5.3. ハブ & スポークモデル
Anaconda と他のオペレーティングシステムインストーラーの大きな違いは、前者は線状ではなく、ハブおよびスポーク モデルと呼ばれる点にあります。
Anaconda がハブおよびスポークモデルとなっていることで、以下の利点があります。
- ユーザーは画面上でインストールを進める際に決まった順序に従う必要がない。
- 設定するオプションについて理解しているかどうかに関わらず全画面を開く必要がない。
- 特定のボタンがクリックされるまで、希望する値を設定してもマシンには実際には何もされないというトランザクションモードが機能する。
- 設定された値の概要を表示する方法がある。
- 並び替えや複雑な並び順の依存関係を解決せずに新たなスポークをハブに追加できるので、拡張性が高い。
- インストーラーのグラフィカルとテキストと両方のモードに使用可能。
以下の図ではインストーラーのレイアウトと、ハブ および スポーク (screens) 間の関係を示しています。
図2 ハブ & スポークモデルの図
この図では、screens 2-13 は 通常のスポーク とよばれ、screens 1 と 14 は スタンドアロンスポーク と呼ばれます。スタンドアロンスポークは、その後に続くスタンドアロンスポークもしくはハブの前 (またはその前のスタンドアロンスポークもしくはハブの後) に開く必要のある画面になります。例えば、インストール開始時の ようこそ 画面がこれに当たります。この画面では、残りのインストールに使用する言語を選択する必要があります。
注記
本セクションの残りの部分で言及する画面は、インストーラーのグラフィカルユーザーインターフェイス (GUI) の画面になります。
ハブおよびスポークモデルの中心点となるのが ハブ です。デフォルトでは以下の 2 種類のハブがあります。
- インストールの概要 ハブ。インストール前に設定したオプションの概要を表示します。
- 設定および進捗状況 ハブ。インストールの概要 で インストールの開始 をクリックすると表示され、インストールプロセスの進捗状況が確認できるほか、追加オプションの設定ができます (root パスワードの設定やユーザーアカウントの作成など)。
スポークには以下の事前設定 プロパティー があり、これはハブで反映されます。以下のとおりです。
- ready: スポークが開けるかどうかを指定します。例えば、あるパッケージソースをインストーラーが設定している場合、そのスポークは準備ができておらずグレー表示され、設定が完了するまでアクセスできません。
- completed: スポークが完了 (必須の値がすべて設定済み) か未完了かをマークします。
- mandatory: インストールの続行にそのスポークを開いてユーザーが確認する 必要がある かどうかを決定します。例えば、自動ディスクパーティション設定を使用する場合でも、インストール先 スポークは開く必要があります。
- status: (ハブのスポーク名で表示される) 内で設定された値の短いサマリーを提供します。
ユーザーインターフェイスを使いやすくするために、スポークは カテゴリー 別にグループ化されます。例えば、ローカリゼーション カテゴリーにはキーボードレイアウトの選択や言語サポート、タイムゾーンの設定といったスポークが集められます。
各スポークには、メモリー内のツリー状構造の 1 つ以上のサブツリーの値を表示および変更できる UI コントロールが含まれています。「Anaconda のアーキテクチャー」 .として「Anaconda アドオンの作成」アドオンによって提供されるスポークにも同じことが当てはまります。