5.4. 異なる構成の Ceph Storage ノードへのディスクレイアウトのマッピング


デフォルトでは、( roles_data.yamlOS::TripleO::Services::CephOSD サービスとして指定される)Ceph OSD をホストするロールのすべてのノード(例: CephStorage または ComputeHCI ノード)で、「Ceph Storage ノードのディスクレイアウトのマッピング」 で設定したグローバル デバイス 一覧を使用します。この場合、これらすべてのサーバーが同一のハードウェア構成であることを前提としています。これらのサーバーのサブセットが同一のハードウェア構成ではない場合には、director はこれらのサーバーごとに異なる デバイス 一覧があることに注意する必要があります。このような状況は、ノード固有のディスク構成 と呼ばれます。

ノード固有のディスク構成を director に渡すには、node-spec-overrides.yaml 等の heat 環境ファイルを openstack overcloud deploy コマンドに渡す必要があります。そして、この環境ファイルの内容で、それぞれのサーバーをマシン固有の UUID およびグローバル変数を上書きするローカル変数の一覧で識別する必要があります。

マシン固有の UUID は、個々のサーバー向けに、または Ironic データベースから抽出することができます。

個々のサーバーの UUID を把握するには、そのサーバーにログインして以下のコマンドを実行します。

dmidecode -s system-uuid

Ironic データベースから UUID を抽出するには、アンダークラウドで以下のコマンドを実行します。

openstack baremetal introspection data save NODE-ID | jq .extra.system.product.uuid
警告

アンダークラウドのインストールまたはアップグレードおよびイントロスペクションの前に undercloud.confinspection_extras = true と設定しないと、マシン固有の UUID は Ironic データベースには含まれません。

重要

マシン固有の UUID は、Ironic UUID とは異なります。

有効な node-spec-overrides.yaml ファイルは、以下のようになります。

parameter_defaults:
  NodeDataLookup: {"32E87B4C-C4A7-418E-865B-191684A6883B": {"devices": ["/dev/sdc"]}}

最初の 2 行以降は、すべて有効な JSON でなければなりません。jq コマンドを使用して、JSON が有効であることを容易に確認することができます。以下に例を示します。

  1. 最初の 2 行 (parameter_defaults: および NodeDataLookup:) を一時的にファイルから削除します。
  2. cat node-spec-overrides.yaml | jq . を実行します。

node-spec-overrides.yaml ファイルが大きくなるにつれ、jq を使用して組み込まれた JSON が有効であることを確認することもできます。たとえば、以下のコマンドを使用して、デプロイメントを開始する前に JSON が デバイス 一覧の正しい長さを定義することを確認します。

(undercloud) [stack@b08-h02-r620 tht]$ cat node-spec-c05-h17-h21-h25-6048r.yaml | jq '.[] | .devices | length'
33
30
33
(undercloud) [stack@b08-h02-r620 tht]$

上記の例では、node-spec-c05-h17-h21-h25-6048r.yaml にはラック c05 に 3 つのサーバーがあります。ラック c05 のスロット h17、h21、および h25 にはディスクがありません。より複雑な例が、本セクションの最後に記載されています。

JSON を検証した後に、有効な環境 YAML ファイルとなるように 2 つの行(parameter_defaults: および NodeDataLookup:)を戻し、-e を使用してデプロイメントに追加します。

以下の例では、更新した Heat 環境ファイルは Ceph デプロイメントの NodeDataLookup を使用しています。すべてのサーバーのデバイス一覧は 35 のディスクで構成されていましたが、1 つのサーバーだけ 1 つのディスクがありませんでした。この環境ファイルは、その 1 つのノードについてのみデフォルトのデバイス一覧を上書きし、グローバル一覧の代わりに使用する 34 のディスクの一覧を提供します。

parameter_defaults:
  # c05-h01-6048r is missing scsi-0:2:35:0 (00000000-0000-0000-0000-0CC47A6EFD0C)
  NodeDataLookup: {
    "00000000-0000-0000-0000-0CC47A6EFD0C": {
      "devices": [
    "/dev/disk/by-path/pci-0000:03:00.0-scsi-0:2:1:0",
    "/dev/disk/by-path/pci-0000:03:00.0-scsi-0:2:32:0",
    "/dev/disk/by-path/pci-0000:03:00.0-scsi-0:2:2:0",
    "/dev/disk/by-path/pci-0000:03:00.0-scsi-0:2:3:0",
    "/dev/disk/by-path/pci-0000:03:00.0-scsi-0:2:4:0",
    "/dev/disk/by-path/pci-0000:03:00.0-scsi-0:2:5:0",
    "/dev/disk/by-path/pci-0000:03:00.0-scsi-0:2:6:0",
    "/dev/disk/by-path/pci-0000:03:00.0-scsi-0:2:33:0",
    "/dev/disk/by-path/pci-0000:03:00.0-scsi-0:2:7:0",
    "/dev/disk/by-path/pci-0000:03:00.0-scsi-0:2:8:0",
    "/dev/disk/by-path/pci-0000:03:00.0-scsi-0:2:34:0",
    "/dev/disk/by-path/pci-0000:03:00.0-scsi-0:2:9:0",
    "/dev/disk/by-path/pci-0000:03:00.0-scsi-0:2:10:0",
    "/dev/disk/by-path/pci-0000:03:00.0-scsi-0:2:11:0",
    "/dev/disk/by-path/pci-0000:03:00.0-scsi-0:2:12:0",
    "/dev/disk/by-path/pci-0000:03:00.0-scsi-0:2:13:0",
    "/dev/disk/by-path/pci-0000:03:00.0-scsi-0:2:14:0",
    "/dev/disk/by-path/pci-0000:03:00.0-scsi-0:2:15:0",
    "/dev/disk/by-path/pci-0000:03:00.0-scsi-0:2:16:0",
    "/dev/disk/by-path/pci-0000:03:00.0-scsi-0:2:17:0",
    "/dev/disk/by-path/pci-0000:03:00.0-scsi-0:2:18:0",
    "/dev/disk/by-path/pci-0000:03:00.0-scsi-0:2:19:0",
    "/dev/disk/by-path/pci-0000:03:00.0-scsi-0:2:20:0",
    "/dev/disk/by-path/pci-0000:03:00.0-scsi-0:2:21:0",
    "/dev/disk/by-path/pci-0000:03:00.0-scsi-0:2:22:0",
    "/dev/disk/by-path/pci-0000:03:00.0-scsi-0:2:23:0",
    "/dev/disk/by-path/pci-0000:03:00.0-scsi-0:2:24:0",
    "/dev/disk/by-path/pci-0000:03:00.0-scsi-0:2:25:0",
    "/dev/disk/by-path/pci-0000:03:00.0-scsi-0:2:26:0",
    "/dev/disk/by-path/pci-0000:03:00.0-scsi-0:2:27:0",
    "/dev/disk/by-path/pci-0000:03:00.0-scsi-0:2:28:0",
    "/dev/disk/by-path/pci-0000:03:00.0-scsi-0:2:29:0",
    "/dev/disk/by-path/pci-0000:03:00.0-scsi-0:2:30:0",
    "/dev/disk/by-path/pci-0000:03:00.0-scsi-0:2:31:0"
        ]
      }
    }
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