12.3. コントロールプレーンマシンセットの設定


これらのサンプル YAML スニペットは、コントロールプレーンマシンセットカスタムリソース (CR) の基本構造と、プロバイダー仕様および障害ドメイン設定のプラットフォーム固有のサンプルを示しています。

12.3.1. コントロールプレーンマシンセットのカスタムリソースのサンプル YAML

ControlPlaneMachineSet CR のベースは、すべてのプラットフォームで同じように構築されています。

サンプル ControlPlaneMachineSet CR YAML ファイル

apiVersion: machine.openshift.io/v1
kind: ControlPlaneMachineSet
metadata:
  name: cluster 1
  namespace: openshift-machine-api
spec:
  replicas: 3 2
  selector:
    matchLabels:
      machine.openshift.io/cluster-api-cluster: <cluster_id> 3
      machine.openshift.io/cluster-api-machine-role: master
      machine.openshift.io/cluster-api-machine-type: master
  state: Active 4
  strategy:
    type: RollingUpdate 5
  template:
    machineType: machines_v1beta1_machine_openshift_io
    machines_v1beta1_machine_openshift_io:
      failureDomains:
        platform: <platform> 6
        <platform_failure_domains> 7
      metadata:
        labels:
          machine.openshift.io/cluster-api-cluster: <cluster_id>
          machine.openshift.io/cluster-api-machine-role: master
          machine.openshift.io/cluster-api-machine-type: master
      spec:
        providerSpec:
          value:
            <platform_provider_spec> 8

1
cluster である ControlPlaneMachineSet CR の名前を指定します。この値は変更しないでください。
2
コントロールプレーンマシンの数を指定します。3 つのコントロールプレーンマシンを持つクラスターのみがサポートされているため、replicas の値は 3 です。水平スケーリングはサポートされていません。この値は変更しないでください。
3
クラスターのプロビジョニング時に設定したクラスター ID を基にするインフラストラクチャー ID を指定します。ControlPlaneMachineSet CR を作成するときに、この値を指定する必要があります。OpenShift CLI (oc) がインストールされている場合は、以下のコマンドを実行してインフラストラクチャー ID を取得できます。
$ oc get -o jsonpath='{.status.infrastructureName}{"\n"}' infrastructure cluster
4
Operator の状態を指定します。状態が Inactive の場合、Operator は操作できません。値を Active に設定することで、Operator をアクティブ化できます。
重要

Operator をアクティブ化する前に、ControlPlaneMachineSet CR 設定がクラスター要件に対して正しいことを確認する必要があります。Control Plane Machine Set Operator のアクティブ化の詳細は、「コントロールプレーンマシンセットの概要」を参照してください。

5
クラスターの更新戦略を指定します。許可される値は OnDeleteRollingUpdate です。デフォルト値は RollingUpdate です。更新戦略の詳細は、「コントロールプレーン設定の更新」を参照してください。
6
クラウドプロバイダーのプラットフォーム名を指定します。この値は変更しないでください。
7
クラスターの <platform_failure_domains> 設定を指定します。このセクションのフォーマットと値はプロバイダー固有です。詳細については、クラウドプロバイダーの障害ドメイン設定サンプルを参照してください。
注記

VMware vSphere は障害ドメインをサポートしていません。

8
クラスターの <platform_provider_spec> 設定を指定します。このセクションのフォーマットと値はプロバイダー固有です。詳細は、クラウドプロバイダーのサンプルプロバイダー仕様を参照してください。
プロバイダー固有の設定

コントロールプレーンマシンセットリソースの <platform_provider_spec> および <platform_failure_domains> セクションは、プロバイダー固有です。クラスターのサンプル YAML を参照してください。

12.3.2. Amazon Web Services クラスターを設定するサンプル YAML

コントロールプレーンマシンセット CR の一部のセクションは、プロバイダー固有です。次の YAML スニペットの例は、Amazon Web Services (AWS) クラスターのプロバイダー仕様と障害ドメイン設定を示しています。

