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19.5. ネットワークが制限された環境での OpenStack へのクラスターのインストール

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OpenShift Container Platform 4.16 では、インストールリリースコンテンツの内部ミラーを作成して、制限されたネットワーク内で Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) にクラスターをインストールできます。

19.5.1. 前提条件

19.5.2. ネットワークが制限された環境でのインストールについて

OpenShift Container Platform 4.16 では、ソフトウェアコンポーネントを取得するためにインターネットへのアクティブな接続を必要としないインストールを実行できます。ネットワークが制限された環境のインストールは、クラスターのインストール先となるクラウドプラットフォームに応じて、installer-provisioned infrastructure または user-provisioned infrastructure を使用して実行できます。

クラウドプラットフォーム上でネットワークが制限されたインストールの実行を選択した場合でも、そのクラウド API へのアクセスが必要になります。Amazon Web Service の Route 53 DNS や IAM サービスなどの一部のクラウド機能には、インターネットアクセスが必要です。ネットワークによっては、ベアメタルハードウェア、Nutanix、または VMware vSphere へのインストールに必要なインターネットアクセスが少なくて済む場合があります。

ネットワークが制限されたインストールを完了するには、OpenShift イメージレジストリーのコンテンツをミラーリングし、インストールメディアを含むレジストリーを作成する必要があります。このミラーは、インターネットと制限されたネットワークの両方にアクセスできるミラーホストで、または制限に対応する他の方法を使用して作成できます。

19.5.2.1. その他の制限

ネットワークが制限された環境のクラスターには、以下の追加の制限および制約があります。

  • ClusterVersion ステータスには Unable to retrieve available updates エラーが含まれます。
  • デフォルトで、開発者カタログのコンテンツは、必要とされるイメージストリームタグにアクセスできないために使用できません。

19.5.3. OpenShift Container Platform を RHOSP にインストールするリソースのガイドライン

OpenShift Container Platform のインストールをサポートするために、Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) クォータは以下の要件を満たす必要があります。

表19.5 RHOSP のデフォルトの OpenShift Container Platform クラスターに関する推奨リソース
リソース

Floating IP アドレス

3

ポート

15

ルーター

1

サブネット

1

RAM

88 GB

vCPU

22

ボリュームストレージ

275 GB

インスタンス

7

セキュリティーグループ

3

セキュリティーグループルール

60

サーバーグループ

2 - 各マシンプールの追加のアベイラビリティーゾーンごとに 1 つ追加

クラスターは推奨されるリソースよりもリソースが少ない場合にも機能する場合がありますが、その場合のパフォーマンスは保証されません。

重要

RHOSP オブジェクトストレージ (Swift) が利用可能で、swiftoperator ロールを持つユーザーアカウントによって操作されている場合、これは OpenShift Container Platform イメージレジストリーのデフォルトバックエンドとして使用されます。この場合、ボリュームストレージ要件は 175 GB です。Swift 領域要件は、イメージレジストリーのサイズによって異なります。

注記

デフォルトで、セキュリティーグループおよびセキュリティーグループルールのクォータは低く設定される可能性があります。問題が生じた場合には、管理者として openstack quota set --secgroups 3 --secgroup-rules 60 <project> を実行して値を増やします。

OpenShift Container Platform デプロイメントは、コントロールプレーンマシン、コンピュートマシン、およびブートストラップマシンで構成されます。

19.5.3.1. コントロールプレーンマシン

デフォルトでは、OpenShift Container Platform インストールプロセスは 3 つのコントロールプレーンマシンを作成します。

それぞれのマシンには以下が必要です。

  • RHOSP クォータからのインスタンス
  • RHOSP クォータからのポート
  • 少なくとも 16 GB のメモリーと 4 つの vCPU を備えたフレーバー
  • RHOSP クォータから少なくとも 100 GB のストレージ容量

19.5.3.2. コンピュートマシン

デフォルトでは、OpenShift Container Platform インストールプロセスは 3 つのコンピューティングマシンを作成します。

それぞれのマシンには以下が必要です。

  • RHOSP クォータからのインスタンス
  • RHOSP クォータからのポート
  • 少なくとも 8 GB のメモリーと 2 つの vCPU を備えたフレーバー
  • RHOSP クォータから少なくとも 100 GB のストレージ容量
ヒント

