2.10.3. cron 定期実行ルートポリシー


概要

cron 定期実行ルートポリシーは、cron 式で指定することで、ルートの開始、停止、一時停止、および再開を可能にするルートポリシーです。cron 定期実行ルートポリシーを定義するには、以下のクラスのインスタンスを作成します。

org.apache.camel.routepolicy.quartz.CronScheduledRoutePolicy
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依存関係

単純な定期実行ルートポリシーは、Quartz コンポーネント camel-quartz に依存しています。たとえば、Maven をビルドシステムとして使用する場合は、アーティファクト camel-quartz の依存関係を追加してください。

Java DSL の例

例2.9「cron 定期実行ルートの Java DSL の例」 は、Java DSL を使用して起動するルートをスケジュールする方法を示しています。このポリシーは、3 秒ごとに開始イベントをトリガーする cron 式 \*/3 * * * * ? で設定されています。

Java DSL では、ルート内で routePolicy() DSL コマンドを呼び出して、ルートポリシーをルートにアタッチします。

例2.9 cron 定期実行ルートの Java DSL の例

// Java
CronScheduledRoutePolicy policy = new CronScheduledRoutePolicy();
policy.setRouteStartTime("*/3 * * * * ?");

from("direct:start")
    .routeId("test")
    .routePolicy(policy)
    .to("mock:success");;
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注記

複数の引数を指定して routePolicy() を呼び出すことで、ルート上に複数のポリシーを指定することができます。

XML DSL の例

例2.10「cron 定期実行ルートの XML DSL の例」 は、XML DSL を使用して起動するルートをスケジュールする方法を示しています。

XML DSL では、route 要素に routePolicyRef 属性を設定して、ルートポリシーをルートにアタッチします。

例2.10 cron 定期実行ルートの XML DSL の例

<bean id="date" class="org.apache.camel.routepolicy.quartz.SimpleDate"/>

<bean id="startPolicy" class="org.apache.camel.routepolicy.quartz.CronScheduledRoutePolicy">
    <property name="routeStartTime" value="*/3 * * * * ?"/>
</bean>

<camelContext xmlns="http://camel.apache.org/schema/spring">
    <route id="testRoute" routePolicyRef="startPolicy">
        <from uri="direct:start"/>
        <to uri="mock:success"/>
    </route>
</camelContext>
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注記

routePolicyRef の値をコンマ区切りの Bean ID リストとして設定することで、ルート上に複数のポリシーを指定できます。

cron 式の定義

cron 式 の構文は、UNIX システム上でバックグラウンドで実行するジョブをスケジュールする UNIX cron ユーティリティーに由来しています。cron 式は、日付と時刻にワイルドカードを使用することで、単一のイベントまたは定期的に繰り返される複数のイベントを効果的に指定することができる構文です。

cron 式は、以下の順序の 6 または 7 個のフィールドで設定されます。

Seconds Minutes Hours DayOfMonth Month DayOfWeek [Year]
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Year フィールドは任意のフィールドで、一度だけ発生するイベントを定義する場合を除き、通常は省略できます。各フィールドは、リテラルと特殊文字の組み合わせで設定されます。たとえば、以下の cron 式は、毎日 1 回夜 12 時に発生するイベントを指定します。

0 0 24 * * ?
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* 文字は、フィールドのすべての値にマッチするワイルドカードです。したがって、上記の式は毎月の毎日を意味します。? の文字は、フィールドの無視を意味するダミーのプレースホルダーです。DayOfMonth フィールド または DayOfWeek フィールドの両方を同時に指定するのは論理的ではないので、常にどちらかのフィールドにこの文字を指定します。たとえば、1 日 1 回発生するイベントを、月曜日から金曜日までのみスケジュールする場合は、以下の cron 式を使用します。

0 0 24 ? * MON-FRI
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MON-FRI は、ハイフン文字で範囲を指定しています。/ (スラッシュ) を使用してインクリメントを指定することもできます。たとえば、5 分ごとにイベントが発生するように指定するには、以下の cron 式を使用します。

0 0/5 * * * ?
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cron 式構文の完全な説明は、Wikipedia の CRON 式 に関する記事を参照してください。

タスクのスケジューリング

cron 定期実行ルートポリシーを使用して、以下のスケジューリングタスクのいずれかを定義することができます。

ルートの開始

次の表は、ルートの開始を 1 回以上スケジューリングするためのパラメーターを示しています。

Expand
パラメーターデフォルト説明

routeStartString

文字列

なし

1 つ以上のルート開始イベントをトリガーする cron 式を指定します。

ルートの停止

次の表は、ルートの停止を 1 回以上スケジューリングするためのパラメーターを示しています。

Expand
パラメーターデフォルト説明

routeStopTime

文字列

なし

1 つ以上のルート停止イベントをトリガーする cron 式を指定します。

routeStopGracePeriod

int

10000

ルートを強制停止する前に、現在のエクスチェンジの処理が終了するまで待つ時間 (猶予期間) を指定します。猶予期間が無限の場合は 0 に設定します。

routeStopTimeUnit

long

TimeUnit.MILLISECONDS

猶予期間の時間単位を指定します。

ルートの一時停止

次の表は、ルートの一時停止を 1 回以上スケジュールするためのパラメーターを示しています。

Expand
パラメーターデフォルト説明

routeSuspendTime

文字列

なし

1 つ以上のルート一時停止イベントをトリガーする cron 式を指定します。

ルートの再開

次の表は、ルートの再開を 1 回以上スケジュールするためのパラメーターを示しています。

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パラメーターデフォルト説明

routeResumeTime

文字列

なし

1 つ以上のルート再開イベントをトリガーする cron 式を指定します。

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