第12章 ネットワークインターフェースボンディング
本章では、カスタムネットワーク設定で使用することのできるボンディングのオプションを定義します。
12.1. ネットワークインターフェースボンディングおよび Link Aggregation Control Protocol (LACP)
複数の物理 NIC をバンドルして、単一の論理チャネルを形成することができます。この構成はボンディングとも呼ばれます。ボンディング構成にすることにより、高可用性システムに冗長性を持たせたり、スループットを向上させたりすることができます。
Red Hat OpenStack Platform では、Linux ボンディング、Open vSwitch (OVS) カーネルボンディング、および OVS-DPDK ボンディングがサポートされます。
ボンディングは、オプションの Link Aggregation Control Protocol (LACP) と共に使用することができます。LACP は動的ボンディングを作成するネゴシエーションプロトコルで、これにより負荷分散機能および耐障害性を持たせることができます。
仮想マシンインスタンスと直接データをやり取りするネットワークについては、Red Hat では LACP と共に OVS カーネルボンディング (ボンディングタイプ: ovs_bond) または OVS-DPDK ボンディング (ボンディングタイプ: ovs_dpdk_bond) を使用することを推奨します。ただし、OVS カーネルボンディングと OVS-DPDK ボンディングを同じノード上で組み合わせないでください。
コントロールネットワークおよびストレージネットワークの場合は、Red Hat では VLAN を使用する Linux ボンディングと LACP の組み合わせを推奨します。OVS ボンディングを使用すると、更新、ホットフィックス等の理由により OVS または neutron エージェントが再起動すると、コントロールプレーンの中断が生じる可能性があるためです。Linux ボンディング/LACP/VLAN の構成であれば、OVS の中断を懸念することなく NIC を管理できます。1 つの VLAN を使用する Linux ボンディングの設定例を以下に示します。
params: $network_config: network_config: - type: linux_bond name: bond_api bonding_options: "mode=active-backup" use_dhcp: false dns_servers: ` get_param: DnsServers members: - type: interface name: nic3 primary: true - type: interface name: nic4 - type: vlan vlan_id: get_param: InternalApiNetworkVlanID device: bond_api addresses: - ip_netmask: get_param: InternalApiIpSubnet