コンピュートマシンは、OpenShift Container Platform で実行されるアプリケーションをホストします。できるだけ多くのアプリケーションを実行することが意図されています。

19.5.3.3. ブートストラップマシン

インストール時に、ブートストラップマシンは一時的にプロビジョニングされ、コントロールプレーンを初期化します。実稼働環境用のコントロールプレーンの準備ができた後に、ブートストラップマシンのプロビジョニングは解除されます。

ブートストラップマシンには以下が必要です。

  • RHOSP クォータからのインスタンス
  • RHOSP クォータからのポート
  • 少なくとも 16 GB のメモリーと 4 つの vCPU を備えたフレーバー
  • RHOSP クォータから少なくとも 100 GB のストレージ容量

19.5.4. OpenShift Container Platform のインターネットアクセス

OpenShift Container Platform 4.16 では、クラスターのインストールに必要なイメージを取得するために、インターネットにアクセスする必要があります。

インターネットへのアクセスは以下を実行するために必要です。

  • OpenShift Cluster Manager にアクセスし、インストールプログラムをダウンロードし、サブスクリプション管理を実行します。クラスターにインターネットアクセスがあり、Telemetry を無効にしない場合、そのサービスは有効なサブスクリプションでクラスターを自動的に使用します。
  • クラスターのインストールに必要なパッケージを取得するために Quay.io にアクセスします。
  • クラスターの更新を実行するために必要なパッケージを取得します。

19.5.5. RHOSP での Swift の有効化

Swift は、swiftoperator ロールのあるユーザーアカウントによって操作されます。インストールプログラムを実行する前に、ロールをアカウントに追加します。

重要

Swift として知られる Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) オブジェクトストレージサービス が利用可能な場合、OpenShift Container Platform はこれをイメージレジストリーストレージとして使用します。利用できない場合、インストールプログラムは Cinder として知られる RHOSP ブロックストレージサービスに依存します。

Swift が存在し、これを使用する必要がある場合は、Swift へのアクセスを有効にする必要があります。これが存在しない場合や使用する必要がない場合は、このセクションを省略してください。

重要

RHOSP 17 では、Ceph RGW の rgw_max_attr_size パラメーターが 256 文字に設定されます。この設定は、コンテナーイメージを OpenShift Container Platform レジストリーにアップロードする際に問題を引き起こします。rgw_max_attr_size の値は、1024 文字以上に設定する必要があります。

インストールする前に、RHOSP のデプロイメントがこの問題の影響を受けるかどうか確認してください。影響を受ける場合は、Ceph RGW を再設定します。

前提条件

  • ターゲット環境に RHOSP 管理者アカウントがあります。
  • Swift サービスがインストールされています。
  • Ceph RGW で、account in url オプションが有効化されています。

手順

RHOSP 上で Swift を有効にするには、以下を実行します。

  1. RHOSP CLI の管理者として、swiftoperator ロールを Swift にアクセスするアカウントに追加します。

    $ openstack role add --user <user> --project <project> swiftoperator

RHOSP デプロイメントでは、イメージレジストリーに Swift を使用することができます。

19.5.6. インストールプログラムのパラメーターの定義

OpenShift Container Platform インストールプログラムは、clouds.yaml というファイルを使用します。このファイルは、プロジェクト名、ログイン情報、認可サービスの URL を含む Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) 設定パラメーターを説明します。

手順

  1. clouds.yaml ファイルを作成します。

    • RHOSP ディストリビューションに Horizon Web UI が含まれる場合には、そこに clouds.yaml ファイルを生成します。

      重要

      パスワードを必ず auth フィールドに追加してください。シークレットは、clouds.yaml別のファイル に保持できます。

    • RHOSP ディストリビューションに Horizon Web UI が含まれない場合や Horizon を使用する必要がない場合には、このファイルを独自に作成します。clouds.yaml の詳細は、RHOSP ドキュメントの Config files を参照してください。

      clouds:
        shiftstack:
          auth:
            auth_url: http://10.10.14.42:5000/v3
            project_name: shiftstack
            username: <username>
            password: <password>
            user_domain_name: Default
            project_domain_name: Default
        dev-env:
          region_name: RegionOne
          auth:
            username: <username>
            password: <password>
            project_name: 'devonly'
            auth_url: 'https://10.10.14.22:5001/v2.0'
  2. RHOSP インストールでエンドポイント認証用に自己署名認証局 (CA) を使用する場合、以下を実行します。

