Anaconda カスタマイズガイド
Red Hat Enterprise Linux 7
インストーラーの表示の変更とカスタムアドオンの作成
概要
Anaconda は、Red Hat Enterprise Linux、Fedora、およびそれらの派生物で使用されるインストーラーです。本ガイドでは、カスタマイズに必要な情報を記載しています。
インストーラーの基本機能を拡張したい開発者は、Anaconda アーキテクチャー、そのアドオン API、提供されているヘルパー関数、およびカスタムアドオンの作成に役立つ例に関する情報を見つけることができます。
本ガイドでは、起動メニューのカラースキームや背景、グラフィカルユーザーインターフェイス内のブランド化や色調節などのインストーラーの視覚的側面をカスタマイズするための手順も説明しています。
サポートステートメント
Red Hat は、Red Hat Enterprise Linux インストールメディアの変更またはカスタマイズをサポートしていませ ん。システムテンプレートやライブ CD などの OS イメージをカスタマイズするには、キックスタート を使用してインフラストラクチャー内に一貫したシステムを構築するか、Red Hat Enterprise Linux Image Builder を使用してカスタム OS イメージを作成します。
1. Anaconda のカスタマイズの概要
Red Hat Enterprise Linux および Fedora インストールプログラムである Anaconda では、最新バージョンに多くの改良が追加されました。これらの改善の 1 つは、カスタマイズの可能性が強化されました。基本的なインストーラー機能を拡張するためにアドオンを作成できます。また、グラフィカルユーザーインターフェイスの外観を変更するオプションなどがあります。
本書では、以下をカスタマイズする方法について説明します。
- ブートメニュー: 事前設定されたオプション、色スキーム、および背景
- グラフィカルインターフェイスの外観: ロゴ、背景、製品名
- インストーラーの機能: グラフィカルユーザーインターフェイスおよびテキストユーザーインターフェイスに新しいキックスタートコマンドと新しい画面を追加して、インストーラーを強化できるアドオン
本ガイドで説明しているトピックの中には、多くの知識を必要とするものもあります。特に、カスタムの Anaconda アドオンの開発には Python の知識、ブートメニュー変更にはプレーンテキストの設定ファイルの編集、インストーラーの外観のカスタマイズにはコンピューターグラフィックスと CSS (カスケードスタイルシート) の知識がそれぞれ必要になります。
また、本ガイドは、Red Hat Enterprise Linux 7 および Fedora 17 以降にのみ適用されることに注意してください。
重要
本ガイドで説明されている手順は、Red Hat Enterprise Linux 7 または同様のシステム用に記述されています。これ以外のシステムでは、(カスタム ISO イメージを作成する genisoimage など) 使用するツールやアプリケーションが異なり、手順を調節する必要がある場合があります。