第17章 ホストおよびサービスへのアクセス委譲
本章のコンテキストで 管理するとは、別のホストまたはサービスのキータブと証明書を取得できることを意味します。すべてのホストとサービスには
managedby
エントリーがあり、これにホストやサービスが管理可能なものが記載されています。デフォルトでは、ホストはホスト自体とそのサービスすべてを管理できます。また、適切な委譲更新や、適切な managedby
エントリーを指定して、ホストが他のホストや他のホスト上のサービスを管理できるようにすることも可能です。
IdM サービスは、そのサービスへのアクセス許可が付与、もしくは委譲 されている IdM ホストであれば、どのホストからでも管理できます。同様に、ホストにはドメイン内の他のホストへの許可を委譲できます。
図17.1 ホストおよびサービスの委譲
注記
managedBy エントリーで別のホストに権限が委譲されている場合に、そのホスト上の全サービスの管理を委譲されたわけではありません。委譲は個別に行われる必要があります。
17.1. サービス管理の委譲 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
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service-add-host ユーティリティーを使用してサービスの制御をホストに委譲します。
ipa service-add-host principal --hosts=hostname
# ipa service-add-host principal --hosts=hostname
サービスを委譲するには、2 つの部分があります。
- principal 引数を使用したプリンシパルの指定
--hosts
オプションを使用して、制御でホストを特定します。
以下に例を示します。
ipa service-add HTTP/web.example.com ipa service-add-host HTTP/web.example.com --hosts=client1.example.com
[root@server ~]# ipa service-add HTTP/web.example.com
[root@server ~]# ipa service-add-host HTTP/web.example.com --hosts=client1.example.com
ホストに権限が委譲されると、ホストプリンシパルを使用してサービスを管理できます。
kinit -kt /etc/krb5.keytab host/client1.example.com ipa-getkeytab -s server.example.com -k /tmp/test.keytab -p HTTP/web.example.com
[root@client1 ~]# kinit -kt /etc/krb5.keytab host/client1.example.com
[root@client1 ~]# ipa-getkeytab -s server.example.com -k /tmp/test.keytab -p HTTP/web.example.com
Keytab successfully retrieved and stored in: /tmp/test.keytab
このサービスのチケットを作成するには、委譲された認証局を使用してホストで証明書要求を作成します。
cert-request ユーティリティーを使用してサービスエントリーを作成し、認定情報を読み込みます。
証明書要求の作成と ipa cert-request の使用方法は、「ユーザー、ホスト、またはサービスの新規証明書の要求」 を参照してください。