12.3.2.1. サンプル AWS プロバイダー仕様

既存のクラスター用にコントロールプレーンマシンセットを作成する場合、プロバイダーの仕様は、インストールプログラムによって作成されるコントロールプレーンマシンのカスタムリソース (CR) の providerSpec 設定と一致する必要があります。CR の障害ドメインセクションに設定されているフィールドは省略できます。

次の例で、<cluster_id> は、クラスターをプロビジョニングしたときに設定したクラスター ID に基づくインフラストラクチャー ID です。OpenShift CLI がインストールされている場合は、以下のコマンドを実行してインフラストラクチャー ID を取得できます。

$ oc get -o jsonpath='{.status.infrastructureName}{"\n"}' infrastructure cluster

サンプル AWS providerSpec

providerSpec:
  value:
    ami:
      id: ami-<ami_id_string> 1
    apiVersion: machine.openshift.io/v1beta1
    blockDevices:
    - ebs: 2
        encrypted: true
        iops: 0
        kmsKey:
          arn: ""
        volumeSize: 120
        volumeType: gp3
    credentialsSecret:
      name: aws-cloud-credentials 3
    deviceIndex: 0
    iamInstanceProfile:
      id: <cluster_id>-master-profile 4
    instanceType: m6i.xlarge 5
    kind: AWSMachineProviderConfig 6
    loadBalancers: 7
    - name: <cluster_id>-int
      type: network
    - name: <cluster_id>-ext
      type: network
    metadata:
      creationTimestamp: null
    metadataServiceOptions: {}
    placement: 8
      region: <region> 9
    securityGroups:
    - filters:
      - name: tag:Name
        values:
        - <cluster_id>-master-sg 10
    subnet: {} 11
    userDataSecret:
      name: master-user-data 12

1
クラスターの Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) Amazon Machine Image (AMI) ID を指定します。AMI はクラスターと同じリージョンに属する必要があります。AWS Marketplace イメージを使用する場合は、AWS Marketplace から OpenShift Container Platform サブスクリプションを完了して、リージョンの AMI ID を取得する必要があります。
2
暗号化された EBS ボリュームの設定を指定します。
3
クラスターのシークレット名を指定します。この値は変更しないでください。
4
AWS Identity and Access Management (IAM) インスタンスプロファイルを指定します。この値は変更しないでください。
5
コントロールプレーンの AWS インスタンスタイプを指定します。
6
クラウドプロバイダープラットフォームのタイプを指定します。この値は変更しないでください。
7
クラスターの内部 (int) および外部 (ext) ロードバランサーを指定します。
注記

プライベート OpenShift Container Platform クラスターでは、外部 (ext) ロードバランサーパラメーターを省略できます。

8
このパラメーターは障害ドメインで設定され、ここでは空の値で表示されます。このパラメーターに指定された値が障害ドメインの値と異なる場合、Operator はそれを障害ドメインの値で上書きします。
9
クラスターの AWS リージョンを指定します。
10
コントロールプレーンマシンのセキュリティーグループを指定します。
11
このパラメーターは障害ドメインで設定され、ここでは空の値で表示されます。このパラメーターに指定された値が障害ドメインの値と異なる場合、Operator はそれを障害ドメインの値で上書きします。
12
コントロールプレーンのユーザーデータシークレットを指定します。この値は変更しないでください。

12.3.2.2. サンプル AWS 障害ドメインの設定

障害ドメインのコントロールプレーンマシンセットの概念は、既存の AWS の アベイラビリティゾーン (AZ) の概念に似ています。ControlPlaneMachineSet CR は、可能な場合、コントロールプレーンマシンを複数の障害ドメインに分散します。

