第2章 GFS2 使用に関する推奨事項
GFS2 ファイルシステムをデプロイする場合、さまざまな一般的な推奨事項を考慮する必要があります。
2.1. atime
更新の設定
各ファイルの inode と、ディレクトリーの inode には、3 つのタイムスタンプが関連付けられています。
-
ctime
- inode のステータスが最後に変更した時刻 -
mtime
- ファイル (またはディレクトリー) のデータが最後に変更した時刻 -
atime
- ファイル (またはディレクトリー) のデータに最後にアクセスした時刻
デフォルトで GFS2 などの Linux ファイルシステムにあるため、atime
更新が有効な場合は、ファイルが読み込まれるたびにその inode を更新する必要があります。
ほとんどのアプリケーションは、atime
により提供される情報を使用しないため、このような更新では、不要な書き込みのトラフィックとファイルロックのトラフィックが大量に必要になる可能性があります。そのトラフィックにより、パフォーマンスが低下する可能性があります。したがって、電源を切るか、atime
更新頻度を減らすことが推奨されます。
atime
更新の影響を軽減するには、以下の方法を利用できます。
-
relatime
(relative atime) でマウントします。これは、以前のatime
更新がmtime
またはctime
の更新よりも古い場合にatime
を更新します。これは、GFS2 ファイルシステムのデフォルトのマウントオプションです。 -
noatime
またはnodiratime
でマウントします。noatime
でのマウントは、そのファイルシステムのファイルやディレクトリーの両方のatime
更新を無効にします。nodiratime
でのマウントは、そのファイルシステムのディレクトリーに対してのみatime
更新を無効にします。一般的に、noatime
マウントオプションまたはnodiratime
マウントオプションを指定して GFS2 ファイルシステムをマウントすることが推奨されています。この場合は、アプリケーションがこれを許可するnoatime
が優先されます。GFS2 ファイルシステムパフォーマンスにおけるこのような引数の効果は、GFS2 ノードロック機能 を参照してください。
次のコマンドを使用して、noatime
Linux マウントオプションを指定して GFS2 ファイルシステムをマウントします。
mount BlockDevice MountPoint -o noatime
BlockDevice
- GFS2 ファイルシステムを置くブロックデバイスを指定します。
MountPoint
- GFS2 ファイルシステムがマウントされるディレクトリーを指定します。
この例では、GFS2 ファイルシステムは /dev/vg01/lvol0
に置かれ、atime
更新がオフの状態で /mygfs2
にマウントされます。
# mount /dev/vg01/lvol0 /mygfs2 -o noatime