4.3. RHSA-2020:4283: Red Hat OpenStack Platform 16.1.2 の一般提供アドバイザリー
本項に記載するバグは、アドバイザリー RHSA-2020:4283 で対応しています。このアドバイザリーについての詳しい情報は、RHSA-2020:4283 - Security Advisory を参照してください。
バグ修正:
この更新には、完全修飾ドメイン名 (FQDN) に関連する以下のバグ修正パッチが含まれています。
Kaminario のフィックス: unique_fqdn_network オプション
以前のリリースでは、Kaminario ドライバーは特定のドライバーセクションの unique_fqdn_network 設定オプションを受け入れていました。このオプションを移動すると、リグレッションが生じました。パラメーターは、共有設定グループで定義された場合にのみ使用されるようになりました。
このパッチによりリグレッションが解消され、オプションを共有設定グループに加えてドライバー固有のセクションで定義できるようになりました。
HPE 3PAR: ネットワークでの重複した FQDN のサポート
3PAR ドライバーは、ボリュームをマッピングする一意の識別子として、接続を行うノードの FQDN を使用します。
FQDN は常に一意ではないため、環境によっては同じ FQDN が異なるシステムに存在する場合があります。このような場合、両方のシステムがボリュームの接続を試みると、2 番目のシステムは接続に失敗します。
たとえば、仮想マシンが controller-.localdomain や compute-0.localdomain 等の名前を共有する QA 環境で、このような状況が発生する可能性があります。
このパッチにより 3PAR ドライバーに
unique_fqdn_network
設定オプションが追加され、システム間で名前が重複することで問題が生じるのを防ぐことができるようになりました。(BZ#1721361) (BZ#1721361)
今回の更新で、RHOSP 16 で Brocade FCZM ドライバーを実行できるようになりました。
Brocade FCZM のベンダーは Python 3 向けにドライバーを更新しない決定を下し、OpenStack の Train リリース以降ドライバーのサポートを終了しました [1]。Red Hat OpenStack (RHOSP) 16 は Python 3.6 を使用します。
アップストリームの Cinder コミュニティーはベストエフォートベースで Brocade FCZM ドライバーの維持を引き継ぎ、Python 3 環境 (したがって RHOSP 16 ) での Brocade FCZM の動作を妨げていたバグが修正されています。
[1] https://docs.broadcom.com/doc/12397527 (BZ#1848420)
今回の更新で、VxFlexOS cinder バックエンドでボリュームの接続に失敗する原因となっていた問題が解決されました。
以前のリリースでは、VxFlexOS バックエンドの cinder ドライバーにボリュームに接続するのに必要なすべての情報が含まれないため、VxFlexOS cinder バックエンドでボリュームを接続する試みが失敗していました。
ボリュームに接続するのに必要なすべての情報が含まれるように、VxFlexOS cinder ドライバーが更新されました。接続が正常に機能するようになりました。(BZ#1862213)
- 今回の機能拡張により、Block Storage (cinder) RBD ドライバーでスナップショットの状態に戻す機能がサポートされるようになりました。(BZ#1702234)
Red Hat OpenStack Platform 16.1 では、以下のように PowerMax ドライバーが更新されています。
機能の更新:
- PowerMax ドライバー: Unisphere のストレージグループ/配列タグ付けのサポート
- PowerMax ドライバー: 短いホスト名およびポートグループ名の上書き
- PowerMax ドライバー: SRDF の機能拡張
PowerMax ドライバー: 複数レプリケーションのサポート
バグ修正:
- PowerMax ドライバー: デバッグメタデータの修正
- PowerMax ドライバー: ボリュームグループ削除の失敗
- PowerMax ドライバー: 最低 Unisphere バージョン 9.1.0.5 の設定
- PowerMax ドライバー: 非管理スナップショット削除の修正
- PowerMax ドライバー: RDF snapvx ターゲット消去の修正
- PowerMax ドライバー: 管理可能ボリューム取得の修正
- PowerMax ドライバー: ボリューム拡張情報の出力
- PowerMax ドライバー: レガシーボリュームの欠如
- PowerMax ドライバー: 使用中のレプリカ済みモードへの種別変更禁止
- PowerMax ドライバー: レプリケーション配列シリアル番号の確認
- PowerMax ドライバー: 複数レプリケーションのサポート
- PowerMax ドライバー: シングルアンダースコアの更新
- PowerMax ドライバー: SRDF レプリケーションの修正
- PowerMax ドライバー: レプリケーションメタデータの修正
- PowerMax ドライバー: レプリケーションデバイスの制限
- PowerMax ドライバー: グループのデフォルトボリューム種別の許可
- PowerMax ドライバー: バージョン比較の修正
- PowerMax ドライバー: RepConfig ログの接続解除および種別変更時リモートボリュームへの名称変更の修正
- PowerMax ドライバー: エミュレーション種別ボリューム管理の確認
- PowerMax ドライバー: ボリュームが含まれるグループの削除
- PowerMax ドライバー: PowerMax プールの修正
- PowerMax ドライバー: RDF ステータスの検証
PowerMax ドライバー: 同時ライブマイグレーションの失敗
- PowerMax ドライバー: ライブマイグレーション時ストレージグループからのレプリケーション可能ボリュームの削除
- PowerMax ドライバー: U4P フェイルオーバー時例外ロックの非リリース
- PowerMax ドライバー: 圧縮変更に関するバグの修正 (BZ#1808583)
今回の更新以前は、Block Storage サービス (cinder) は、ボリューム種別を指定する代替方法を無視して
volume create
要求のデフォルトボリューム種別を割り当てていました。今回の更新により、Block Storage サービスは予想どおりに機能するようになりました。
-
要求で
source_volid
を指定した場合、Block Storage サービスはボリューム種別にソースボリュームのボリューム種別を設定します。 -
要求で
snapshot_id
を指定した場合、ボリューム種別にはスナップショットのボリューム種別が設定されます。 要求で
imageRef
を指定し、イメージがcinder_img_volume_type
イメージ属性を持つ場合、ボリューム種別にはイメージ属性の値が設定されます。それ以外の場合は、Block Storage サービスはボリューム種別に定義されたデフォルトのボリューム種別を設定します。ボリューム種別を設定しない場合、Block Storage サービスはシステムのデフォルトボリューム種別である
DEFAULT
を使用します。ボリューム種別を
volume create
要求で明示的に指定した場合、Block Storage サービスは指定された種別を使用します。(BZ#1826741)
-
要求で
- 今回の更新以前は、スナップショットからボリュームを作成した場合、Block Storage サービス (cinder) はスナップショットから正しいボリューム種別を推測せずに、デフォルトのボリューム種別を新規ボリュームに割り当てようとするため、操作が失敗する可能性がありました。今回の更新で、ボリュームの作成時にボリューム種別を指定する必要がなくなりました。(BZ#1843789)
今回の機能拡張により、Dell EMC PowerStore 用の新しいドライバーが追加され、Block Storage サービスのバックエンドサーバーがサポートされるようになりました。新しいドライバーは FC プロトコルおよび iSCSI プロトコルをサポートし、以下の機能を備えています。
- ボリュームの作成および削除
- ボリュームの接続および切断
- スナップショットの作成および削除
- スナップショットからのボリュームの作成
- ボリュームに関する統計値の取得
- ボリュームへのイメージのコピー
- イメージへのボリュームのコピー
- ボリュームのクローン作成
- ボリュームの拡張
- スナップショットへのボリュームの復帰 (BZ#1862541)