第7章 高可用性
7.1. 高可用性の概要
高可用性 という用語は、そのシステムの一部に障害が発生したりオフラインになった場合でも、残りの稼働状態を実現するシステムを指します。OCP のブローカーでは、HA はブローカーの可用性と、ブローカーに障害が発生した場合のメッセージングデータの整合性の両方を維持することを指します。
OpenShift Container Platform の AMQ Broker の HA 設定で、ブローカー Pod の複数のインスタンスを同時に実行します。各ブローカー Pod は、システムでストレージ ボリュームを論理的に定義する永続ボリューム (PV)にメッセージデータを書き込みます。ブローカー Pod が失敗するか、またはオフラインになると、その PV に保存されているメッセージデータは代替の利用可能なブローカーに再分散され、これを独自の PV に保存します。
図7.1 通常、StatefulSet の稼働

ブローカー Pod をオフラインにすると、StatefulSet がスケールダウンされ、接続されていない PV のメッセージデータに対して何が起こるかを管理する必要があります。now-offline Pod に関連付けられた PV に保持されるメッセージを移行するには、スケールダウンコントローラーを使用します。このようにメッセージデータを移行するプロセスは、Pod のドレイン(解放) と呼ばれる場合があります。