D.8. ネットワークサービス


本セクションのプローブはネットワークが機能するのに欠かせない各種サービスを監視します。これらのプローブを適用する際は、時間設定したしきい値がタイムアウト期間に割り当てている時間を超えないようにしてください。 タイムアウト期間を過ぎるとすべて待ち時間超過となり「不明」 (UNKNOWN) 状態が返されるため、 しきい値を設定する意味がなくなります。

D.8.1. ネットワークサービス::DNS ルックアップ

ネットワークサービス::DNS ルックアップのプローブは dig コマンドを使って 検索するホストまたはアドレス フィールドに指定したシステムまたはドメイン名を解決できるかどうか確認します。 このプローブは次のような指標を収集します。
  • クエリ時間 — dig 要求の実行に要するミリ秒単位の時間です。
DNS サーバーの状態を監視する場合に役立ちます。 ご使用の DNS サーバーのひとつを監視するには、 大規模な検索エンジンや企業の Web サイトなどよく知られているホストまたはドメイン名を入力してください。
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表D.37 「ネットワークサービス::DNS ルックアップ」の設定
フィールド
検索するホストまたはアドレス
タイムアウト* 10
重大レベルの最大クエリ時間 (Critical Maximum Query Time)
警告レベルの最大クエリ時間 (Warning Maximum Query Time)

D.8.2. ネットワークサービス::FTP

ネットワークサービス::FTP のプローブはネットワークソケットを使って FTP ポートが使用できるかテストを行います。 このプローブは次のような指標を収集します。
  • リモートサービス待ち時間 — FTP サーバーが接続要求の応答に要する時間を秒単位で示します。
このプローブは認証に対応しています。 この機能を使用する場合は該当のフィールドにユーザー名とパスワードを入力します。 オプションの 期待 値は FTP サーバーに接続が成功したら合致させる文字列です。 期待文字列が見つからない場合、 プローブは「重大」(CRITICAL) 状態を返してきます。
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表D.38 「ネットワークサービス::FTP」の設定
フィールド
期待 FTP
ユーザー名
パスワード
FTP ポート* 21
タイムアウト* 10
重大レベルの最大リモートサービス待ち時間 (Critical Maximum Remote Service Latency)
警告レベルの最大リモートサービス待ち時間 (Warning Maximum Remote Service Latency)

D.8.3. ネットワークサービス::IMAP メール

ネットワークサービス::IMAP メールのプローブはシステム上の IMAP 4 サービスに接続できるかを確認します。 オプションのポートを指定するとデフォルトのポート 143 は無視されます。 このプローブは次のような指標を収集します。
  • リモートサービスの待ち時間 — IMAP サーバーが接続要求の応答に要する時間を秒単位で示します。
必須の 期待 値は IMAP サーバーに正常に接続されたら合致させる文字列です。 予期文字列が見つからない場合、 プローブは「重大」(CRITICAL) 状態を返してきます。
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表D.39 「ネットワークサービス::IMAP メール」の設定
フィールド
IMAP ポート* 143
期待* OK
タイムアウト* 5
重大レベルの最大リモートサービス待ち時間 (Critical Maximum Remote Service Latency)
警告レベルの最大リモートサービス待ち時間 (Warning Maximum Remote Service Latency)

D.8.4. ネットワークサービス::メール転送 (SMTP)

ネットワークサービス::メール転送 (SMTP) のプローブはシステム上の SMTP ポートに接続できるかを確認します。 オプションのポート番号を指定するとデフォルトのポート番号 25 は無視されます。 このプローブは次のような指標を収集します。
  • リモートサービスの待ち時間 — SMTP サーバーが接続要求の応答に要する時間を秒単位で示します。
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表D.40 「ネットワークサービス::メール転送 (SMTP)」の設定
フィールド
SMTP ポート* 25
タイムアウト* 10
重大レベルの最大リモートサービス待ち時間 (Critical Maximum Remote Service Latency)
警告レベルの最大リモートサービス待ち時間 (Warning Maximum Remote Service Latency)