コントロールプレーンマシンセットで AWS 障害ドメインを設定するときは、使用するアベイラビリティゾーン名とサブネットを指定する必要があります。

サンプル AWS 障害ドメインの値

failureDomains:
  aws:
  - placement:
      availabilityZone: <aws_zone_a> 1
    subnet: 2
      filters:
      - name: tag:Name
        values:
        - <cluster_id>-private-<aws_zone_a> 3
      type: Filters 4
  - placement:
      availabilityZone: <aws_zone_b> 5
    subnet:
      filters:
      - name: tag:Name
        values:
        - <cluster_id>-private-<aws_zone_b> 6
      type: Filters
  platform: AWS 7

1
最初の障害ドメインの AWS アベイラビリティゾーンを指定します。
2
サブネット設定を指定します。この例では、サブネットタイプが Filters であるため、filters スタンザがあります。
3
インフラストラクチャー ID と AWS アベイラビリティゾーンを使用して、最初の障害ドメインのサブネット名を指定します。
4
サブネットタイプを指定します。許可される値は、ARNFilters、および ID です。デフォルト値は Filters です。
5
インフラストラクチャー ID と AWS アベイラビリティゾーンを使用して、追加の障害ドメインのサブネット名を指定します。
6
クラスターのインフラストラクチャー ID と、追加の障害ドメインの AWS アベイラビリティゾーンを指定します。
7
クラウドプロバイダーのプラットフォーム名を指定します。この値は変更しないでください。

12.3.3. Google Cloud Platform クラスターを設定するためのサンプル YAML

コントロールプレーンマシンセット CR の一部のセクションは、プロバイダー固有です。次の YAML スニペットの例は、Google Cloud Platform (GCP) クラスターのプロバイダー仕様と障害ドメイン設定を示しています。

12.3.3.1. サンプル GCP プロバイダーの仕様

既存のクラスター用にコントロールプレーンマシンセットを作成する場合、プロバイダーの仕様は、インストールプログラムによって作成されるコントロールプレーンマシンのカスタムリソース (CR) の providerSpec 設定と一致する必要があります。CR の障害ドメインセクションに設定されているフィールドは省略できます。

OpenShift CLI を使用して取得した値

以下の例では、OpenShift CLI を使用してクラスターの値の一部を取得できます。

インフラストラクチャー ID

<cluster_id> 文字列は、クラスターをプロビジョニングしたときに設定したクラスター ID に基づくインフラストラクチャー ID です。OpenShift CLI がインストールされている場合は、以下のコマンドを実行してインフラストラクチャー ID を取得できます。

$ oc get -o jsonpath='{.status.infrastructureName}{"\n"}' infrastructure cluster
イメージパス

<path_to_image> 文字列は、ディスクの作成に使用されたイメージへのパスです。OpenShift CLI がインストールされている場合は、以下のコマンドを実行してイメージへのパスを取得できます。

$ oc -n openshift-machine-api \
  -o jsonpath='{.spec.template.machines_v1beta1_machine_openshift_io.spec.providerSpec.value.disks[0].image}{"\n"}' \
  get ControlPlaneMachineSet/cluster

サンプル GCP providerSpec

apiVersion: machine.openshift.io/v1
kind: ControlPlaneMachineSet
metadata:
  name: cluster
  namespace: openshift-machine-api
spec:
# ...
  template:
# ...
      spec:
        providerSpec:
          value:
            apiVersion: machine.openshift.io/v1beta1
            canIPForward: false
            credentialsSecret:
              name: gcp-cloud-credentials 1
            deletionProtection: false
            disks:
            - autoDelete: true
              boot: true
              image: <path_to_image> 2
              labels: null
              sizeGb: 200
              type: pd-ssd
            kind: GCPMachineProviderSpec 3
            machineType: e2-standard-4
            metadata:
              creationTimestamp: null
            metadataServiceOptions: {}
            networkInterfaces:
            - network: <cluster_id>-network
              subnetwork: <cluster_id>-master-subnet
            projectID: <project_name> 4
            region: <region> 5
            serviceAccounts: 6
            - email: <cluster_id>-m@<project_name>.iam.gserviceaccount.com
              scopes:
              - https://www.googleapis.com/auth/cloud-platform
            shieldedInstanceConfig: {}
            tags:
            - <cluster_id>-master
            targetPools:
            - <cluster_id>-api
            userDataSecret:
              name: master-user-data 7
            zone: "" 8

