25.2.2. FCP LUN の永続的なアクティブ化

上記では、実行中のシステムで FCP LUN を動的にアクティベートする手順を説明しています。しかし、そのような変更は永続的ではなく再起動後には維持されません。Linux システムにおいて FCP 設定の変更を永続化する方法は、FCP LUN がルートファイルシステムに属しているかどうかによって異なります。root ファイルシステムに必要な FCP LUN は、ブートプロセスの初期段階で initramfs でアクティベートして、root ファイルシステムをマウントできるようにする必要があります。cio_ignore は永続的なデバイス設定に対して透過的に処理されるため、無視する一覧からデバイスを手動で解放する必要はありません。

25.2.2.1. ルートファイルシステムの一部である FCP LUN

Root ファイルシステムに含まれる FCP LUN を追加するために変更を加える必要のあるファイルは /etc/zipl.conf です。その後に、zipl ブートローダーツールを実行します。initramfs を再作成する必要はありません。
Red Hat Enterprise Linux は、ブートプロセスの初期段階で FCP LUN をアクティベートするパラメーター( rd_ZFCP=この値は、コンマで区切ったデバイスバス ID、0x で始まる 16 進法の 16 桁の数字の WWPN、および 0x で始まり 16 進法の 16 桁の数字の右側にゼロが列記される FCP LUN から設定されます。
以下に zipl.conf の例を示します。これは、LVM ボリュームグループ vg_devel1 向けの 2 つの FCP LUN のパーティション上にある物理ボリュームを使用するシステム用で、この LVM ボリュームグループにはルートファイルシステム用の lv_root が含まれています。分かりやすくするため、この例ではマルチパスなしの設定となっています。
[defaultboot]
default=linux
target=/boot/
[linux]
image=/boot/vmlinuz-2.6.32-19.el6.s390x
ramdisk=/boot/initramfs-2.6.32-19.el6.s390x.img
parameters="root=/dev/mapper/vg_devel1-lv_root
rd_ZFCP=0.0.fc00,0x5105074308c212e9,0x401040a000000000
rd_ZFCP=0.0.fc00,0x5105074308c212e9,0x401040a100000000
rd_LVM_LV=vg_devel1/lv_root rd_NO_LUKS rd_NO_MD rd_NO_DM LANG=en_US.UTF-8
SYSFONT=latarcyrheb-sun16 KEYTABLE=us cio_ignore=all,!0.0.0009"
デバイスバス ID 0.0.fc00、WWPN 0x5105074308c212e9 および FCP LUN 0x401040a300000000 を持つ 3 番目の FCP LUN のパーティションに別の物理ボリュームを追加するには、以下のように rd_ZFCP=0.0.fc00,0x5105074308c212e9,0x401040a300000000zipl.conf のブートカーネルのパラメーター行に追加します。以下に例を示します。
[defaultboot]
default=linux
target=/boot/
[linux]
image=/boot/vmlinuz-2.6.32-19.el6.s390x
ramdisk=/boot/initramfs-2.6.32-19.el6.s390x.img
parameters="root=/dev/mapper/vg_devel1-lv_root
rd_ZFCP=0.0.fc00,0x5105074308c212e9,0x401040a000000000
rd_ZFCP=0.0.fc00,0x5105074308c212e9,0x401040a100000000
rd_ZFCP=0.0.fc00,0x5105074308c212e9,0x401040a300000000
rd_LVM_LV=vg_devel1/lv_root rd_NO_LUKS rd_NO_MD rd_NO_DM LANG=en_US.UTF-8
SYSFONT=latarcyrheb-sun16 KEYTABLE=us cio_ignore=all,!0.0.0009"
zipl を実行して次回の IPL に /etc/zipl.conf の変更を適用します。
# zipl -V
Using config file '/etc/zipl.conf'
Target device information
Device..........................: 08:00
Partition.......................: 08:01
Device name.....................: sda
Device driver name..............: sd
Type............................: disk partition
Disk layout.....................: SCSI disk layout
Geometry - start................: 2048
File system block size..........: 4096
Physical block size.............: 512
Device size in physical blocks..: 10074112
Building bootmap in '/boot/'
Building menu 'rh-automatic-menu'
Adding #1: IPL section 'linux' (default)
kernel image......: /boot/vmlinuz-2.6.32-19.el6.s390x
kernel parmline...: 'root=/dev/mapper/vg_devel1-lv_root rd_ZFCP=0.0.fc00,0x5105074308c212e9,0x401040a000000000 rd_ZFCP=0.0.fc00,0x5105074308c212e9,0x401040a100000000 rd_ZFCP=0.0.fc00,0x5105074308c212e9,0x401040a300000000 rd_LVM_LV=vg_devel1/lv_root rd_NO_LUKS rd_NO_MD rd_NO_DM LANG=en_US.UTF-8 SYSFONT=latarcyrheb-sun16 KEYTABLE=us cio_ignore=all,!0.0.0009'
initial ramdisk...: /boot/initramfs-2.6.32-19.el6.s390x.img
component address:
kernel image....: 0x00010000-0x007a21ff
parmline........: 0x00001000-0x000011ff
initial ramdisk.: 0x02000000-0x028f63ff
internal loader.: 0x0000a000-0x0000a3ff
Preparing boot device: sda.
Detected SCSI PCBIOS disk layout.
Writing SCSI master boot record.
Syncing disks...
Done.
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