8.13. Red Hat Enterprise Linux システムロール


storage ロールが、アンマウントせずにマウントされたファイルシステムのサイズを変更できるようになる

以前は、ファイルシステムがオンラインサイズ変更をサポートしていても、storage ロールはマウントされたデバイスのサイズを変更できませんでした。その結果、storage ロールはサイズ変更の前にすべてのファイルシステムをアンマウントしましたが、実行中のシステムの / ディレクトリーのサイズ変更中など、使用中のファイルシステムでは失敗しました。

この更新により、storage ロールは、XFS や Ext4 などのオンラインサイズ変更をサポートする、マウントされたファイルシステムのサイズ変更をサポートするようになりました。その結果、マウントされたファイルシステムをアンマウントせずにサイズ変更できるようになりました。

Bugzilla:2168738

certificate RHEL システムロールが、新しい証明書要求を実行するかどうかを決定するときに証明書のキーサイズをチェックするようになる

以前は、certificate RHEL システムロールは、新しい証明書を要求するかどうかを評価するときに、証明書のキーサイズをチェックしませんでした。その結果、同ロールは、新しい証明書要求を発行すべき場合に、発行しないことがありました。この更新により、certificatekey_size パラメーターをチェックして、新しい証明書要求を実行する必要があるかどうかを判断するようになりました。

Bugzilla:2186057

rhc ロールを使用して作成された Insights タグが正しく適用されるようになる

以前は、rhc ロールを使用して Insights タグを作成した場合、タグは正しいファイルに保存されませんでした。そのため、タグは Insights に送信されず、その結果、タグは Insights インベントリー内のシステムに適用されませんでした。

この修正により、タグが正しく保存され、Insights インベントリーに存在するシステムに適用されるようになりました。

Bugzilla:2209441

RHEL 7 の firewall RHEL システムロールが存在しない Python パッケージのインストールを試行しなくなる

以前は、RHEL 7 の firewall ロールが別のロールから呼び出され、そのロールが python3 を使用していた場合、firewall ロールはそのバージョンの Python の python3-firewall ライブラリーをインストールしようとしていました。ただし、そのライブラリーは RHEL 7 では利用できません。そのため、python3-firewall ライブラリーが見つからず、次のエラーメッセージが表示されていました。

No package matching 'python3-firewall' found available, installed or updated

今回の更新で、firewall ロールは、python-firewall または python3-firewall ライブラリーのインストールを試行しなくなりました。その結果、マネージドノードに python3 がインストールされている場合、RHEL 7 で firewall ロールは失敗しません。

Bugzilla:2216521

作成前にメンバーディスクからデータを削除できなかった問題が解消される

以前は、RAID ボリュームを作成するときに、システムは RAID ボリュームを形成する前にメンバーディスクから既存のデータを効果的に削除しませんでした。この更新により、RAID ボリュームは必要に応じてメンバーディスクから既存のデータを削除します。

Bugzilla:2224094

podman_registries_conf 変数で unqualified-search-registries フィールドが正しく設定されるようになる

以前は、podman_registries_conf 変数を設定した後、podman RHEL システムロールが失敗していました。その結果、unqualified-search-registries = ["registry.access.redhat.com"] 設定は、/etc/containers/registries.conf.d/50-systemroles.conf ファイルに生成されませんでした。今回の更新で、この問題が修正されています。

Bugzilla:2226077

raid_chunk_size パラメーターがエラーメッセージを返さなくなる

以前は、raid_chunk_size 属性は、RAID プールおよびボリュームに対して許可されていませんでした。この更新により、制限を受けることなく RAID プールおよびボリュームの raid_chunk_size 属性を設定できるようになりました。

Bugzilla:2193057

存在しないサービスを使用して firewall RHEL システムロールをチェックモードで実行しても失敗しなくなる

以前は、存在しないサービスを使用してチェックモードで firewall ロールを実行すると失敗していました。この修正により、チェックモードの Ansible ベストプラクティスへの準拠性が向上しました。その結果、存在しないサービスが有効または無効でも、チェックモードのロールは失敗しなくなりました。代わりに、サービスが以前の Playbook で定義されていることを確認する警告が表示されます。

Bugzilla:2222433

kdump ロールが authorized_keys をべき等性を持たせて追加する

以前は、authorized_key を追加するタスクは毎回余分な改行文字を追加していました。そのため、ロールはべき等性を持ちませんでした。この修正により、新しい authorized_key の追加は正しく機能し、単一のキー値のみをべき等性を持たせて追加します。