1
クラスターのシークレット名を指定します。この値は変更しないでください。
2
ディスクの作成に使用されたイメージへのパスを指定します。

GCP Marketplace イメージを使用するには、使用するオファーを指定します。

  • OpenShift Container Platform: https://www.googleapis.com/compute/v1/projects/redhat-marketplace-public/global/images/redhat-coreos-ocp-413-x86-64-202305021736
  • OpenShift Platform Plus: https://www.googleapis.com/compute/v1/projects/redhat-marketplace-public/global/images/redhat-coreos-opp-413-x86-64-202305021736
  • OpenShift Kubernetes Engine: https://www.googleapis.com/compute/v1/projects/redhat-marketplace-public/global/images/redhat-coreos-oke-413-x86-64-202305021736
3
クラウドプロバイダープラットフォームのタイプを指定します。この値は変更しないでください。
4
クラスターに使用する GCP プロジェクトの名前を指定します。
5
クラスターの GCP リージョンを指定します。
6
単一のサービスアカウントを指定します。複数のサービスアカウントはサポートされていません。
7
コントロールプレーンのユーザーデータシークレットを指定します。この値は変更しないでください。
8
このパラメーターは障害ドメインで設定され、ここでは空の値で表示されます。このパラメーターに指定された値が障害ドメインの値と異なる場合、Operator はそれを障害ドメインの値で上書きします。

12.3.3.2. GCP 障害ドメインの設定例

障害ドメインのコントロールプレーンマシンセットの概念は、既存の GCP の ゾーン の概念に似ています。ControlPlaneMachineSet CR は、可能な場合、コントロールプレーンマシンを複数の障害ドメインに分散します。

コントロールプレーンマシンセットで GCP 障害ドメインを設定する場合は、使用するゾーン名を指定する必要があります。

GCP 障害ドメインの値の例

failureDomains:
  gcp:
  - zone: <gcp_zone_a> 1
  - zone: <gcp_zone_b> 2
  - zone: <gcp_zone_c>
  - zone: <gcp_zone_d>
  platform: GCP 3

1
最初の障害ドメインの GCP ゾーンを指定します。
2
追加の障害ドメインを指定します。さらに障害ドメインが同じ方法で追加されます。
3
クラウドプロバイダーのプラットフォーム名を指定します。この値は変更しないでください。

12.3.4. Microsoft Azure クラスターを設定するためのサンプル YAML

コントロールプレーンマシンセット CR の一部のセクションは、プロバイダー固有です。次の YAML スニペットの例は、Azure クラスターのプロバイダーの仕様と障害ドメインの設定を示しています。

12.3.4.1. Azure プロバイダー仕様のサンプル

既存クラスター用のコントロールプレーンマシンセットを作成する場合、プロバイダーの仕様は、インストールプログラムによって作成されるコントロールプレーン machine CR の providerSpec 設定と一致する必要があります。CR の障害ドメインセクションに設定されているフィールドは省略できます。

次の例で、<cluster_id> は、クラスターをプロビジョニングしたときに設定したクラスター ID に基づくインフラストラクチャー ID です。OpenShift CLI がインストールされている場合は、以下のコマンドを実行してインフラストラクチャー ID を取得できます。

