D.2. レプリカの作成
以下のセクションでは、最も注目すべきレプリカのインストールシナリオを説明します。
- 手順と例は合わせて使用してください。CA、DNS、およびその他のコマンドラインオプションを同時に使用できます。以下のセクションの例は、各設定エリアに必要なものを明確にするために、別々に説明します。
ipa-replica-install
ユーティリティーは、他の多くのオプションも受け付けます。完全なリストについては、ipa-replica-install(1) の man ページ。
D.2.1. DNS を使用しないレプリカのインストール リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
- マスターの IdM サーバーで、
ipa-replica-prepare
ユーティリティーを実行し、レプリカ マシンの完全修飾ドメインネーム (FQDN) を追加します。レプリカの IP アドレスに他のサーバーが到達できないと、ipa-replica-prepare
スクリプトは、その IP アドレスの確認や検証を実行しないことに注意してください。重要.company など、単一ラベルのドメイン名を使用しないでください。IdM ドメインは、トップレベルドメインと、1 つ以上のサブドメイン (example.com や company.example.com など) で設定する必要があります。完全修飾ドメイン名は、以下の条件を満たす必要があります。- 数字、アルファベット文字、およびハイフン (-) のみが使用される有効な DNS 名である。ホスト名でアンダーライン (_) を使用すると DNS が正常に動作しません。
- すべてが小文字である。大文字は使用できません。
- 完全修飾ドメイン名は、ループバックアドレスを解決できません。
127.0.0.1
ではなく、マシンの公開 IP アドレスを解決する必要があります。
その他の推奨命名プラクティスは『Red Hat Enterprise Linux Security Guide』のRecommended Naming Practicesを参照してください。マスターサーバーが統合 DNS で設定されている場合は、--ip-address
でレプリカマシンの IP アドレスを指定します。インストールスクリプトは、レプリカの逆引きゾーンを設定するかどうかを尋ねられます。IdM サーバーが統合 DNS で設定されている場合に限り、--ip-address
を渡します。これ以外の場合にこのオプションを渡すと、更新する DNS レコードが存在しないため、DNS レコード操作が失敗して、レプリカ作成も失敗することになります。プロンプトが表示されたら、初期マスターサーバーの DM (Directory Manager) パスワードを入力します。ipa-replica-prepare
の出力には、レプリカインフォメーションファイルの場所が表示されます。以下に例を示します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 警告レプリカ情報ファイルには機密情報が含まれています。適切な措置を講じてこの情報を保護してください。ipa-replica-prepare
に追加できるその他のオプションは、ipa-replica-prepare(1) の man ページを参照してください。 - レプリカマシンで、ipa-server パッケージをインストールします。
yum install ipa-server
[root@replica ~]# yum install ipa-server
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 初期サーバーからレプリカ情報ファイルを、レプリカマシンにコピーします。
scp /var/lib/ipa/replica-info-replica.example.com.gpg root@replica:/var/lib/ipa/
[root@server ~]# scp /var/lib/ipa/replica-info-replica.example.com.gpg root@replica:/var/lib/ipa/
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - レプリカマシンで、
ipa-replica-install
ユーティリティーを実行し、レプリカ情報ファイルの場所を追加して、レプリカの初期化プロセスを開始します。プロンプトが表示されたら、元のマスターサーバーの Directory Manager と admin のパスワードを入力し、レプリカのインストールスクリプトが完了するまで待ちます。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記インストールするレプリカファイルが現在のホスト名と一致しない場合は、レプリカのインストールスクリプトにより警告メッセージが表示され、確認するように求められます。場合によっては、マルチホームマシンなど、一致しないホスト名で続行することを確認できます。ipa-replica-install
に追加できるコマンドラインオプションは、ipa-replica-prepare(1) man ページを参照してください。--ip-address
で使用できるオプションの 1 つにipa-replica-install
オプションがあります。ipa-replica-install
に追加すると、--ip-address
は、ローカルインターフェイスに関連付けられた IP アドレスだけを許可します。
D.2.2. DNS のあるレプリカのインストール リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
