第7章 ユーザー定義プロジェクトのモニタリングの有効化
OpenShift Container Platform では、デフォルトのプラットフォームのモニタリングに加えて、ユーザー定義プロジェクトのモニタリングを有効にできます。追加のモニタリングソリューションを必要とせずに、OpenShift Container Platform で独自のプロジェクトをモニタリングできます。この機能を使用することで、コアプラットフォームコンポーネントおよびユーザー定義プロジェクトのモニタリングが一元化されます。
Operator Lifecycle Manager (OLM) を使用してインストールされた Prometheus Operator のバージョンは、ユーザー定義のモニタリングと互換性がありません。そのため、OLM Prometheus Operator によって管理される Prometheus カスタムリソース (CR) としてインストールされるカスタム Prometheus インスタンスは OpenShift Container Platform ではサポートされていません。
7.1. ユーザー定義プロジェクトのモニタリングの有効化
クラスター管理者は、クラスターモニタリング ConfigMap
オブジェクトに enableUserWorkload: true
フィールドを設定し、ユーザー定義プロジェクトのモニタリングを有効にできます。
ユーザー定義プロジェクトのモニタリングを有効にする前に、カスタム Prometheus インスタンスを削除する必要があります。
OpenShift Container Platform のユーザー定義プロジェクトのモニタリングを有効にするには、cluster-admin
クラスターロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる必要があります。これにより、クラスター管理者は任意で、ユーザー定義のプロジェクトをモニターするコンポーネントを設定する権限をユーザーに付与できます。
前提条件
-
cluster-admin
クラスターロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 -
cluster-monitoring-config
ConfigMap
オブジェクトを作成している。 オプションで
user-workload-monitoring-config
ConfigMap
をopenshift-user-workload-monitoring
プロジェクトに作成している。ユーザー定義プロジェクトをモニターするコンポーネントのConfigMap
に設定オプションを追加できます。注記設定の変更を
user-workload-monitoring-config
ConfigMap
に保存するたびに、openshift-user-workload-monitoring
プロジェクトの Pod が再デプロイされます。これらのコンポーネントが再デプロイするまで時間がかかる場合があります。
手順
cluster-monitoring-config
ConfigMap
オブジェクトを編集します。$ oc -n openshift-monitoring edit configmap cluster-monitoring-config
enableUserWorkload: true
をdata/config.yaml
の下に追加します。apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: cluster-monitoring-config namespace: openshift-monitoring data: config.yaml: | enableUserWorkload: true 1
- 1
true
に設定すると、enableUserWorkload
パラメーターはクラスター内のユーザー定義プロジェクトのモニタリングを有効にします。
変更を適用するためにファイルを保存します。ユーザー定義プロジェクトのモニタリングは自動的に有効になります。
注記ユーザー定義プロジェクトの監視を有効にすると、デフォルトで
user-workload-monitoring-config
ConfigMap
オブジェクトが作成されます。prometheus-operator
、prometheus-user-workload
およびthanos-ruler-user-workload
Pod がopenshift-user-workload-monitoring
プロジェクトで実行中であることを確認します。Pod が起動するまでに少し時間がかかる場合があります。$ oc -n openshift-user-workload-monitoring get pod
出力例
NAME READY STATUS RESTARTS AGE prometheus-operator-6f7b748d5b-t7nbg 2/2 Running 0 3h prometheus-user-workload-0 4/4 Running 1 3h prometheus-user-workload-1 4/4 Running 1 3h thanos-ruler-user-workload-0 3/3 Running 0 3h thanos-ruler-user-workload-1 3/3 Running 0 3h