15.6. クラスターのハイパースレッディングの設定
OpenShift Container Platform クラスターのハイパースレッディングを設定するには、パフォーマンスプロファイル内の CPU スレッド数を、予約済みまたは分離された CPU プールに設定されているのと同じコア数に設定します。
パフォーマンスプロファイルを設定してからホストのハイパースレッディング設定を変更する場合は、PerformanceProfile
YAML の CPU isolated
フィールドと reserved
フィールドを新しい設定に合わせて更新してください。
以前に有効にしたホストのハイパースレッディング設定を無効にすると、PerformanceProfile
YAML にリストされている CPU コアの ID が正しくなくなる可能性があります。この設定が間違っていると、リスト表示される CPU が見つからなくなるため、ノードが利用できなくなる可能性があります。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 - OpenShift CLI (oc) のインストール。
手順
設定する必要のあるホストのどの CPU でどのスレッドが実行されているかを確認します。
クラスターにログインして以下のコマンドを実行し、ホスト CPU で実行されているスレッドを表示できます。
lscpu --all --extended
$ lscpu --all --extended
Copy to Clipboard Copied! 出力例
CPU NODE SOCKET CORE L1d:L1i:L2:L3 ONLINE MAXMHZ MINMHZ 0 0 0 0 0:0:0:0 yes 4800.0000 400.0000 1 0 0 1 1:1:1:0 yes 4800.0000 400.0000 2 0 0 2 2:2:2:0 yes 4800.0000 400.0000 3 0 0 3 3:3:3:0 yes 4800.0000 400.0000 4 0 0 0 0:0:0:0 yes 4800.0000 400.0000 5 0 0 1 1:1:1:0 yes 4800.0000 400.0000 6 0 0 2 2:2:2:0 yes 4800.0000 400.0000 7 0 0 3 3:3:3:0 yes 4800.0000 400.0000
CPU NODE SOCKET CORE L1d:L1i:L2:L3 ONLINE MAXMHZ MINMHZ 0 0 0 0 0:0:0:0 yes 4800.0000 400.0000 1 0 0 1 1:1:1:0 yes 4800.0000 400.0000 2 0 0 2 2:2:2:0 yes 4800.0000 400.0000 3 0 0 3 3:3:3:0 yes 4800.0000 400.0000 4 0 0 0 0:0:0:0 yes 4800.0000 400.0000 5 0 0 1 1:1:1:0 yes 4800.0000 400.0000 6 0 0 2 2:2:2:0 yes 4800.0000 400.0000 7 0 0 3 3:3:3:0 yes 4800.0000 400.0000
Copy to Clipboard Copied! この例では、4 つの物理 CPU コアで 8 つの論理 CPU コアが実行されています。CPU0 および CPU4 は物理コアの Core0 で実行されており、CPU1 および CPU5 は物理コア 1 で実行されています。
または、特定の物理 CPU コア (以下の例では
cpu0
) に設定されているスレッドを表示するには、シェルプロンプトを開いて次のコマンドを実行します。cat /sys/devices/system/cpu/cpu0/topology/thread_siblings_list
$ cat /sys/devices/system/cpu/cpu0/topology/thread_siblings_list
Copy to Clipboard Copied! 出力例
0-4
0-4
Copy to Clipboard Copied! PerformanceProfile
YAML で分離された CPU および予約された CPU を適用します。たとえば、論理コア CPU0 と CPU4 をisolated
として設定し、論理コア CPU1 から CPU3 および CPU5 から CPU7 をreserved
として設定できます。予約および分離された CPU を設定する場合に、Pod 内の infra コンテナーは予約された CPU を使用し、アプリケーションコンテナーは分離された CPU を使用します。... cpu: isolated: 0,4 reserved: 1-3,5-7 ...
... cpu: isolated: 0,4 reserved: 1-3,5-7 ...
Copy to Clipboard Copied! 注記予約済みの CPU プールと分離された CPU プールは重複してはならず、これらは共に、ワーカーノードの利用可能なすべてのコアに広がる必要があります。
ハイパースレッディングは、ほとんどの Intel プロセッサーでデフォルトで有効になっています。ハイパースレッディングが有効な場合、特定のコアで処理されるすべてのスレッドを分離するか、同じコアで処理する必要があります。
ハイパースレッディングが有効な場合、保証されたすべての Pod が、Pod の障害を引き起こす可能性がある "ノイジーネイバー" 状況を回避するために、同時マルチスレッディング (SMT) レベルの倍数を使用する必要があります。詳細は、Static policy options を参照してください。
15.6.1. 低レイテンシーアプリケーション用のハイパースレッディングの無効化
低レイテンシー処理用にクラスターを設定する場合は、クラスターをデプロイする前に、ハイパースレッディングを無効にするかどうかを検討してください。ハイパースレッディングを無効にするには、次の手順を実行します。
- ハードウェアとトポロジーに適したパフォーマンスプロファイルを作成します。
nosmt
を追加のカーネル引数として設定します。以下のパフォーマンスプロファイルの例は、この設定について示しています。apiVersion: performance.openshift.io/v2 kind: PerformanceProfile metadata: name: example-performanceprofile spec: additionalKernelArgs: - nmi_watchdog=0 - audit=0 - mce=off - processor.max_cstate=1 - idle=poll - intel_idle.max_cstate=0 - nosmt cpu: isolated: 2-3 reserved: 0-1 hugepages: defaultHugepagesSize: 1G pages: - count: 2 node: 0 size: 1G nodeSelector: node-role.kubernetes.io/performance: '' realTimeKernel: enabled: true
apiVersion: performance.openshift.io/v2 kind: PerformanceProfile metadata: name: example-performanceprofile spec: additionalKernelArgs: - nmi_watchdog=0 - audit=0 - mce=off - processor.max_cstate=1 - idle=poll - intel_idle.max_cstate=0 - nosmt cpu: isolated: 2-3 reserved: 0-1 hugepages: defaultHugepagesSize: 1G pages: - count: 2 node: 0 size: 1G nodeSelector: node-role.kubernetes.io/performance: '' realTimeKernel: enabled: true
Copy to Clipboard Copied! 注記予約および分離された CPU を設定する場合に、Pod 内の infra コンテナーは予約された CPU を使用し、アプリケーションコンテナーは分離された CPU を使用します。