5.11. 情報収集ツール


これらのツールはコマンドラインツールで、フォーマット済みの出力を提供します。コマンドラインパイピングの一部としては使いづらいものですが、集中してうまくフォーマットされた情報をすばやく提供してくれます。
avcstat

このコマンドは、ブート以降のアクセスベクターキャッシュの短い出力を提供します。時間間隔を秒に指定することで、統計をリアルタイムで見ることができます。これで、初期出力以降の更新された統計が提供されます。使用される統計ファイルは/selinux/avc/cache_stats で、-f /path/to/file オプションで別のキャッシュファイルを指定できます。

~]# avcstat 
   lookups       hits     misses     allocs   reclaims      frees
  47517410   47504630      12780      12780      12176      12275
seinfo

このユーティリティーは、クラスやタイプ、ブール値、allow ルールの数などのポリシーの内訳を説明する際に便利です。seinfo は、policy.conf ファイル (バージョン 12 から 21 までのポリシーソースを含んだ単一テキストファイル) やバイナリーポリシーファイル、ポリシーパッケージのモジュラー一覧、入力としてのポリシー一覧ファイルを使うコマンドラインユーティリティーです。seinfo ユーティリティーを使うには、setools-console がインストールされている必要があります。

seinfo の出力は、バイナリーとソースファイル間では異なります。例えば、ポリシーソースファイルは { } の括弧で複数のルール要素を単一行にまとめます。属性に関しても同様の働きをし、単一属性が一つまたは複数のタイプに拡大します。これらは拡張されたものでバイナリーポリシーファイルとは関連がなくなるため、検索結果ではゼロの値が返されます。しかし、最初は括弧を使っていた単一行のルールが複数の個別行となると、ルールの数は大幅に増大します。
バイナリーポリシーにはないアイテムもあります。例えば、neverallow ルールはランタイム中ではなく、ポリシーのコンパイル中にのみチェックされます。また、初期 SID はブート中にカーネルがポリシーをロードする前に必要となることから、バイナリーポリシーの一部ではありません。
~]# seinfo

Statistics for policy file: /etc/selinux/targeted/policy/policy.24
Policy Version  & Type: v.24 (binary, mls)

   Classes:            77    Permissions:       229
   Sensitivities:       1    Categories:       1024
   Types:            3001    Attributes:        244
   Users:               9    Roles:              13
   Booleans:          158    Cond. Expr.:       193
   Allow:          262796    Neverallow:          0
   Auditallow:         44    Dontaudit:      156710
   Type_trans:      10760    Type_change:        38
   Type_member:        44    Role allow:         20
   Role_trans:        237    Range_trans:      2546
   Constraints:        62    Validatetrans:       0
   Initial SIDs:       27    Fs_use:             22
   Genfscon:           82    Portcon:           373
   Netifcon:            0    Nodecon:             0
   Permissives:        22    Polcap:              2
また seinfo コマンドは、ドメイン属性を持つタイプの数を一覧表示することも可能で、制限のある異なるプロセスの数を予測します。
~]# seinfo -adomain -x | wc -l
550
すべてのドメインタイプに制限があるわけではありません。制限のないドメイン数を確認するには、unconfined_domain 属性を使います。
~]# seinfo -aunconfined_domain_type -x | wc -l
52
Permissive ドメインは、--permissive オプションで数えられます。
~]# seinfo --permissive -x | wc -l
31
完全なリストを表示するには、上記のコマンドから | wc -l を除きます。
sesearch

sesearch コマンドを使うと、ポリシーで特定のタイプを検索できます。ポリシーソースファイルかバイナリーファイルの検索が可能です。例えば、

~]$ sesearch --role_allow -t httpd_sys_content_t /etc/selinux/targeted/policy/policy.24
Found 20 role allow rules:
   allow system_r sysadm_r;
   allow sysadm_r system_r;
   allow sysadm_r staff_r;
   allow sysadm_r user_r;
   allow system_r git_shell_r;
   allow system_r guest_r;
   allow logadm_r system_r;
   allow system_r logadm_r;
   allow system_r nx_server_r;
   allow system_r staff_r;
   allow staff_r logadm_r;
   allow staff_r sysadm_r;
   allow staff_r unconfined_r;
   allow staff_r webadm_r;
   allow unconfined_r system_r;
   allow system_r unconfined_r;
   allow system_r user_r;
   allow webadm_r system_r;
   allow system_r webadm_r;
   allow system_r xguest_r;
sesearch コマンドは、allow ルールの数を提示します。
~]# sesearch --allow | wc -l
262798
dontaudit ルールの数も提供可能です。
~]# sesearch --dontaudit | wc -l
156712
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