    1. 認証局ファイルをマシンにコピーします。
    2. cacerts キーを clouds.yaml ファイルに追加します。この値は、CA 証明書への絶対的な root 以外によるアクセスが可能なパスである必要があります。

      clouds:
        shiftstack:
          ...
          cacert: "/etc/pki/ca-trust/source/anchors/ca.crt.pem"
      ヒント

      カスタム CA 証明書を使用してインストーラーを実行した後に、cloud-provider-config キーマップの ca-cert.pem キーの値を編集して証明書を更新できます。コマンドラインで、以下を実行します。

      $ oc edit configmap -n openshift-config cloud-provider-config
  3. clouds.yaml ファイルを以下の場所のいずれかに置きます。

    1. OS_CLIENT_CONFIG_FILE 環境変数の値
    2. 現行ディレクトリー
    3. Unix 固有のユーザー設定ディレクトリー (例: ~/.config/openstack/clouds.yaml)
    4. Unix 固有のサイト設定ディレクトリー (例: /etc/openstack/clouds.yaml)

      インストールプログラムはこの順序で clouds.yaml を検索します。

19.5.7. OpenStack Cloud Controller Manager のオプション設定

オプションで、クラスターの OpenStack Cloud Controller Manager (CCM) 設定を編集できます。この設定は、OpenShift Container Platform が Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) と対話する方法を制御します。

設定パラメーターの完全なリストは、「OpenStack のインストール」ドキュメントの「OpenStack Cloud Controller Manager リファレンスガイド」を参照してください。

手順

  1. クラスター用に生成されたマニフェストファイルがない場合は、以下のコマンドを実行して生成します。

    $ openshift-install --dir <destination_directory> create manifests
  2. テキストエディターで、cloud-provider 設定マニフェストファイルを開きます。以下に例を示します。

    $ vi openshift/manifests/cloud-provider-config.yaml
  3. CCM リファレンスガイドに従ってオプションを変更します。

    負荷分散のために Octavia を設定することが一般的です。以下に例を示します。

    #...
    [LoadBalancer]
    lb-provider = "amphora" 1
    floating-network-id="d3deb660-4190-40a3-91f1-37326fe6ec4a" 2
    create-monitor = True 3
    monitor-delay = 10s 4
    monitor-timeout = 10s 5
    monitor-max-retries = 1 6
    #...
    1
    このプロパティーは、ロードバランサーが使用する Octavia プロバイダーを設定します。"ovn" または "amphora" を値として受け入れます。OVN の使用を選択する場合は、lb-methodSOURCE_IP_PORT
    2
    このプロパティーは、複数の外部ネットワークをクラスターで使用する場合に必要です。クラウドプロバイダーは、ここで指定するネットワーク上に Floating IP アドレスを作成します。
    3
    このプロパティーは、クラウドプロバイダーが Octavia ロードバランサーのヘルスモニターを作成するかどうかを制御します。ヘルスモニターを作成するには、値を True に設定します。RHOSP 16.2 の時点で、この機能は Amphora プロバイダーでのみ利用できます。
    4
    このプロパティーは、監視されるエンドポイントの頻度を設定します。値は time.ParseDuration() 形式である必要があります。このプロパティーは、create-monitor プロパティーの値が True の場合に必要です。
    5
    このプロパティーは、タイムアウトする前に監視要求が開く時間を設定します。値は time.ParseDuration() 形式である必要があります。このプロパティーは、create-monitor プロパティーの値が True の場合に必要です。
    6
    このプロパティーは、ロードバランサーがオンラインとしてマークされる前に必要なモニタリング要求の数を定義します。値は整数でなければなりません。このプロパティーは、create-monitor プロパティーの値が True の場合に必要です。
    重要

    変更を保存する前に、ファイルが正しく構造化されていることを確認します。プロパティーが適切なセクションに置かれていないと、クラスターが失敗することがあります。

    重要

    .spec.externalTrafficPolicy プロパティーの値が Local に設定されたサービスを使用する場合は、create-monitor プロパティーの値を True に設定する必要があります。RHOSP 16.2 の OVN Octavia プロバイダーは、ヘルスモニターをサポートしません。そのため、lb-provider の値が "ovn" に設定されている場合、ETP パラメーターの値が Local に設定されたサービスは応答しない可能性があります。

