1.2. Hosted Control Plane の概要
Red Hat OpenShift Container Platform の Hosted Control Plane を使用すると、管理コストを削減し、クラスターのデプロイ時間を最適化し、管理とワークロードの問題を分離して、アプリケーションに集中できるようになります。
Hosted Control Plane は、次のプラットフォームで Kubernetes Operator バージョン 2.0 以降のマルチクラスターエンジン を使用することで利用できます。
- Agent プロバイダーを使用したベアメタル
- OpenShift Virtualization
- Amazon Web Services (AWS) (テクノロジープレビュー機能)
- IBM Z (テクノロジープレビュー機能)
- IBM Power (テクノロジープレビュー機能)
1.2.1. Hosted Control Plane のアーキテクチャー
OpenShift Container Platform は、多くの場合、クラスターがコントロールプレーンとデータプレーンで構成される結合モデルまたはスタンドアロンモデルでデプロイされます。コントロールプレーンには、API エンドポイント、ストレージエンドポイント、ワークロードスケジューラー、および状態を保証するアクチュエーターが含まれます。データプレーンには、ワークロードとアプリケーションが実行されるコンピュート、ストレージ、およびネットワークが含まれます。
スタンドアロンコントロールプレーンは、クォーラムを確保できる最小限の数で、物理または仮想のノードの専用グループによってホストされます。ネットワークスタックは共有されます。クラスターへの管理者アクセスにより、クラスターのコントロールプレーン、マシン管理 API、およびクラスターの状態に影響を与える他のコンポーネントを可視化できます。
スタンドアロンモデルは正常に機能しますが、状況によっては、コントロールプレーンとデータプレーンが分離されたアーキテクチャーが必要になります。そのような場合には、データプレーンは、専用の物理ホスティング環境がある別のネットワークドメインに配置されています。コントロールプレーンは、Kubernetes にネイティブなデプロイやステートフルセットなど、高レベルのプリミティブを使用してホストされます。コントロールプレーンは、他のワークロードと同様に扱われます。
1.2.2. Hosted Control Plane の利点
OpenShift Container Platform の Hosted Control Plane を使用すると、真のハイブリッドクラウドアプローチへの道が開かれ、その他のさまざまなメリットも享受できます。
- コントロールプレーンが分離され、専用のホスティングサービスクラスターでホストされるため、管理とワークロードの間のセキュリティー境界が強化されます。その結果、クラスターのクレデンシャルが他のユーザーに漏洩する可能性が低くなります。インフラストラクチャーのシークレットアカウント管理も分離されているため、クラスターインフラストラクチャーの管理者が誤ってコントロールプレーンインフラストラクチャーを削除することはありません。
- Hosted Control Plane を使用すると、より少ないノードで多数のコントロールプレーンを実行できます。その結果、クラスターはより安価になります。
- コントロールプレーンは OpenShift Container Platform で起動される Pod で構成されるため、コントロールプレーンはすぐに起動します。同じ原則が、モニタリング、ロギング、自動スケーリングなどのコントロールプレーンとワークロードに適用されます。
- インフラストラクチャーの観点からは、レジストリー、HAProxy、クラスター監視、ストレージノードなどのインフラストラクチャーをテナントのクラウドプロバイダーのアカウントにプッシュして、テナントでの使用を分離できます。
- 運用上の観点からは、マルチクラスター管理はさらに集約され、クラスターの状態と一貫性に影響を与える外部要因が少なくなります。Site Reliability Engineer は、一箇所で問題をデバッグして、クラスターのデータプレインを移動するため、解決までの時間 (TTR) が短縮され、生産性が向上します。