第10章 アプリケーションでの設定マップの使用


設定マップにより、設定アーティファクトをイメージコンテンツから切り離し、コンテナー化されたアプリケーションを移植可能な状態に保つことができます。

以下のセクションでは、設定マップおよびそれらを作成し、使用する方法を定義します。

10.1. 設定マップについて

数多くのアプリケーションには、設定ファイル、コマンドライン引数、および環境変数の組み合わせを使用した設定が必要です。OpenShift Container Platform では、これらの設定アーティファクトは、コンテナー化されたアプリケーションを移植可能な状態に保つためにイメージコンテンツから切り離されます。

ConfigMap オブジェクトは、コンテナーを OpenShift Container Platform に依存させないようにする一方で、コンテナーに設定データを挿入するメカニズムを提供します。設定マップは、個々のプロパティーなどの粒度の細かい情報や、設定ファイル全体または JSON Blob などの粒度の荒い情報を保存するために使用できます。

ConfigMap オブジェクトは、Pod で使用したり、コントローラーなどのシステムコンポーネントの設定データを保存するために使用できる設定データのキーと値のペアを保持します。以下に例を示します。

ConfigMap オブジェクト定義

kind: ConfigMap
apiVersion: v1
metadata:
  creationTimestamp: 2016-02-18T19:14:38Z
  name: example-config
  namespace: my-namespace
data: 1
  example.property.1: hello
  example.property.2: world
  example.property.file: |-
    property.1=value-1
    property.2=value-2
    property.3=value-3
binaryData:
  bar: L3Jvb3QvMTAw 2

1
設定データが含まれます。
2
バイナリー Java キーストアファイルなどの UTF8 以外のデータを含むファイルを参照します。Base 64 のファイルデータを入力します。
注記

イメージなどのバイナリーファイルから設定マップを作成する場合に、binaryData フィールドを使用できます。

設定データはさまざまな方法で Pod 内で使用できます。設定マップは以下を実行するために使用できます。

  • コンテナーへの環境変数値の設定
  • コンテナーのコマンドライン引数の設定
  • ボリュームの設定ファイルの設定

ユーザーとシステムコンポーネントの両方が設定データを設定マップに保存できます。

設定マップはシークレットに似ていますが、機密情報を含まない文字列の使用をより効果的にサポートするように設計されています。

設定マップの制限

設定マップは、コンテンツを Pod で使用される前に作成する必要があります。

コントローラーは、設定データが不足していても、その状況を許容して作成できます。ケースごとに設定マップを使用して設定される個々のコンポーネントを参照してください。

ConfigMap オブジェクトはプロジェクト内にあります。

それらは同じプロジェクトの Pod によってのみ参照されます。

Kubelet は、API サーバーから取得する Pod の設定マップの使用のみをサポートします。

これには、CLI を使用して作成された Pod、またはレプリケーションコントローラーから間接的に作成された Pod が含まれます。これには、OpenShift Container Platform ノードの --manifest-url フラグ、その --config フラグ、またはその REST API を使用して作成された Pod は含まれません (これらは Pod を作成する一般的な方法ではありません)。

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