第23章 MVEL


概要

MVEL は Java ベースの動的な言語で、OGNL に似ていますが、OGNL より高速だと言われています。MVEL のサポートは camel-mvel モジュールにあります。

構文

MVEL のドット構文を使用して Java メソッドを呼び出することができます。以下に例を示します。

getRequest().getBody().getFamilyName()

MVEL は動的に型付けされているため、getFamilyName() メソッドを呼び出す前にメッセージボディーのインスタンス (Object 型) をキャストする必要はありません。Bean の属性を取得する場合は、以下のような簡単な構文を使用することもできます。

request.body.familyName

MVEL モジュールの追加

ルートで MVEL を使用するには、例23.1「camel-mvel 依存関係の追加」 で示すように、camel-mvel の依存関係をプロジェクトに追加する必要があります。

例23.1 camel-mvel 依存関係の追加

<!-- Maven POM File -->
<properties>
  <camel-version>2.23.2.fuse-780036-redhat-00001</camel-version>
  ...
</properties>

<dependencies>
  ...
  <dependency>
    <groupId>org.apache.camel</groupId>
    <artifactId>camel-mvel</artifactId>
    <version>${camel-version}</version>
  </dependency>
  ...
</dependencies>

組み込み変数

表23.1「MVEL 変数」 に、MVEL を使用する際にアクセス可能な組み込み変数の一覧を示します。

表23.1 MVEL 変数
名前説明

this

org.apache.camel.Exchange

現在のエクスチェンジ

exchange

org.apache.camel.Exchange

現在のエクスチェンジ

exception

Throwable

エクスチェンジの例外 (ある場合)

exchangeID

文字列

エクスチェンジの ID

fault

org.apache.camel.Message

Fault メッセージ (ある場合)

request

org.apache.camel.Message

IN メッセージ

response

org.apache.camel.Message

OUT メッセージ

properties

マップ

エクスチェンジプロパティー

property(name)

オブジェクト

指定されたエクスチェンジプロパティーの値

property(name, type)

Type

指定されたエクスチェンジプロパティーのタイプの値。

例23.2「MVEL を使用したルート」 は、MVEL を使用するルートを示しています。

例23.2 MVEL を使用したルート

<camelContext>
  <route>
    <from uri="seda:foo"/>
    <filter>
      <language langauge="mvel">request.headers.foo == 'bar'</language>
      <to uri="seda:bar"/>
    </filter>
  </route>
</camelContext>
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