7.2. ファイルシステムパフォーマンスのプロファイル
tuned-adm ツールを使うと、特定のユースケースのパフォーマンス強化のために設計された多くのプロファイル間でのスワップを容易にします。ストレージパフォーマンスの向上に特に便利なプロファイルを以下に挙げます。
latency-performance
- 標準的な遅延パフォーマンスチューニング用のサーバープロファイルです。これは、tuned と ktune の省電力メカニズムを無効にし、
cpuspeed
モードがperformance
に変更されます。各デバイスで I/O エレベーターがdeadline
に変更されます。cpu_dma_latency
パラメーターは0
の値 (最低の待ち時間) で登録され、可能な範囲で Power Management Quality-of-Service が電源管理の待ち時間を制限します。 throughput-performance
- 標準的なスループットのパフォーマンスチューニング用のサーバープロファイルです。システムにエンタープライズクラスのストレージがない場合に、このプロファイルが推奨されます。
latency-performance
と同じですが、以下の点が異なります。kernel.sched_min_granularity_ns
(スケジューラーの最小先取り粒度) が10
ミリ秒に設定されます。kernel.sched_wakeup_granularity_ns
(スケジューラーのウェイクアップ粒度) が15
ミリ秒に設定されます。vm.dirty_ratio
(仮想メモリーダーティー率) が 40% に設定されます。- Transparent huge pages が使用可能になります。
enterprise-storage
- このプロファイルは、バッテリー駆動のコントローラーキャッシュ保護とオンディスクのキャッシュ管理などを含むエンタープライズクラスのストレージがあるエンタープライズサイズのサーバー設定に推奨されます。
throughput-performance
プロファイルと同じですが、以下の点が異なります。readahead
値が4x
に設定されます。- root/boot ファイルシステム以外のファイルシステムが、
barrier=0
で再マウントされます。
tuned-adm についての詳細情報は man ページ (
man tuned-adm
) または 『電力管理ガイド』 を参照してください。これは http://access.redhat.com/site/documentation/Red_Hat_Enterprise_Linux/ から入手できます。