統合 DNS のあるレプリカをインストールするには、「DNS を使用しないレプリカのインストール」で説明されている DNS を使用せずにインストールする手順に従いますが、以下のオプションを
ipa-replica-install
に追加します。
--setup-dns
--forwarder
詳細は「DNS のあるレプリカのインストール」を参照してください。
以下に例を示します。
ipa-replica-install /var/lib/ipa/replica-info-replica.example.com.gpg --setup-dns --forwarder 198.51.100.0
[root@replica ~]# ipa-replica-install /var/lib/ipa/replica-info-replica.example.com.gpg --setup-dns --forwarder 198.51.100.0
ipa-replica-install
の実行後に、適切な DNS エントリーが作成されたことを確認し、必要に応じて他の DNS サーバーをバックアップサーバーとして追加します。詳細は「DNS のあるレプリカのインストール」を参照してください。
D.2.3. さまざまな CA 設定を使用したレプリカのインストール リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
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警告
Red Hat は、複数のサーバーに CA サービスをインストールすることを強く推奨します。CA サービスを含む初期サーバーのレプリカのインストールは、「CA のあるレプリカのインストール」 を参照してください。
CA を 1 台のサーバーにのみインストールすると、CA サーバーが失敗した場合に CA 設定を復元できる機会なしに CA 設定が失われるリスクがあります。詳細は「失われた CA サーバーの復旧」を参照してください。
証明書システム CA がインストールされているサーバーからのレプリカのインストール
初期サーバーを、統合 Red Hat 証明書システムインスタンスで設定する際に、レプリカに CA を設定するには (ルート CA であるかどうか、外部 CA の下位にあるかどうかに関係なく)、「DNS を使用しないレプリカのインストール」で説明されている基本的なインストール手順に従いますが、
ipa-replica-install
ユーティリティーに --setup-ca
を追加します。--setup-ca
オプションは、最初のサーバーの設定から CA 設定をコピーします。
ipa-replica-install /var/lib/ipa/replica-info-replica.example.com.gpg --setup-ca
[root@replica ~]# ipa-replica-install /var/lib/ipa/replica-info-replica.example.com.gpg --setup-ca
証明書システム CA がインストールされていないサーバーからのレプリカのインストール
CA なしのレプリカのインストールでは、「DNS を使用しないレプリカのインストール」で説明されている基本的な手順に従いますが、最初のサーバーで
ipa-replica-prepare
ユーティリティーを実行する場合は次のオプションを追加します。
--dirsrv-cert-file
--dirsrv-pin
--http-cert-file
--http-pin
詳細は「CA のないサーバーからのレプリカのインストール」を参照してください。
以下に例を示します。
ipa-replica-prepare replica.example.com --dirsrv-cert-file /tmp/server.key --dirsrv-pin secret --http-cert-file /tmp/server.crt --http-cert-file /tmp/server.key --http-pin secret --dirsrv-cert-file /tmp/server.crt
[root@server ~]# ipa-replica-prepare replica.example.com --dirsrv-cert-file /tmp/server.key --dirsrv-pin secret --http-cert-file /tmp/server.crt --http-cert-file /tmp/server.key --http-pin secret --dirsrv-cert-file /tmp/server.crt
D.2.4. 追加のレプリカ合意の追加 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
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ipa-replica-install
を使用してレプリカをインストールすると、マスターサーバーとレプリカとの間に初期のレプリカ合意が作成されます。レプリカを別のサーバーまたはレプリカに接続するには、ipa-replica-manage
ユーティリティーを使用して合意を追加します。
マスターサーバーと新しいレプリカに CA がインストールされている場合は、CA のレプリカ合意も作成されます。別のサーバーまたはレプリカに CA レプリカ合意を追加するには、
ipa-csreplica-manage
ユーティリティーを使用します。
別のレプリカ合意を追加する方法は、「レプリカおよびレプリカ合意の管理」 を参照してください。