  4. 変更をファイルに保存し、インストールを続行します。

    ヒント

    インストーラーの実行後に、クラウドプロバイダー設定を更新できます。コマンドラインで、以下を実行します。

    $ oc edit configmap -n openshift-config cloud-provider-config

    変更を保存した後、クラスターの再設定には多少時間がかかります。ノードが SchedulingDisabled のままの場合は、プロセスが完了します。

19.5.8. ネットワークが制限されたインストール用の RHCOS イメージの作成

Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) イメージをダウンロードし、OpenShift Container Platform をネットワークが制限された Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) 環境にインストールします。

前提条件

  • OpenShift Container Platform インストールプログラムを取得します。ネットワークが制限されたインストールでは、プログラムはミラーレジストリースト上に置かれます。

手順

  1. Red Hat カスタマーポータルの 製品ダウンロードページ にログインします。
  2. Version で、RHEL 8 用の OpenShift Container Platform 4.16 の最新リリースを選択します。

    重要

    RHCOS イメージは OpenShift Container Platform の各リリースごとに変更されない可能性があります。インストールする OpenShift Container Platform バージョンと等しいか、それ以下のバージョンの内で最も新しいバージョンのイメージをダウンロードする必要があります。利用可能な場合は、OpenShift Container Platform バージョンに一致するイメージのバージョンを使用します。

  3. Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) - OpenStack Image (QCOW) イメージをダウンロードします。
  4. イメージを展開します。

    注記

    クラスターが使用する前にイメージを圧縮解除する必要があります。ダウンロードしたファイルの名前に、.gz または .tgz などの圧縮拡張子が含まれていない場合があります。ファイルを圧縮するか、どのように圧縮するかを確認するには、コマンドラインで以下を入力します。

    $ file <name_of_downloaded_file>
  5. 圧縮解除したイメージを、Glance などの bastion サーバーからアクセス可能な場所にアップロードします。以下に例を示します。

    $ openstack image create --file rhcos-44.81.202003110027-0-openstack.x86_64.qcow2 --disk-format qcow2 rhcos-${RHCOS_VERSION}
    重要

    RHOSP 環境によっては、.raw または .qcow2 形式 のいずれかでイメージをアップロードできる場合があります。Ceph を使用する場合は、.raw 形式を使用する必要があります。

    警告

    インストールプログラムが同じ名前を持つ複数のイメージを見つける場合、それらのイメージのいずれかがランダムに選択されます。この動作を回避するには、RHOSP でリソースの一意の名前を作成します。

これで、イメージが制限されたインストールで利用可能になります。OpenShift Container Platform デプロイメントで使用するイメージの名前または場所をメモします。

19.5.9. インストール設定ファイルの作成

Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) にインストールする OpenShift Container Platform クラスターをカスタマイズできます。

前提条件

  • OpenShift Container Platform インストールプログラムおよびクラスターのプルシークレットがある。ネットワークが制限されたインストールでは、これらのファイルがミラーホスト上に置かれます。
  • ミラーレジストリーの作成時に生成された imageContentSources 値がある。
  • ミラーレジストリーの証明書の内容を取得している。
  • Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) イメージを取得し、アクセス可能な場所にアップロードしました。

手順

  1. install-config.yaml ファイルを作成します。

    1. インストールプログラムが含まれるディレクトリーに切り替え、以下のコマンドを実行します。

      $ ./openshift-install create install-config --dir <installation_directory> 1
      1
      <installation_directory> の場合、インストールプログラムが作成するファイルを保存するためにディレクトリー名を指定します。

      ディレクトリーを指定する場合:

      • ディレクトリーに execute 権限があることを確認します。この権限は、インストールディレクトリーで Terraform バイナリーを実行するために必要です。
      • 空のディレクトリーを使用します。ブートストラップ X.509 証明書などの一部のインストールアセットは有効期限が短いため、インストールディレクトリーを再利用しないでください。別のクラスターインストールの個別のファイルを再利用する必要がある場合は、それらをディレクトリーにコピーすることができます。ただし、インストールアセットのファイル名はリリース間で変更される可能性があります。インストールファイルを以前のバージョンの OpenShift Container Platform からコピーする場合は注意してコピーを行ってください。
    2. プロンプト時に、クラウドの設定の詳細情報を指定します。

