4.12. 動的プログラミング言語、Web サーバー、およびデータベースサーバー
新しいモジュールストリーム: php:8.0
RHEL 8.6 は PHP 8.0
を追加します。これにより、バージョン 7.4 に比べて多くのバグ修正と機能拡張が提供されます。
主な機能拡張は、次のとおりです。
- 新しい名前付き引数は順序に依存せず、自己ドキュメント化されており、必要なパラメーターのみを指定できるようになりました。
- 新しい属性により、PHP のネイティブ構文で構造化メタデータを使用できます。
- 新しいユニオンタイプにより、複数のタイプの組み合わせに対して、PHPDoc アノテーションの代わりに実行時に検証されるネイティブのユニオンタイプ宣言を使用できます。
- 内部関数は、パラメーターの検証に失敗した場合に警告ではなく、Error 例外を常に発生させるようになりました。
- Just-In-Time コンパイルにより、パフォーマンスが向上しました。
-
PHP の
Xdebug
デバッグおよび生産性拡張機能がバージョン 3 に更新されました。このバージョンでは、Xdebug 2
と比較した機能および設定に大きな変更が加えられました。
php:8.0
モジュールストリームをインストールするには、以下を実行します。
# yum module install php:8.0
php:7.4
ストリームからアップグレードする場合は、後続のストリームへの切り替え を参照してください。
RHEL 8 での PHP の使用方法の詳細は、PHP スクリプト言語の使用 を参照してください。
(BZ#1978356、BZ#2027285)
新しいモジュールストリーム: perl:5.32
RHEL 8.6 では Perl 5.32
が導入されており、RHEL 8.3 で配布されている Perl 5.30
に比べて多くのバグ修正と機能拡張が提供されています。
主な機能強化は、次のとおりです。
-
Perl
が unicode バージョン 13.0 に対応しました。 -
qr
qoute-like 演算子が強化されました。 -
POSIX::mblen()
、mbtowc
、wctomb
関数がシフト状態のロケールで動作するようになり、ロケールのスレッドセーフ機能を持つプラットフォームで実行した場合に、C99 以上のコンパイラーではスレッドセーフになりました。長さのパラメーターはオプションになりました。 -
新しい実験的な
isa
infix 演算子は、与えられたオブジェクトが、与えられたクラスのインスタンスであるか、そこから派生したクラスであるかをテストします。 - アルファアサーションはもはや実験的なものではありません。
- スクリプトの実行は実験的なものではなくなりました。
- 機能チェックが速くなりました。
-
Perl
は最適化の前にコンパイルされたパターンをダンプできるようになりました。
以前の perl
モジュールストリームからアップグレードするには、後続のストリームへの切り替え を参照してください。
新しいパッケージ: nginx-mod-devel
新しい nginx-mod-devel
パッケージが nginx:1.20
モジュールストリームに追加されました。このパッケージは、nginx
の外部動的モジュールを構築するために、RPM マクロや nginx
ソースコードを含むすべての必要なファイルを提供します。
MariaDB Galera には、garbd
systemd サービスのアップストリームバージョンとラッパースクリプトが含まれるようになりました
RHEL 8 の MariaDB 10.3 および MariaDB 10.5 には、Red Hat バージョンの garbd
systemd サービスと、/usr/lib/systemd/system/garbd.service
ファイルおよび /usr/sbin/garbd-wrapper
ファイルにそれぞれある galera
パッケージのラッパースクリプトが含まれています。
これらのファイルの Red Hat バージョンに加えて、RHEL 8 はアップストリームバージョンも提供するようになりました。アップストリームファイルは、/usr/share/doc/galera/garb-systemd
および /usr/share/doc/galera/garbd.service
にあります。
RHEL 9 は、/usr/lib/systemd/system/garbd.service
および /usr/sbin/garb-systemd
にあるこれらのファイルのアップストリームバージョンのみを提供します。