D.8.5. ネットワークサービス::Ping

ネットワークサービス::Ping のプローブは RHN サーバーが監視しているシステムまたは指定 IP アドレスに ping できるか確認します。 また、 パケットの紛失をチェックして「警告」または「重大」のしきい値レベルに対する往復の平均を比較します。 必須の 送信するパケット 値によりシステムに送信する ICMP ECHO パケットの数を制御できます。 このプローブは次のような指標を収集します。
  • 往復平均時間 — ICMP ECHO パケットが監視しているシステムを往復する時間をミリ秒単位で示します。
  • パケットの紛失 — 通信中に紛失したデータの割合です。
オプションですが、 IP アドレス フィールドは複数の IP アドレスを持つシステム群の指標を収集するのに役立ちます。 例えば、 システムが複数の仮想 IP アドレスで設定されている、 または内部 IP アドレスと外部 IP アドレスに対応するよう NAT (Network Address Translation) を使用している場合、 このオプションを使用するとホスト名に関連付けられた第 1 アドレスではなく第 2 アドレスをチェックすることができます。
このプローブは RHN サーバーからの ping を行ないます。 監視しているシステムからの ping ではないため注意してください。 IP アドレスのフィールドを入力すると、 システムと 指定 IP アドレス間の接続性ではなく RHN サーバーと IP アドレス間の接続性を検証します。 したがって、 別々のシステムで Ping プローブに同じ IP アドレスを入力してもまったく同じ作業を行なっていることになります。 監視しているシステムから個別の IP アドレスに ping を行なうには、 リモート Ping プローブを使用します。 「ネットワークサービス::リモート Ping」 を参照してください。
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表D.41 「ネットワークサービス::Ping」の設定
フィールド
IP アドレス (デフォルト設定はシステムの IP)
送信するパケット* 20
タイムアウト* 10
重大レベルの最大往復平均 (Critical Maximum Round-Trip Average)
警告レベルの最大往復平均 (Warning Maximum Round-Trip Average)
重大レベルの最大パケット紛失 (Critical Maximum Packet Loss)
警告レベルの最大パケット紛失 (Warning Maximum Packet Loss)

D.8.6. ネットワークサービス::POP メール

ネットワークサービス::POP メールのプローブはシステム上の POP3 ポートに接続できるかを確認します。 ポート番号を指定する必要があります。 別のポート番号を指定するとデフォルトのポート 110 は無視されます。 このプローブは次のような指標を収集します。
  • リモートサービスの待ち時間 — POP サーバーが接続要求の応答に要する時間を秒単位で示します。
必要となる 期待 値は POP サーバーに正常に接続されたら合致させる文字列です。このプローブはシステムからの応答の冒頭行で文字列を検索します。デフォルトは +OK です。予期文字列が見つからない場合、プローブは「重大」(CRITICAL) 状態を返してきます。
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表D.42 「ネットワークサービス::POP メール」の設定
フィールド
ポート* 110
期待* +OK
タイムアウト* 10
重大レベルの最大リモートサービス待ち時間 (Critical Maximum Remote Service Latency)
警告レベルの最大リモートサービス待ち時間 (Warning Maximum Remote Service Latency)

D.8.7. ネットワークサービス::リモート Ping

ネットワークサービス::リモート Ping プローブは監視しているシステムが指定 IP アドレスに ping できるかを確認します。 また、 パケットの紛失を監視して「警告」または「重大」レベルのしきい値に対して往復平均を比較します。 必要となる 送信するパケット によりこのアドレスに送信する ICMP ECHO パケットの数を制御できます。 このプローブは次のような指標を収集します。
  • 往復平均 — ICMP ECHO パケットが IP アドレスを往復する時間をミリ秒単位で示します。
  • パケットの紛失 — 通信中に紛失したデータの割合です。
IP アドレス フィールドには ping を行う正確なアドレスを指定します。 標準の Ping プローブにある良く似たオプションのフィールドとは異なり、 このフィールドは必須になります。 監視しているシステムが RHN サーバーではなく 3 番目のアドレスに Ping を行います。 リモート Ping のプローブは監視しているシステムからの接続性を検証するため、 別の IP アドレスを指定する必要があります。 RHN サーバーから任意のシステムまたは IP アドレスに ping を行なう場合は標準の Ping プローブを使用します。 「ネットワークサービス::Ping」 を参照してください。
要件 — このプローブを実行するには監視しているシステムで Red Hat Network Monitoring Daemon (rhnmd) が実行していなければなりません。
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表D.43 「ネットワークサービス::リモート Ping」の設定
フィールド
IP アドレス*
送信するパケット* 20
タイムアウト* 10
重大レベルの最大往復平均 (Critical Maximum Round-Trip Average)
警告レベルの最大往復平均 (Warning Maximum Round-Trip Average)
重大レベルの最大パケット紛失 (Critical Maximum Packet Loss)
警告レベルの最大パケット紛失 (Warning Maximum Packet Loss)

D.8.8. ネットワークサービス::RPC サービス

ネットワークサービス::RPC サービス のプローブは特定の IP アドレスで RPC プログラム (リモートプロシージャコール) が使用できるかをテストします。 このプローブは次のような指標を収集します。
  • リモートサービスの待ち時間 — RPC サーバーが接続要求の応答に要する時間を秒単位で示します。
RPC ネットワーク経由で関数呼び出しを提供する RPC サーバープログラムは、 プログラム ID とプログラム名を示して RPC ネットワーク内のそのプログラム自体を登録します。 RPC のメカニズムで機能するサービスの一例として NFS があります。
RPC サーバープログラムのリソースを使用しようとしているクライアントプログラムは、 サーバープログラムがあるマシンにその RPC プログラム番号またはプログラム名内の RPC 関数へのアクセスを提供するよう求めることでこれを行ないます。 この交信は TCP または UDP 経由で行なわれます (ただし、ほとんどの場合 UDP)。
このプローブではシンプルなプログラムの可用性を検証することができます。 プログラム名またはプログラム番号、 交信が行なわれるプロトコル、 通常のタイムアウト期間を指定する必要があります。
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表D.44 「ネットワークサービス::RPC サービス」の設定
フィールド
プロトコル (TCP/UDP) udp
サービス名* nfs
タイムアウト* 10
重大レベルの最大リモートサービス待ち時間 (Critical Maximum Remote Service Latency)
警告レベルの最大リモートサービス待ち時間 (Warning Maximum Remote Service Latency)