      1. オプション: クラスターマシンにアクセスするために使用する SSH キーを選択します。

        注記

        インストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要のある実稼働用の OpenShift Container Platform クラスターでは、ssh-agent プロセスが使用する SSH キーを指定します。

      2. ターゲットに設定するプラットフォームとして openstack を選択します。
      3. クラスターのインストールに使用する Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) の外部ネットワーク名を指定します。
      4. OpenShift API への外部アクセスに使用する floating IP アドレスを指定します。
      5. コントロールプレーンノードに使用する少なくとも 16 GB の RAM とコンピュートノードに使用する 8 GB の RAM を持つ RHOSP フレーバーを指定します。
      6. クラスターをデプロイするベースドメインを選択します。すべての DNS レコードはこのベースのサブドメインとなり、クラスター名も含まれます。
      7. クラスターの名前を入力します。名前は 14 文字以下でなければなりません。
  2. install-config.yaml ファイルで、platform.openstack.clusterOSImage の値をイメージの場所または名前に設定します。以下に例を示します。

    platform:
      openstack:
          clusterOSImage: http://mirror.example.com/images/rhcos-43.81.201912131630.0-openstack.x86_64.qcow2.gz?sha256=ffebbd68e8a1f2a245ca19522c16c86f67f9ac8e4e0c1f0a812b068b16f7265d
  3. install-config.yaml ファイルを編集し、ネットワークが制限された環境でのインストールに必要な追加の情報を提供します。

    1. pullSecret の値を更新して、レジストリーの認証情報を追加します。

      pullSecret: '{"auths":{"<mirror_host_name>:5000": {"auth": "<credentials>","email": "you@example.com"}}}'

      <mirror_host_name> の場合、ミラーレジストリーの証明書で指定したレジストリードメイン名を指定し、<credentials> の場合は、ミラーレジストリーの base64 でエンコードされたユーザー名およびパスワードを指定します。

    2. additionalTrustBundle パラメーターおよび値を追加します。

      additionalTrustBundle: |
        -----BEGIN CERTIFICATE-----
        ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ
        -----END CERTIFICATE-----

      この値は、ミラーレジストリーに使用した証明書ファイルの内容である必要があります。証明書ファイルは、既存の信頼できる認証局、またはミラーレジストリー用に生成した自己署名証明書のいずれかです。

    3. 次の YAML の抜粋のようなイメージコンテンツリソースを追加します。

      imageContentSources:
      - mirrors:
        - <mirror_host_name>:5000/<repo_name>/release
        source: quay.io/openshift-release-dev/ocp-release
      - mirrors:
        - <mirror_host_name>:5000/<repo_name>/release
        source: registry.redhat.io/ocp/release

      これらの値には、ミラーレジストリーの作成時に記録された imageContentSources を使用します。

    4. オプション: パブリッシュストラテジーを Internal に設定します。

      publish: Internal

      このオプションを設定すると、内部 Ingress コントローラーおよびプライベートロードバランサーを作成します。

  4. 必要な install-config.yaml ファイルに他の変更を加えます。

    パラメーターの詳細は、「インストール設定パラメーター」を参照してください。

  5. install-config.yaml ファイルをバックアップし、複数のクラスターをインストールするのに使用できるようにします。

    重要

    install-config.yaml ファイルはインストールプロセス時に使用されます。このファイルを再利用する必要がある場合は、この段階でこれをバックアップしてください。

19.5.9.1. インストール時のクラスター全体のプロキシーの設定

実稼働環境では、インターネットへの直接アクセスを拒否し、代わりに HTTP または HTTPS プロキシーを使用することができます。プロキシー設定を install-config.yaml ファイルで行うことにより、新規の OpenShift Container Platform クラスターをプロキシーを使用するように設定できます。

前提条件

  • 既存の install-config.yaml ファイルがある。
  • クラスターがアクセスする必要のあるサイトを確認済みで、それらのいずれかがプロキシーをバイパスする必要があるかどうかを判別している。デフォルトで、すべてのクラスター Egress トラフィック (クラスターをホストするクラウドに関するクラウドプロバイダー API に対する呼び出しを含む) はプロキシーされます。プロキシーを必要に応じてバイパスするために、サイトを Proxy オブジェクトの spec.noProxy フィールドに追加している。

