9.2. コンポーザブルネットワークの追加
以下の手順で、オーバークラウドにさらにコンポーザブルネットワークを追加する方法について説明します。
手順
デフォルトの
network_data
ファイルのコピーします。$ cp /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/network_data.yaml /home/stack/.
network_data.yaml
ファイルのローカルコピーを編集し、新規ネットワーク用のセクションを追加します。以下に例を示します。- name: StorageBackup name_lower: storage_backup vlan: 21 vip: true ip_subnet: '172.21.1.0/24' allocation_pools: [{'start': '171.21.1.4', 'end': '172.21.1.250'}] gateway_ip: '172.21.1.1'
network_data
ファイルでは、以下のパラメーターを使用することができます。
name
-
人間が判読可能なネットワークの名前を設定します。必須のパラメーターは、このパラメーターだけです。判読性を向上させるために、
name_lower
を使用して名前を正規化することもできます。たとえば、InternalApi
をinternal_api
に変更します。 name_lower
-
ネットワーク名の小文字バージョンを設定します。director は、この名前を
roles_data
ファイルのロールに割り当てられる該当ネットワークにマッピングします。 vlan
- このネットワークに使用する VLAN を設定します。
vip: true
-
新規ネットワーク上に仮想 IP アドレス (VIP) を作成します。この IP は、サービス/ネットワーク間のマッピングパラメーター (
ServiceNetMap
) に一覧表示されるサービスのターゲット IP として使用されます。仮想 IP は Pacemaker を使用するロールにしか使用されない点に注意してください。オーバークラウドの負荷分散サービスにより、トラフィックがこれらの IP から対応するサービスのエンドポイントにリダイレクトされます。 ip_subnet
- デフォルトの IPv4 サブネットを CIDR 形式で設定します。
allocation_pools
- IPv4 サブネットの IP 範囲を設定します。
gateway_ip
- ネットワークのゲートウェイを設定します。
routes
ネットワークに新たなルートを追加します。それぞれの追加ルートが含まれる JSON リストを使用します。それぞれのリスト項目には、ディクショナリーの値のマッピングが含まれます。構文の例を以下に示します。
routes: [{'destination':'10.0.0.0/16', 'nexthop':'10.0.2.254'}]
subnets
このネットワーク内にある追加のルーティングされたサブネットを作成します。このパラメーターでは、ルーティングされたサブネット名の小文字バージョンが含まれる
dict
値をキーとして指定し、上記のvlan
、ip_subnet
、allocation_pools
、およびgateway_ip
パラメーターをサブネットにマッピングする値として指定します。このレイアウトの例を以下に示します。- name: StorageBackup name_lower: storage_backup vlan: 200 vip: true ip_subnet: '172.21.0.0/24' allocation_pools: [{'start': '171.21.0.4', 'end': '172.21.0.250'}] gateway_ip: '172.21.0.1' subnets: storage_backup_leaf1: vlan: 201 ip_subnet: '172.21.1.0/24' allocation_pools: [{'start': '171.21.1.4', 'end': '172.21.1.250'}] gateway_ip: '172.19.1.254'
このマッピングは、スパイン/リーフ型デプロイメントで頻繁に使用されます。詳しくは、『 Spine Leaf Networking』 を参照してください。
-n
オプションを使用して、カスタム network_data
ファイルをデプロイメントに含めます。-n
オプションを指定しないと、デプロイメントコマンドはデフォルトのネットワークセットを使用します。