3.8. Kea でのクライアントのクラス分け


Kea のクライアントクラスは、特定の基準に基づいてクライアントをグループ化するメカニズムです。これにより、ネットワーク設定を細かく制御できます。この機能を使用すると、複数のクライアントに特別な処理ルールを適用したり、別々の DHCP オプションを割り当てたりすることができます。

Voice over IP (VoIP) デバイスを特定の IP プールに割り当てるクライアントクラスを作成すると、ネットワーク上の他のデバイスとは異なる IP アドレスを VoIP 電話に取得させることができます。たとえば、IPv4 ネットワークでは、substring (部分文字列) 式を使用して、Media Access Control (MAC) アドレスの最初の 3 オクテットをテストできます。MAC アドレスが信頼できる指標にならない IPv6 ネットワークでは、DHCPv6 ベンダークラスオプションに含まれる部分文字列をテストできます。

前提条件

  • kea-dhcp4 および kea-dhcp6 サービスが設定され、実行されている。
  • root ユーザーとしてログインしている。

手順

  1. IPv4 ネットワークを設定する場合:

    1. /etc/kea/kea-dhcp4.conf ファイルを編集し、次の変更を加えます。

      1. 次のクライアントクラスを Dhcp4 パラメーターに追加します。

        {
          "Dhcp4": {
            ...
            "client-classes": [
              {
                  "name": "VoIP-Phones",
                  "test": "substring(pkt4.mac, 0, 3) == 0x525400"
              },
              {
                  "name": "Others",
                  "test": "not member('VoIP-Phones')"
              }
            ],
            ...
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        この例では、MAC アドレスが 52:54:00 で始まるデバイスが、VoIP-Phones クライアントクラスにマッチします。このルールにマッチしないデバイスは、Others クライアントクラスに割り当てられます。

      2. pool 定義にクライアントクラスを割り当てます。

        {
          "Dhcp4": {
            "subnet4": [
              {
                "subnet": "192.0.2.0/24",
        	"pools": [
                  {
                    "pool": "192.0.2.20  - 192.0.2.100",
                    "client-class": "Others"
                  },
                  {
                    "pool": "192.0.2.150 - 192.0.2.200",
                    "client-class": "VoIP-Phones"
                  }
                ],
                ...
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        ホストがどのクライアントクラスにマッチするかに応じて、Kea は対応するプールから IP を割り当てます。

    2. 設定ファイルの構文を検証します。

      # kea-dhcp4 -t /etc/kea/kea-dhcp4.conf
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      コマンドで Syntax check failed が返された場合は、レポートに表示されているエラーを修正します。

    3. kea-dhcp4 サービスを再起動します。

      # systemctl restart kea-dhcp4
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  2. IPv6 ネットワークを設定する場合:

    1. /etc/kea/kea-dhcp6.conf ファイルを編集し、次の変更を加えます。

      1. Dhcp6 パラメーターに次のクライアントクラスを追加します。

        {
          "Dhcp6": {
            ...
            "client-classes": [
              {
                  "name": "VoIP-Phones",
                  "test": "option[16].exists and (substring(option[16].hex, 0, 8) == '00000009')",
              },
              {
                  "name": "Others",
                  "test": "not member('VoIP-Phones')"
              }
            ],
            ...
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        この例では、16 進値が 00000009 で始まる DHCPv6 ベンダークラスオプション (オプション 16) を送信するデバイスが、VoIP-Phones クライアントクラスにマッチします。このルールにマッチしないデバイスは、Others クライアントクラスに割り当てられます。

      2. pool 定義にクライアントクラスを割り当てます。

        {
          "Dhcp6": {
            "subnet6": [
              {
                "subnet": "2001:db8:0:1::/64",
        	"pools": [
                  {
                    "pool": "2001:db8:0:1::1000 - 2001:db8:0:1::2000",
                    "client-class": "Others"
                  },
                  {
                    "pool": "2001:db8:0:1::4000 - 2001:db8:0:1::5000",
                    "client-class": "VoIP-Phones"
                  }
                ],
                ...
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        ホストがどのクライアントクラスにマッチするかに応じて、Kea は対応するプールから IP を割り当てます。

    2. 設定ファイルの構文を検証します。

      # kea-dhcp6 -t /etc/kea/kea-dhcp6.conf
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      コマンドで Syntax check failed が返された場合は、レポートに表示されているエラーを修正します。

    3. kea-dhcp6 サービスを再起動します。

      # systemctl restart kea-dhcp6
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検証

  • クライアントクラスのルールにマッチするクライアントを接続し、Kea が対応するプールから IP を割り当てたことを確認します。
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