$ oc get -o jsonpath='{.status.infrastructureName}{"\n"}' infrastructure cluster

Azure providerSpec 値のサンプル

providerSpec:
  value:
    acceleratedNetworking: true
    apiVersion: machine.openshift.io/v1beta1
    credentialsSecret:
      name: azure-cloud-credentials 1
      namespace: openshift-machine-api
    diagnostics: {}
    image: 2
      offer: ""
      publisher: ""
      resourceID: /resourceGroups/<cluster_id>-rg/providers/Microsoft.Compute/galleries/gallery_<cluster_id>/images/<cluster_id>-gen2/versions/412.86.20220930 3
      sku: ""
      version: ""
    internalLoadBalancer: <cluster_id>-internal 4
    kind: AzureMachineProviderSpec 5
    location: <region> 6
    managedIdentity: <cluster_id>-identity
    metadata:
      creationTimestamp: null
      name: <cluster_id>
    networkResourceGroup: <cluster_id>-rg
    osDisk: 7
      diskSettings: {}
      diskSizeGB: 1024
      managedDisk:
        storageAccountType: Premium_LRS
      osType: Linux
    publicIP: false
    publicLoadBalancer: <cluster_id> 8
    resourceGroup: <cluster_id>-rg
    subnet: <cluster_id>-master-subnet 9
    userDataSecret:
      name: master-user-data 10
    vmSize: Standard_D8s_v3
    vnet: <cluster_id>-vnet
    zone: "" 11

1
クラスターのシークレット名を指定します。この値は変更しないでください。
2
コントロールプレーンマシンセットのイメージの詳細を指定します。
3
インスタンスタイプと互換性のあるイメージを指定します。インストールプログラムによって作成された Hyper-V 世代の V2 イメージには接尾辞 -gen2 が付いていますが、V1 イメージには接尾辞のない同じ名前が付いています。
4
コントロールプレーンの内部ロードバランサーを指定します。このフィールドは事前入力されていない可能性がありますが、ControlPlaneMachineSet とコントロールプレーン Machin CR の両方で必要です。
5
クラウドプロバイダープラットフォームのタイプを指定します。この値は変更しないでください。
6
コントロールプレーンマシンを配置するリージョンを指定します。
7
コントロールプレーンのディスク設定を指定します。
8
コントロールプレーンのパブリックロードバランサーを指定します。
注記

ユーザー定義のアウトバウンドルーティングを持つプライベート OpenShift Container Platform クラスターでは、publicLoadBalancer パラメーターを省略できます。

9
コントロールプレーンのサブネットを指定します。
10
コントロールプレーンのユーザーデータシークレットを指定します。この値は変更しないでください。
11
このパラメーターは障害ドメインで設定され、ここでは空の値で表示されます。このパラメーターに指定された値が障害ドメインの値と異なる場合、Operator はそれを障害ドメインの値で上書きします。

12.3.4.2. Azure 障害ドメイン設定のサンプル

障害ドメインのコントロールプレーンマシンセットの概念は、Azure 可用性ゾーン の既存の Azure 概念に似ています。ControlPlaneMachineSet CR は、可能な場合、コントロールプレーンマシンを複数の障害ドメインに分散します。

コントロールプレーンマシンセットで Azure 障害ドメインを設定するときは、可用性ゾーン名を指定する必要があります。

Azure 障害ドメインの値のサンプル

failureDomains:
  azure: 1
  - zone: "1"
  - zone: "2"
  - zone: "3"
  platform: Azure 2

1
zone の各インスタンスは、障害ドメインの Azure アベイラビリティーゾーンを指定します。
2
クラウドプロバイダーのプラットフォーム名を指定します。この値は変更しないでください。

12.3.5. Nutanix クラスターを設定するためのサンプル YAML

コントロールプレーンマシンセット CR の一部のセクションは、プロバイダー固有です。次の YAML スニペットの例は、Nutanix クラスターのプロバイダー仕様の設定を示しています。

12.3.5.1. Nutanix プロバイダー仕様のサンプル

既存のクラスター用にコントロールプレーンマシンセットを作成する場合、プロバイダーの仕様は、インストールプログラムによって作成されるコントロールプレーンマシンのカスタムリソース (CR) の providerSpec 設定と一致する必要があります。

OpenShift CLI を使用して取得した値

以下の例では、OpenShift CLI を使用してクラスターの値の一部を取得できます。

インフラストラクチャー ID

<cluster_id> 文字列は、クラスターをプロビジョニングしたときに設定したクラスター ID に基づくインフラストラクチャー ID です。OpenShift CLI がインストールされている場合は、以下のコマンドを実行してインフラストラクチャー ID を取得できます。

