミラー ページから、RHEL kernelinitramfs、および rootfs アーティファクトを取得します。

    重要

    RHCOS イメージは OpenShift Container Platform の各リリースごとに変更されない可能性があります。インストールする OpenShift Container Platform バージョンと等しいか、それ以下のバージョンの内で最も新しいバージョンのイメージをダウンロードする必要があります。この手順で説明されている適切な kernelinitramfs、および rootfs アーティファクトのみを使用します。

    ファイル名には、OpenShift Container Platform のバージョン番号が含まれます。以下の例のようになります。

    kernel
    rhcos-<version>-live-kernel-<architecture>
    initramfs
    rhcos-<version>-live-initramfs.<architecture>.img
    rootfs

    rhcos-<version>-live-rootfs.<architecture>.img

    注記

    rootfs イメージは FCP および DASD の場合と同じです。

  8. 次のアーティファクトとファイルを HTTP または HTTPS サーバーに移動します。

    • ダウンロードされた RHEL ライブ kernelinitramfs、および rootfs アーティファクト
    • Ignition ファイル
  9. 特定の仮想マシンのパラメーターファイルを作成します。

    パラメーターファイルの例

    rd.neednet=1 \
    console=ttysclp0 \
    coreos.live.rootfs_url=<rhcos_liveos>:8080/rootfs.img \1
    ignition.firstboot ignition.platform.id=metal \
    ignition.config.url=<rhcos_ign>:8080/ignition/bootstrap-in-place-for-live-iso.ign \2
    ip=encbdd0:dhcp::02:00:00:02:34:02 3
    rd.znet=qeth,0.0.bdd0,0.0.bdd1,0.0.bdd2,layer2=1 \
    rd.dasd=0.0.4411 \4
    rd.zfcp=0.0.8001,0x50050763040051e3,0x4000406300000000 \5
    zfcp.allow_lun_scan=0 \
    rd.luks.options=discard

    1
    coreos.live.rootfs_url= アーティファクトには、起動している kernel` および `initramfs に一致する rootfs アーティファクトを指定します。HTTP プロトコルおよび HTTPS プロトコルのみがサポートされます。
    2
    ignition.config.url= パラメーターには、マシンロールの Ignition ファイルを指定します。HTTP プロトコルおよび HTTPS プロトコルのみがサポートされます。
    3
    ip= パラメーターの場合は、DHCP を使用して自動的に IP アドレスを割り当てるか、「IBM Z® および IBM® LinuxONE での z/VM を使用したクラスターのインストールの説明」に従って手動で IP アドレスを割り当てます。
    4
    DASD タイプのディスクにインストールする場合は、rd.dasd= を使用して、RHCOS がインストールされる DASD を指定します。FCP タイプのディスクの場合は、このエントリーを省略します。
    5
    FCP タイプのディスクにインストールする場合は、rd.zfcp=<adapter>,<wwpn>,<lun> を使用して、RHCOS がインストールされる FCP ディスクを指定します。DASD タイプのディスクの場合は、このエントリーを省略します。

    その他のパラメーターはすべて変更しません。

  10. 次のアーティファクト、ファイル、イメージを z/VM に転送します。たとえば、FTP を使用する場合は以下のようになります。

    • kernelinitramfs アーティファクト
    • パラメーターファイル
    • RHCOS イメージ

      FTP でファイルを転送し、仮想リーダーから起動する方法は、Z/VM 環境へのインストール を参照してください。

  11. ブートストラップノードになる z/VM ゲスト仮想マシンの仮想リーダーに対してファイルの punch を実行します。
  12. ブートストラップマシンで CMS にログインします。
  13. 次のコマンドを実行して、リーダーからブートストラップマシンを IPL します。

    $ cp ipl c
  14. 仮想マシンを最初に再起動した後、次のコマンドを直接続けて実行します。

    1. 最初の再起動後に DASD デバイスを起動するには、次のコマンドを実行します。

      $ cp i <devno> clear loadparm prompt

      ここでは、以下のようになります。

      <devno>
      ゲストから見えるブートデバイスのデバイス番号を指定します。
      $ cp vi vmsg 0 <kernel_parameters>

