第8章 Ansible を使用した IdM での DNS レコードの管理
本章では、Ansible Playbook を使用して Identity Management (IdM) で DNS レコードを管理する方法を説明します。IdM 管理者は、IdM で DNS レコードの追加、変更、および削除が可能です。この章には次のセクションが含まれています。
8.1. IdM の DNS レコード
Identity Management (IdM) は、多種の DNS レコードに対応します。以下の 4 つが最も頻繁に使用されます。
- A
これは、ホスト名および IPv4 アドレスの基本マップです。A レコードのレコード名は、
www
などのホスト名です。A レコードのIP アドレス
値は、192.0.2.1
などの IPv4 アドレスです。A レコードの詳細は、RFC 1035 を参照してください。
- AAAA
これは、ホスト名および IPv6 アドレスの基本マップです。AAAA レコードのレコード名は
www
などのホスト名です。IP アドレス
の値は、2001:DB8::1111
などの IPv6 アドレスです。AAAA レコードの詳細は RFC 3596 を参照してください。
- SRV
サービス (SRV) リソースレコード は、特定のサービスを提供するサーバーの DNS 名にサービス名をマッピングします。たとえば、このタイプのレコードは LDAP ディレクトリーのようなサービスを管理するサーバーに、このサービスをマッピングします。
SRV レコードのレコード名は、
_ldap._tcp
など、_service._protocol
の形式を取ります。SRV レコードの設定オプションには、ターゲットサービスの優先順位、加重、ポート番号、およびホスト名が含まれます。SRV レコードの詳細は、RFC 2782 を参照してください。
- PTR
ポインターレコード (PTR) は、IP アドレスをドメイン名にマッピングする逆引き DNS レコードを追加します。
注記IPv4 アドレスの逆引き DNS ルックアップはすべて、
in-addr.arpa.
ドメインで定義される逆引きエントリーを使用します。人間が判別可能な形式の逆アドレスは、通常の IP とまったく逆で、in-addr.arpa.
ドメインが最後に付いています。たとえば、ネットワークアドレス192.0.2.0/24
の逆引きゾーンは、2.0.192.in-addr.arpa
になります。PTR レコード名は、RFC 1035 (RFC 2317 および RFC 3596 で拡張) で指定の標準形式を仕様する必要があります。ホスト名の値は、レコードを作成するホストの正規のホスト名である必要があります。
注記また、IPv6 アドレスの逆引きゾーンは、
.ip6.arpa.
ドメインのゾーンを使用して設定できます。IPv6 逆引きゾーンの詳細は、RFC 3596 を参照してください。
DNS リソースレコードの追加時には、レコードの多くで異なるデータが必要になることに注意してください。たとえば、CNAME レコードにはホスト名が必要ですが、A レコードには IP アドレスが必要です。IdM Web UI では、新しいレコードを追加するフォームのフィールドが自動的に更新され、現在選択されているレコードタイプに必要なデータが反映されます。