$ oc get -o jsonpath='{.status.infrastructureName}{"\n"}' infrastructure cluster

Nutanix の providerSpec 値のサンプル

providerSpec:
  value:
    apiVersion: machine.openshift.io/v1
    bootType: "" 1
    categories: 2
    - key: <category_name>
      value: <category_value>
    cluster: 3
      type: uuid
      uuid: <cluster_uuid>
    credentialsSecret:
      name: nutanix-credentials 4
    image: 5
      name: <cluster_id>-rhcos
      type: name
    kind: NutanixMachineProviderConfig 6
    memorySize: 16Gi 7
    metadata:
      creationTimestamp: null
    project: 8
      type: name
      name: <project_name>
    subnets: 9
    - type: uuid
      uuid: <subnet_uuid>
    systemDiskSize: 120Gi 10
    userDataSecret:
      name: master-user-data 11
    vcpuSockets: 8 12
    vcpusPerSocket: 1 13

1
コントロールプレーンマシンが使用するブートタイプを指定します。ブートタイプの詳細は、仮想化環境内の UEFI、セキュアブート、および TPM について を参照してください。有効な値は、LegacySecureBoot、または UEFI です。デフォルトは、Legacy です。
注記

OpenShift Container Platform 4.14 では、Legacy ブートタイプを使用する必要があります。

2
コントロールプレーンマシンに適用する 1 つ以上の Nutanix Prism カテゴリーを指定します。このスタンザには、Prism Central に存在するカテゴリーのキーと値のペアの key および value パラメーターが必要です。カテゴリーの詳細は、カテゴリー管理 を参照してください。
3
Nutanix Prism Element のクラスター設定を指定します。この例のクラスタータイプは uuid であるため、uuid スタンザがあります。
4
クラスターのシークレット名を指定します。この値は変更しないでください。
5
ディスクの作成に使用されたイメージを指定します。
6
クラウドプロバイダープラットフォームのタイプを指定します。この値は変更しないでください。
7
コントロールプレーンマシンに割り当てられるメモリーを指定します。
8
クラスターに使用する Nutanix プロジェクトを指定します。この例のプロジェクトタイプは name であるため、name スタンザがあります。
9
サブネット設定を指定します。この例では、サブネットタイプは uuid であるため、uuid スタンザがあります。
10
コントロールプレーンマシンの VM ディスクサイズを指定します。
11
コントロールプレーンのユーザーデータシークレットを指定します。この値は変更しないでください。
12
コントロールプレーンマシンに割り当てられる vCPU ソケットの数を指定します。
13
各コントロールプレーン vCPU ソケットの vCPU の数を指定します。

12.3.6. VMware vSphere クラスターを設定するためのサンプル YAML

コントロールプレーンマシンセット CR の一部のセクションは、プロバイダー固有です。次の YAML スニペットの例は、VMware vSphere クラスターのプロバイダー仕様設定を示しています。

12.3.6.1. サンプルの vSphere プロバイダー仕様

既存のクラスター用にコントロールプレーンマシンセットを作成する場合、プロバイダーの仕様は、インストールプログラムによって作成されるコントロールプレーンマシンのカスタムリソース (CR) の providerSpec 設定と一致する必要があります。

サンプルの vSphere providerSpec

providerSpec:
  value:
    apiVersion: machine.openshift.io/v1beta1
    credentialsSecret:
      name: vsphere-cloud-credentials 1
    diskGiB: 120 2
    kind: VSphereMachineProviderSpec 3
    memoryMiB: 16384 4
    metadata:
      creationTimestamp: null
    network: 5
      devices:
      - networkName: <vm_network_name>
    numCPUs: 4 6
    numCoresPerSocket: 4 7
    snapshot: ""
    template: <vm_template_name> 8
    userDataSecret:
      name: master-user-data 9
    workspace:
      datacenter: <vcenter_datacenter_name> 10
      datastore: <vcenter_datastore_name> 11
      folder: <path_to_vcenter_vm_folder> 12
      resourcePool: <vsphere_resource_pool> 13
      server: <vcenter_server_ip> 14