      ここでは、以下のようになります。

      <kernel_parameters>
      システム制御プログラムデータ (SCPDATA) として保存されるカーネルパラメーターのセットを指定します。Linux をブートするとき、これらのカーネルパラメーターは、ブート設定で使用される既存のカーネルパラメーターの末尾に連結されます。組み合わせたパラメーター文字列は 896 文字を超えてはなりません。
    2. 最初の再起動後に FCP デバイスを起動するには、次のコマンドを実行します。

      $ cp set loaddev portname <wwpn> lun <lun>

      ここでは、以下のようになります。

      <wwpn>
      ターゲットポートと <lun> 論理ユニットを 16 進数形式で指定します。
      $ cp set loaddev bootprog <n>

      ここでは、以下のようになります。

      <n>
      ブートするカーネルを指定します。
      $ cp set loaddev scpdata {APPEND|NEW} '<kernel_parameters>'

      ここでは、以下のようになります。

      <kernel_parameters>
      システム制御プログラムデータ (SCPDATA) として保存されるカーネルパラメーターのセットを指定します。Linux をブートするとき、これらのカーネルパラメーターは、ブート設定で使用される既存のカーネルパラメーターの末尾に連結されます。組み合わせたパラメーター文字列は 896 文字を超えてはなりません。
      <APPEND|NEW>
      オプション: カーネルパラメーターを既存の SCPDATA に追加するには、APPEND を指定します。これはデフォルトになります。NEW を指定して既存の SCPDATA を置き換えます。

      $ cp set loaddev scpdata 'rd.zfcp=0.0.8001,0x500507630a0350a4,0x4000409D00000000
      ip=encbdd0:dhcp::02:00:00:02:34:02 rd.neednet=1'

      IPL およびブートプロセスを開始するには、次のコマンドを実行します。

      $ cp i <devno>

      ここでは、以下のようになります。

      <devno>
      ゲストから見えるブートデバイスのデバイス番号を指定します。

2.7.2. IBM Z および IBM LinuxONE での RHEL KVM を使用したシングルノード OpenShift のインストール

前提条件

  • podman をインストールしている。

手順

  1. 次のコマンドを実行して、OpenShift Container Platform のバージョンを設定します。

    $ OCP_VERSION=<ocp_version> 1
    1
    <ocp_version> を現在のバージョン (latest-4.14 など) に置き換えます。
  2. 次のコマンドを実行して、ホストアーキテクチャーを設定します。

    $ ARCH=<architecture> 1
    1
    <architecture> をターゲットホストアーキテクチャー s390x に置き換えます。
  3. OpenShift Container Platform クライアント (oc) をダウンロードし、次のコマンドを入力して使用できるようにします。

    $ curl -k https://mirror.openshift.com/pub/openshift-v4/${ARCH}/clients/ocp/${OCP_VERSION}/openshift-client-linux.tar.gz -o oc.tar.gz
    $ tar zxf oc.tar.gz
    $ chmod +x oc
  4. OpenShift Container Platform インストーラーをダウンロードし、以下のコマンドを入力して使用できるようにします。

    $ curl -k https://mirror.openshift.com/pub/openshift-v4/${ARCH}/clients/ocp/${OCP_VERSION}/openshift-install-linux.tar.gz -o openshift-install-linux.tar.gz
    $ tar zxvf openshift-install-linux.tar.gz
    $ chmod +x openshift-install
  5. install-config.yaml ファイルを作成します。