Bugzilla:2232391

authorized_keys がない場合も、kdump システムロールが失敗しなくなりました。

以前は、kdump_ssh_user 変数で定義されたユーザーが home ディレクトリー内の .ssh ディレクトリーまたは空の .ssh/authorized_keys ファイルにアクセスできない場合、kdump システムロールは SSH 認可キーを追加できませんでした。この修正により、kdump システムロールは認可されたキーを SSH 設定に正しく追加するようになりました。その結果、キーベースの認証は、説明したシナリオで確実に機能します。

Bugzilla:2232392

firewall RHEL システムロールが、チェックモードで previous: replaced を使用するときに変更を正しく報告するようになる

以前は、previous: replaced ロールは、チェックモードで previous: replaced パラメーターを使用するときに、ファイルの変更についてチェックしていませんでした。その結果、ロールでは未定義の変数に関するエラーが発生しました。この修正により、previous: replaced パラメーターによるファイルの変更を評価する新しいチェック変数がチェックモードに追加されました。firewalld.conf ファイルのチェックでは、rpm データベースを評価して、ファイルがパッケージに同梱されているバージョンから変更されているか判断します。その結果、firewall ロールは、previous: replaced パラメーターを使用する場合、変更を正しく報告するようになりました。

Jira:RHEL-899[1]

システムロールに対して kdump を有効にするには、RHEL 9 以降のバージョンで failure_action 設定パラメーターを使用する必要があります。

以前は、kdump 設定中に default オプションを使用すると成功せず、以下の警告がログに出力されていました。

kdump: warning: option 'default' was renamed 'failure_action' and will be removed in the future.
please update /etc/kdump.conf to use option 'failure_action' instead.

その結果、default オプションが使用されていた場合、ロールは kdump を正常に有効にしませんでした。今回の更新で問題が修正され、failure_action パラメーターを使用して、複数のシステムにカーネルダンプパラメーターを設定できるようになりました。これにより、上述のシナリオで kdump の有効化が正常に機能します。

Jira:RHEL-907[1]

firewall RHEL システムロールが、Network Manager インターフェイスにゾーンを割り当てるときに変更を正しく報告するようになる

以前は、Network Manager インターフェイス割り当ては、変更が存在しない場合でも変更を報告していました。この修正により、library/firewall_lib.py ファイル内の try_set_zone_of_interface モジュールは、インターフェイスのゾーンが変更されたかどうかを示す 2 番目の値を返します。その結果、Network Manager によって処理されるインターフェイスにゾーンを割り当てるときに、モジュールは変更を正しく報告するようになりました。

Jira:RHEL-918[1]

kdump ロールにより、kdump_ssh_server 認証の .ssh/authorized_keys が正常に更新されます。

以前は、kdump ロールが .ssh ディレクトリーにアクセスして、kdump_ssh_server にログインするためのユーザーを安全に認証できませんでした。その結果、kdump ロールは、kdump_ssh_server が失敗したことを確認するための .ssh/authorized_keys ファイルと SSH メカニズムを更新しませんでした。今回の更新でこの問題が修正されています。これにより、kdump_ssh_serverkdump_ssh_user 認証が確実に機能します。

Jira:RHEL-1398[1]

firewall システムロールの previous: replaced パラメーターが、以前の設定を削除せずにオーバーライドするようになる

以前は、変数リストに previous: replaced パラメーターを追加すると、firewall システムロールは既存のユーザー定義設定をすべて削除し、firewalld をデフォルト設定にリセットしていました。この修正では、EL7 リリースで導入された firewalld のフォールバック設定を使用して、以前の設定を保持します。その結果、変数リストで previous: replaced パラメーターを使用すると、firewall.conf 設定ファイルはリセット時に削除されませんが、ファイルとファイル内のコメントが保持されます。

Jira:RHEL-1496[1]

kdump ロールは、複数のキーを authorized_keys にべき等性を持たせて追加する

以前は、authorized_keys ファイルに複数の SSH キーを同時に追加すると、あるホストのキー値が別のホストに置き換えられていました。この更新では、lineinfile モジュールを使用して authorized_keys ファイルを管理することで問題が修正されます。lineinfile はタスクを順番に繰り返し処理し、既存のキーをチェックし、1 つのホストで一度に新しいキーを 1 つのアトミック操作で書き込みます。その結果、複数のホストに SSH キーを追加すると正しく機能し、別のホストのキーの値を置き換えません。

注記: serial: 1 play serial キーワードを play レベルで使用して、1 度に実行されているホストの数を制御します。

Jira:RHEL-1500[1]

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