1
クラスターのシークレット名を指定します。この値は変更しないでください。
2
コントロールプレーンマシンの VM ディスクサイズを指定します。
3
クラウドプロバイダープラットフォームのタイプを指定します。この値は変更しないでください。
4
コントロールプレーンマシンに割り当てられるメモリーを指定します。
5
コントロールプレーンがデプロイされるネットワークを指定します。
6
コントロールプレーンマシンに割り当てられる CPU の数を指定します。
7
各コントロールプレーン CPU のコア数を指定します。
8
user-5ddjd-rhcos など、使用する vSphere VM テンプレートを指定します。
9
コントロールプレーンのユーザーデータシークレットを指定します。この値は変更しないでください。
10
コントロールプレーンの vCenter データセンターを指定します。
11
コントロールプレーンの vCenter データストアを指定します。
12
/dc1/vm/user-inst-5ddjd などの vCenter の vSphere 仮想マシンフォルダーへのパスを指定します。
13
仮想マシンの vSphere リソースプールを指定します。
14
vCenter サーバーの IP または完全修飾ドメイン名を指定します。

12.3.7. Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) クラスターを設定するためのサンプル YAML

コントロールプレーンマシンセット CR の一部のセクションは、プロバイダー固有です。次の YAML スニペットの例は、RHOSP クラスターのプロバイダーの仕様と障害ドメインの設定を示しています。

12.3.7.1. RHOSP プロバイダー仕様のサンプル

既存のクラスター用にコントロールプレーンマシンセットを作成する場合、プロバイダーの仕様は、インストールプログラムによって作成されるコントロールプレーンマシンのカスタムリソース (CR) の providerSpec 設定と一致する必要があります。

OpenStack の providerSpec 値のサンプル

providerSpec:
  value:
    apiVersion: machine.openshift.io/v1alpha1
    cloudName: openstack
    cloudsSecret:
      name: openstack-cloud-credentials 1
      namespace: openshift-machine-api
    flavor: m1.xlarge 2
    image: ocp1-2g2xs-rhcos
    kind: OpenstackProviderSpec 3
    metadata:
      creationTimestamp: null
    networks:
    - filter: {}
      subnets:
      - filter:
          name: ocp1-2g2xs-nodes
          tags: openshiftClusterID=ocp1-2g2xs
    securityGroups:
    - filter: {}
      name: ocp1-2g2xs-master 4
    serverGroupName: ocp1-2g2xs-master
    serverMetadata:
      Name: ocp1-2g2xs-master
      openshiftClusterID: ocp1-2g2xs
    tags:
    - openshiftClusterID=ocp1-2g2xs
    trunk: true
    userDataSecret:
      name: master-user-data

1
クラスターのシークレット名。この値は変更しないでください。
2
コントロールプレーンの RHOSP フレーバータイプ。
3
RHOSP クラウドプロバイダーのプラットフォームタイプ。この値は変更しないでください。
4
コントロールプレーンマシンのセキュリティーグループ。

12.3.7.2. RHOSP 障害ドメイン設定のサンプル

障害ドメインのコントロールプレーンマシンセットの概念は、既存の Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) の アベイラビリティーゾーン の概念に似ています。ControlPlaneMachineSet CR は、可能な場合、コントロールプレーンマシンを複数の障害ドメインに分散します。

次の例は、複数の Nova アベイラビリティーゾーンと Cinder アベイラビリティーゾーンの使用を示しています。

OpenStack 障害ドメイン値のサンプル

failureDomains:
  platform: OpenStack
  openstack:
  - availabilityZone: nova-az0
    rootVolume:
      availabilityZone: cinder-az0
  - availabilityZone: nova-az1
    rootVolume:
      availabilityZone: cinder-az1
  - availabilityZone: nova-az2
    rootVolume:
      availabilityZone: cinder-az2

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