D.8.9. ネットワークサービス::セキュア Web サーバー (HTTPS)

ネットワークサービス::セキュア Web サーバー (HTTPS) のプローブはセキュア Web サーバーが使用できるかを確認して次のような指標を収集します。
  • リモートサービスの待ち時間 — HTTPS サーバーが接続要求の応答に要する時間を秒単位で示します。
このプローブは指定したホストで HTTPS ポートに接続できることを確認し指定された URL を読み出します。 URL が指定されていない場合、 プローブは root ドキュメントを取り込みます。 値を変更しない限り、 プローブはシステムから HTTP/1. メッセージを検索します。 別のポート番号を指定するとデフォルトのポート 443 は無視されます。
このプローブは認証に対応しています。 この機能を使用するには、該当のフィールドにユーザー名とパスワードを入力します。 他のほとんどのプローブとは異なり、 このプローブはタイムアウト期間内にシステムにコンタクトできないと「重大」(CRITICAL) 状態を返してきます。
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表D.45 「ネットワークサービス::セキュア Web サーバー (HTTPS)」の設定
フィールド
URL パス /
期待ヘッダ HTTP/1
期待内容
ユーザーエージェント* NOCpulse-check_http/1.0
ユーザー名
パスワード
タイムアウト* 10
HTTPS ポート* 443
重大レベルの最大リモートサービス待ち時間 (Critical Maximum Remote Service Latency)
警告レベルの最大リモートサービス待ち時間 (Warning Maximum Remote Service Latency)

D.8.10. ネットワークサービス::SSH

ネットワークサービス::SSH のプローブは指定したポート上で SSH が使用できるかを確認して次のような指標を収集します。
  • リモートサービスの待ち時間 — SSH サーバーが接続要求の応答に要する時間を秒単位で示します。
正常に SSH サーバーにコンタクトして有効な応答を受け取ると、 プローブはそのプロトコルとサーバーのバージョン情報を表示します。 プローブが無効な応答を受け取ると、 サーバーから返されたメッセージを表示して、「警告」(WARNING) 状態を生成します。
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表D.46 「ネットワークサービス::SSH」の設定
フィールド
SSHポート* 22
タイムアウト* 5
重大レベルの最大リモートサービス待ち時間 (Critical Maximum Remote Service Latency)
警告レベルの最大リモートサービス待ち時間 (Warning Maximum Remote Service Latency)

D.8.11. ネットワークサービス::Web サーバー (HTTP)

ネットワークサービス::Web サーバー (HTTP) のプローブは Web サーバーが使用できるかを確認して次のような指標を収集します。
  • リモートサービスの待ち時間 — HTTP サーバーが接続要求の応答に要する時間を秒単位で示します。
このプローブは指定されたホストで HTTP ポートに接続できることを確認して指定された URL を読み出します。 URL が指定されていないと、 プローブは root ドキュメントを取り込みます。 値を変更しない限りプローブはシステムから HTTP/1. メッセージを検索します。 別のポート番号を指定するとデフォルトのポート 80 は無視されます。 他のほとんどのプローブと異なり、 このプローブはタイムアウト期間内にシステムにコンタクトできないと「重大」(CRITICAL) 状態を返します。
このプローブは認証に対応しています。 この機能を使用するには、適切なフィールドにユーザー名とパスワードを入力します。 また、 オプションの仮想ホストフィールドはスタンドアローンのサーバーとして表示される物理的に同じマシンにある別のドキュメントセットを監視する場合に使用できます。 Web サーバーが仮想ホストを使用するよう設定されていない場合 (一般的なケース) はこのフィールドは空白のままにしておいてください。 仮想ホストを設定している場合は、 ここに第 1 ホストのドメイン名を入力します。 マシン上の仮想ホストをすべて監視するのに必要なだけプローブを追加します。
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表D.47 「ネットワークサービス::Web サーバー (HTTP)」の設定
フィールド
URL パス /
仮想ホスト
期待ヘッダ HTTP/1
期待内容
ユーザーエージェント* NOCpulse-check_http/1.0
ユーザー名
パスワード
タイムアウト* 10
HTTP ポート* 80
重大レベルの最大リモートサービス待ち時間 (Critical Maximum Remote Service Latency)
警告レベルの最大リモートサービス待ち時間 (Warning Maximum Remote Service Latency)
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