    注記

    Proxy オブジェクトの status.noProxy フィールドには、インストール設定の networking.machineNetwork[].cidrnetworking.clusterNetwork[].cidr、および networking.serviceNetwork[] フィールドの値が設定されます。

    Amazon Web Services (AWS)、Google Cloud Platform (GCP)、Microsoft Azure、および Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) へのインストールの場合、Proxy オブジェクトの status.noProxy フィールドには、インスタンスメタデータのエンドポイント (169.254.169.254) も設定されます。

手順

  1. install-config.yaml ファイルを編集し、プロキシー設定を追加します。以下に例を示します。

    apiVersion: v1
    baseDomain: my.domain.com
    proxy:
      httpProxy: http://<username>:<pswd>@<ip>:<port> 1
      httpsProxy: https://<username>:<pswd>@<ip>:<port> 2
      noProxy: example.com 3
    additionalTrustBundle: | 4
        -----BEGIN CERTIFICATE-----
        <MY_TRUSTED_CA_CERT>
        -----END CERTIFICATE-----
    additionalTrustBundlePolicy: <policy_to_add_additionalTrustBundle> 5
    1
    クラスター外の HTTP 接続を作成するために使用するプロキシー URL。URL スキームは http である必要があります。
    2
    クラスター外で HTTPS 接続を作成するために使用するプロキシー URL。
    3
    プロキシーから除外するための宛先ドメイン名、IP アドレス、または他のネットワーク CIDR のコンマ区切りのリスト。サブドメインのみと一致するように、ドメインの前に . を付けます。たとえば、.y.comx.y.com に一致しますが、y.com には一致しません。* を使用し、すべての宛先のプロキシーをバイパスします。
    4
    指定されている場合、インストールプログラムは HTTPS 接続のプロキシーに必要な 1 つ以上の追加の CA 証明書が含まれる user-ca-bundle という名前の設定マップを openshift-config namespace に生成します。次に Cluster Network Operator は、これらのコンテンツを Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) 信頼バンドルにマージする trusted-ca-bundle 設定マップを作成し、この設定マップは Proxy オブジェクトの trustedCA フィールドで参照されます。additionalTrustBundle フィールドは、プロキシーのアイデンティティー証明書が RHCOS 信頼バンドルからの認証局によって署名されない限り必要になります。
    5
    オプション: trustedCA フィールドの user-ca-bundle 設定マップを参照する Proxy オブジェクトの設定を決定するポリシー。許可される値は Proxyonly および Always です。Proxyonly を使用して、http/https プロキシーが設定されている場合にのみ user-ca-bundle 設定マップを参照します。Always を使用して、常に user-ca-bundle 設定マップを参照します。デフォルト値は Proxyonly です。
    注記

    インストールプログラムは、プロキシーの readinessEndpoints フィールドをサポートしません。

    注記

    インストーラーがタイムアウトした場合は、インストーラーの wait-for コマンドを使用してデプロイメントを再起動してからデプロイメントを完了します。以下に例を示します。

    $ ./openshift-install wait-for install-complete --log-level debug
  2. ファイルを保存し、OpenShift Container Platform のインストール時にこれを参照します。

インストールプログラムは、指定の install-config.yaml ファイルのプロキシー設定を使用する cluster という名前のクラスター全体のプロキシーを作成します。プロキシー設定が指定されていない場合、cluster Proxy オブジェクトが依然として作成されますが、これには spec がありません。

注記

cluster という名前の Proxy オブジェクトのみがサポートされ、追加のプロキシーを作成することはできません。

19.5.9.2. 制限された OpenStack インストールのカスタマイズされた install-config.yaml ファイルのサンプル

このサンプル install-config.yaml は、すべての可能な Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) カスタマイズオプションを示しています。

