25.2. Perf の使用


プログラムの実行の統計またはサンプルを収集するために基本的な PCL インフラストラクチャーを使用することが比較的単純な方法になります。以下のセクションでは、全体的な統計やサンプリングの簡単な例を紹介します。

make およびその子についての統計情報を収集するには、以下のコマンドを使用します。

# perf stat -- make all

perf コマンドは、多数の異なるハードウェアおよびソフトウェアカウンターを収集します。次に、以下の情報を出力します。

Performance counter stats for 'make all':

  244011.782059  task-clock-msecs         #      0.925 CPUs
          53328  context-switches         #      0.000 M/sec
            515  CPU-migrations           #      0.000 M/sec
        1843121  page-faults              #      0.008 M/sec
   789702529782  cycles                   #   3236.330 M/sec
  1050912611378  instructions             #      1.331 IPC
   275538938708  branches                 #   1129.203 M/sec
     2888756216  branch-misses            #      1.048 %
     4343060367  cache-references         #     17.799 M/sec
      428257037  cache-misses             #      1.755 M/sec

  263.779192511  seconds time elapsed

perf ツールはサンプルを記録することもできます。たとえば、make コマンドおよびその子に関するデータを記録するには、以下を使用します。

# perf record -- make all

これで収集されたサンプル数とサンプルが保存されているファイルが表示されます。

[ perf record: Woken up 42 times to write data ]
[ perf record: Captured and wrote 9.753 MB perf.data (~426109 samples) ]

Performance Counters for Linux (PCL) ツールと OProfile の競合

OProfile と Performance Counters for Linux (PCL) は、どちらも同じハードウェアの Performance Monitoring Unit (PMU) を使用します。PCL perf コマンドの使用を試行する際に OProfile が実行中の場合は、OProfile の開始時に以下のようなエラーメッセージが表示されます。

Error: open_counter returned with 16 (Device or resource busy). /usr/bin/dmesg may provide additional information.

Fatal: Not all events could be opened.

perf コマンドを使用するには、まず OProfile をシャットダウンします。

# opcontrol --deinit

次に、perf.data を分析してサンプルの相対頻度を測定することができます。レポート出力には、コマンド、オブジェクト、サンプルの機能などが含まれます。perf report を使用して perf.data の分析を出力します。たとえば、以下のコマンドは最も時間がかかる実行可能ファイルのレポートを作成します。

# perf report --sort=comm

出力は以下のようになります。

# Samples: 1083783860000
#
# Overhead          Command
# ........  ...............
#
    48.19%         xsltproc
    44.48%        pdfxmltex
     6.01%             make
     0.95%             perl
     0.17%       kernel-doc
     0.05%          xmllint
     0.05%              cc1
     0.03%               cp
     0.01%            xmlto
     0.01%               sh
     0.01%          docproc
     0.01%               ld
     0.01%              gcc
     0.00%               rm
     0.00%              sed
     0.00%   git-diff-files
     0.00%             bash
     0.00%   git-diff-index

左のコラムはサンプルの相対頻度を示しています。この出力では、makexsltproc および pdfxmltex で最も多くの時間を消費していることを示しています。make が完了する時間を短縮するには、xsltprocpdfxmltex にフォーカスします。xsltproc が実行する機能をリスト表示するには、以下を実行します。

# perf report -n --comm=xsltproc

以下が生成されます。

comm: xsltproc
# Samples: 472520675377
#
# Overhead  Samples                    Shared Object  Symbol
# ........ ..........  .............................  ......
#
    45.54%215179861044  libxml2.so.2.7.6               [.] xmlXPathCmpNodesExt
    11.63%54959620202  libxml2.so.2.7.6               [.] xmlXPathNodeSetAdd__internal_alias
     8.60%40634845107  libxml2.so.2.7.6               [.] xmlXPathCompOpEval
     4.63%21864091080  libxml2.so.2.7.6               [.] xmlXPathReleaseObject
     2.73%12919672281  libxml2.so.2.7.6               [.] xmlXPathNodeSetSort__internal_alias
     2.60%12271959697  libxml2.so.2.7.6               [.] valuePop
     2.41%11379910918  libxml2.so.2.7.6               [.] xmlXPathIsNaN__internal_alias
     2.19%10340901937  libxml2.so.2.7.6               [.] valuePush__internal_alias
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