3.2. UEFI ファームウェアのシステム
UEFI ファームウェアのシステムでは GRUB2 ブートローダーが使用されます。
GRUB2 設定ファイルはブートメディア上にある
EFI/BOOT/grub.cfg
です。設定ファイルには事前設定済みのメニューエントリーと、ブートメニューの外観と機能を制御する他のディレクティブが含まれています。
設定ファイルでは、Red Hat Enterprise Linux のデフォルトメニューエントリー (Test this media & install Red Hat Enterprise Linux 7.1) が以下のブロックで定義されます。
menuentry 'Test this media & install Red Hat Enterprise Linux 7.1' --class fedora --class gnu-linux --class gnu --class os {
linuxefi /images/pxeboot/vmlinuz inst.stage2=hd:LABEL=RHEL-7.1\x20x86_64 rd.live.check quiet initrdefi /images/pxeboot/initrd.img}
上記の例で注目すべきオプションは以下の通りです。
menuentry
: メニューエントリーを定義するオプションです。エントリーのタイトルは引用符または二重引用符 ('
または"
) です。--class
オプションを指定すると、メニューエントリーを異なる クラス にグループ化できます。このクラスは、GRUB2 テーマを使用してスタイルを変更できます。注記各メニューエントリーの定義は上記の例のように中括弧 ({}
) で囲む必要があります。linuxefi
: 起動するカーネル (上記の例では/images/pxeboot/vmlinuz
) と追加オプションを定義します。これらのオプションをカスタマイズしてブートエントリーの動作を変更します。Anaconda に固有する使用可能なオプションについては、『Red Hat Enterprise Linux 7 インストールガイド』 に記載されています。主なオプションはinst.ks=
で、キックスタートファイルの場所を指定できます。つまり、起動 ISO イメージ上に Kickstart ファイルを配置して、このオプションによりこれを使用できます。たとえば、kickstart.ks
というファイルをイメージのルートディレクトリーに配置し、inst.ks=hd:LABEL=RHEL-7.1\x20x86_64:/kickstart.ks
を使用します。また、dracut
オプションを使用することもできます。詳細は、man ページのdracut.cmdline(7)
を参照してください。重要上記のinst.stage2=hd:LABEL=RHEL-7.1\x20x86_64
オプションにあるように、特定のドライブを参照するディスクラベルを使用する場合は、すべての空白を\x20
に置き換えます。initrdefi
: 読み込む初期 RAM ディスク (initrd) イメージの場所。
grub.cfg
設定ファイルで使用する他のオプションには以下のものがあります。
set timeout
: デフォルトのメニューエントリーが自動的に使用されるまでのブートメニューの表示時間を指定します。デフォルト値は60
で、メニューは 60 秒間表示されます。この値を-1
に設定すると、タイムアウトを完全に無効にします。注記ヘッドレスインストールを実行する場合は、この値を0
にすると、デフォルトのブートエントリーが直ちにアクティベートされます。submenu
: サブメニューブロックの定義。これを使用するとサブメニューが作成でき、その下にあるエントリーをメインメニューに表示するのではなく、グループ化できます。デフォルト設定では Troubleshooting サブメニューがあり、これには既存システムを修復するためのエントリーが含まれます。エントリーのタイトルは引用符または二重引用符 ('
または"
) です。submenu
ブロックには上記のように 1 つ以上のmenuentry
定義が含まれ、ブロック全体は中括弧 ({}
) で囲まれています。以下に例を示します。submenu 'Submenu title' {
menuentry 'Submenu option 1' { linuxefi /images/vmlinuz inst.stage2=hd:LABEL=RHEL-7.1\x20x86_64 xdriver=vesa nomodeset quiet initrdefi /images/pxeboot/initrd.img } menuentry 'Submenu option 2' { linuxefi /images/vmlinuz inst.stage2=hd:LABEL=RHEL-7.1\x20x86_64 rescue quiet initrdefi /images/initrd.img }}
set default
: デフォルトで選択されるエントリーを指定します。エントリー番号は0
から始まることに注意してください。3 番目 のエントリーをデフォルトエントリーに設定する場合は、set default=2
を設定します。theme
: GRUB2 テーマファイルを含むディレクトリーの場所テーマを使用することで、背景やフォント、特定要素の色などのブートローダーの視覚的側面をカスタマイズできます。テーマファイル形式の完全な説明は本ガイドのスコープ外となります。カスタムテーマの作成に関する情報は、GNU GRUB Manual 2.00 を参照してください。
ブートメニューのカスタマイズに関する詳細情報はGNU GRUB Manual 2.00 を参照してください。GRUB2 に関する一般的な情報は、『Red Hat Enterprise Linux 7 システム管理者のガイド』 を参照してください。