    apiVersion: v1
    baseDomain: <domain> 1
    compute:
    - name: worker
      replicas: 0 2
    controlPlane:
      name: master
      replicas: 1 3
    metadata:
      name: <name> 4
    networking: 5
      clusterNetwork:
      - cidr: 10.128.0.0/14
        hostPrefix: 23
      machineNetwork:
      - cidr: 10.0.0.0/16 6
      networkType: OVNKubernetes
      serviceNetwork:
      - 172.30.0.0/16
    platform:
      none: {}
    bootstrapInPlace:
      installationDisk: /dev/disk/by-id/<disk_id> 7
    pullSecret: '<pull_secret>' 8
    sshKey: |
      <ssh_key> 9
    1
    クラスタードメイン名を追加します。
    2
    compute レプリカを 0 に設定します。これにより、コントロールプレーンノードがスケジュール可能になります。
    3
    controlPlane レプリカを 1 に設定します。この設定は、以前の compute 設定と組み合わせて、クラスターが単一ノードで実行されるようにします。
    4
    メタデータ 名をクラスター名に設定します。
    5
    networking の詳細を設定します。OVN-Kubernetes は、単一ノードクラスターで許可されている唯一のネットワークプラグインタイプです。
    6
    単一ノードの OpenShift クラスターのサブネットと一致するように cidr 値を設定します。
    7
    インストールディスクドライブへのパスを設定します (例: /dev/disk/by-id/wwn-0x64cd98f04fde100024684cf3034da5c2)
    8
    Red Hat OpenShift Cluster Manager からプルシークレット をコピーし、その内容をこの設定に追加します。
    9
    インストール後にクラスターにログインできるように、管理ホストから公開 SSH 鍵を追加します。
  6. 以下のコマンドを実行して、OpenShift Container Platform アセットを生成します。

    $ mkdir ocp
    $ cp install-config.yaml ocp
    $ ./openshift-install --dir=ocp create single-node-ignition-config
  7. Red Hat カスタマーポータルの 製品ダウンロード ページまたは RHCOS イメージミラー ページから、RHEL kernelinitramfs、および rootfs アーティファクトを取得します。

    重要

    RHCOS イメージは OpenShift Container Platform の各リリースごとに変更されない可能性があります。インストールする OpenShift Container Platform バージョンと等しいか、それ以下のバージョンの内で最も新しいバージョンのイメージをダウンロードする必要があります。この手順で説明されている適切な kernelinitramfs、および rootfs アーティファクトのみを使用します。

    ファイル名には、OpenShift Container Platform のバージョン番号が含まれます。以下の例のようになります。

    kernel
    rhcos-<version>-live-kernel-<architecture>
    initramfs
    rhcos-<version>-live-initramfs.<architecture>.img
    rootfs
    rhcos-<version>-live-rootfs.<architecture>.img
  8. virt-install を起動する前に、次のファイルとアーティファクトを HTTP または HTTPS サーバーに移動します。

    • ダウンロードされた RHEL ライブ kernelinitramfs、および rootfs アーティファクト
    • Ignition ファイル
  9. 次のコンポーネントを使用して、KVM ゲストノードを作成します。

    • RHEL の kernel および initramfs アーティファクト
    • Ignition ファイル
    • 新しいディスクイメージ
    • 調整された parm ライン引数
$ virt-install \
   --name <vm_name> \
   --autostart \
   --memory=<memory_mb> \
   --cpu host \
   --vcpus <vcpus> \
   --location <media_location>,kernel=<rhcos_kernel>,initrd=<rhcos_initrd> \1
   --disk size=100 \
   --network network=<virt_network_parm> \
   --graphics none \
   --noautoconsole \
   --extra-args "ip=<ip>::<gateway>:<mask>:<hostname>::none" \
   --extra-args "nameserver=<name_server>" \
   --extra-args "ip=dhcp rd.neednet=1 ignition.platform.id=metal ignition.firstboot" \
   --extra-args "coreos.live.rootfs_url=<rhcos_liveos>" \2
   --extra-args "ignition.config.url=<rhcos_ign>" \3
   --extra-args "random.trust_cpu=on rd.luks.options=discard" \
   --extra-args "console=ttysclp0" \
   --wait
1
--location パラメーターには、HTTP または HTTPS サーバー上の kernel/initrd の場所を指定します。
2
coreos.live.rootfs_url= アーティファクトには、起動している kernelinitramfs に一致する rootfs アーティファクトを指定します。HTTP プロトコルおよび HTTPS プロトコルのみがサポートされます。
3
ignition.config.url= パラメーターには、マシンロールの Ignition ファイルを指定します。HTTP プロトコルおよび HTTPS プロトコルのみがサポートされます。
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