第4章 計装の設定
Red Hat build of OpenTelemetry Operator は、計装の設定を定義する Instrumentation
カスタムリソースを使用します。
4.1. Red Hat build of OpenTelemetry の自動計装
Red Hat build of OpenTelemetry の自動計装を使用すると、手動でコードを変更せずにアプリケーションを自動的に計装できます。開発者と管理者は、最小限の労力と既存のコードベースへの変更でアプリケーションを監視できます。
自動計装は次のように実行されます。
- Red Hat build of OpenTelemetry Operator が、init コンテナー、または Go のサイドカーコンテナーを注入して、計装されたアプリケーションのプログラミング言語用の計装ライブラリーを追加します。
- Red Hat build of OpenTelemetry Operator が、アプリケーションのランタイム環境に必要な環境変数を設定します。この変数は、トレース、メトリクス、およびログを収集し、適切な OpenTelemetry Collector または別のテレメトリーバックエンドに送信するように自動計装ライブラリーを設定するものです。
- 注入されたライブラリーが、テレメトリーデータを収集する既知のフレームワークやライブラリー (Web サーバーやデータベースクライアントなど) に接続することにより、アプリケーションを自動的に計装します。計装されるアプリケーションのソースコードは変更されません。
- 計装が注入されたアプリケーションが実行されると、アプリケーションは自動的にテレメトリーデータを生成します。このデータは、指定された OpenTelemetry Collector または外部 OTLP エンドポイントに送信されてさらに処理されます。
自動計装を使用すると、OpenTelemetry SDK をアプリケーションコードに手動で統合しなくても、テレメトリーデータをすぐに収集できるようになります。ただし、アプリケーションによっては、特定の設定やカスタムの手動計装が必要になる場合があります。