第1章 概要
1.1. RHEL 8.6 における主な変更点
Security
RHEL 8.6 では、fapolicyd
ポリシーフレームワークである SELinux、および LUKS 暗号化ドライブの自動ロック解除のための Policy-Based Decryption (PBD) が、SAP HANA データベース管理システムをサポートします。詳細については、ナレッジベースの記事である Red Hat Enterprise Linux Security Hardening Guide for SAP HANA 2.0 を参照してください。
fapolicyd
のパッケージがアップストリームバージョン 1.1 にアップグレードされました。その他の改善点の中でも、新しい rules.d/
および trust.d/
ディレクトリー、fagenrules
スクリプト、および fapolicyd-cli
コマンドの新しいオプションを使用できるようになりました。
OpenSSH サーバーは、ドロップイン設定ファイルをサポートするようになりました。
pcsc-lite
パッケージは、多くの機能拡張とバグ修正を提供するアップストリームバージョン 1.9.5 にリベースされました。
これで、semodule
コマンドに新しく追加された --checksum
オプションを使用して、インストールされている SELinux ポリシーモジュールのバージョンを確認できるようになりました。
SCAP セキュリティーガイド (SSG) パッケージはアップストリームバージョン 0.1.60 にリベースされ、OpenSCAP パッケージはアップストリームバージョン 1.3.6 にリベースされました。
詳細は、新機能 - セキュリティー を参照してください。
動的プログラミング言語、Web サーバー、およびデータベースサーバー
以下のコンポーネントの後続のバージョンが、新しいモジュールストリームとして利用できるようになりました。
- PHP 8.0
- Perl 5.32
詳細は、新機能 - 動的プログラミング言語、Web サーバー、およびデータベースサーバー を参照してください。
コンパイラーおよび開発ツール
更新されたコンパイラーツールセット
以下のコンパイラーツールセットが更新されました。
- GCC Toolset 11
- LLVM Toolset 13.0.1
- Rust Toolset 1.58.1
- Go Toolset 1.17.7
詳しくは 新機能 - コンパイラーおよび開発ツール をご覧ください。
RHEL 8 の Java 実装
RHEL 8 AppStream リポジトリーには、以下が含まれます。
-
java-17-openjdk
パッケージ。OpenJDK 17 Java Runtime Environment および OpenJDK 17 Java Software Development Kit を提供します。 -
java-11-openjdk
パッケージ。OpenJDK 11 Java Runtime Environment および OpenJDK 11 Java Software Development Kit を提供します。 -
java-1.8.0-openjdk
パッケージ。OpenJDK 8 Java Runtime Environment および OpenJDK 8 Java Software Development Kit を提供します。
詳細は、OpenJDK のドキュメント を参照してください。
Java ツール
RHEL 8.6 では、新しい log4j:2
モジュールが導入されています。このモジュールには、Java ロギングユーティリティーである Apache Log4j 2
と、さまざまな出力ターゲットにログステートメントを出力できるライブラリーが含まれています。
詳細については、New features - Compilers and development tools を参照してください。
Identity Management
ansible-freeipa
のロールとモジュールが Ansible Automation Hub で利用できるようになりました。これにより、ansible-freeipa
コンテンツの高速更新が提供されます。