重要

このサンプルファイルは参照用にのみ提供されます。インストールプログラムを使用して install-config.yaml ファイルを取得する必要があります。

apiVersion: v1
baseDomain: example.com
controlPlane:
  name: master
  platform: {}
  replicas: 3
compute:
- name: worker
  platform:
    openstack:
      type: ml.large
  replicas: 3
metadata:
  name: example
networking:
  clusterNetwork:
  - cidr: 10.128.0.0/14
    hostPrefix: 23
  machineNetwork:
  - cidr: 10.0.0.0/16
  serviceNetwork:
  - 172.30.0.0/16
  networkType: OVNKubernetes
platform:
  openstack:
    region: region1
    cloud: mycloud
    externalNetwork: external
    computeFlavor: m1.xlarge
    apiFloatingIP: 128.0.0.1
fips: false
pullSecret: '{"auths": ...}'
sshKey: ssh-ed25519 AAAA...
additionalTrustBundle: |

  -----BEGIN CERTIFICATE-----

  ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ

  -----END CERTIFICATE-----

imageContentSources:
- mirrors:
  - <mirror_registry>/<repo_name>/release
  source: quay.io/openshift-release-dev/ocp-release
- mirrors:
  - <mirror_registry>/<repo_name>/release
  source: quay.io/openshift-release-dev/ocp-v4.0-art-dev

19.5.10. クラスターノードの SSH アクセス用のキーペアの生成

OpenShift Container Platform をインストールする際に、SSH パブリックキーをインストールプログラムに指定できます。キーは、Ignition 設定ファイルを介して Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) ノードに渡され、ノードへの SSH アクセスを認証するために使用されます。このキーは各ノードの core ユーザーの ~/.ssh/authorized_keys リストに追加され、パスワードなしの認証が可能になります。

キーがノードに渡されると、キーペアを使用して RHCOS ノードにユーザー core として SSH を実行できます。SSH 経由でノードにアクセスするには、秘密鍵のアイデンティティーをローカルユーザーの SSH で管理する必要があります。

インストールのデバッグまたは障害復旧を実行するためにクラスターノードに対して SSH を実行する場合は、インストールプロセスの間に SSH 公開鍵を指定する必要があります。./openshift-install gather コマンドでは、SSH 公開鍵がクラスターノードに配置されている必要もあります。

重要

障害復旧およびデバッグが必要な実稼働環境では、この手順を省略しないでください。

注記

AWS キーペア などのプラットフォームに固有の方法で設定したキーではなく、ローカルキーを使用する必要があります。

手順

  1. クラスターノードへの認証に使用するローカルマシンに既存の SSH キーペアがない場合は、これを作成します。たとえば、Linux オペレーティングシステムを使用するコンピューターで以下のコマンドを実行します。

    $ ssh-keygen -t ed25519 -N '' -f <path>/<file_name> 1
    1
    新しい SSH キーのパスとファイル名 (~/.ssh/id_ed25519 など) を指定します。既存のキーペアがある場合は、公開鍵が ~/.ssh ディレクトリーにあることを確認します。
    注記

    x86_64ppc64le、および s390x アーキテクチャーのみで FIPS 140-2/140-3 検証のために NIST に提出された RHEL 暗号化ライブラリーを使用する OpenShift Container Platform クラスターをインストールする予定がある場合は、ed25519 アルゴリズムを使用するキーを作成しないでください。代わりに、rsa アルゴリズムまたは ecdsa アルゴリズムを使用するキーを作成します。

  2. 公開 SSH キーを表示します。

    $ cat <path>/<file_name>.pub

    たとえば、次のコマンドを実行して ~/.ssh/id_ed25519.pub 公開鍵を表示します。

    $ cat ~/.ssh/id_ed25519.pub
  3. ローカルユーザーの SSH エージェントに SSH 秘密鍵 ID が追加されていない場合は、それを追加します。キーの SSH エージェント管理は、クラスターノードへのパスワードなしの SSH 認証、または ./openshift-install gather コマンドを使用する場合は必要になります。

    注記

    一部のディストリビューションでは、~/.ssh/id_rsa および ~/.ssh/id_dsa などのデフォルトの SSH 秘密鍵のアイデンティティーは自動的に管理されます。

    1. ssh-agent プロセスがローカルユーザーに対して実行されていない場合は、バックグラウンドタスクとして開始します。

      $ eval "$(ssh-agent -s)"

      出力例

      Agent pid 31874

      注記

      クラスターが FIPS モードにある場合は、FIPS 準拠のアルゴリズムのみを使用して SSH キーを生成します。鍵は RSA または ECDSA のいずれかである必要があります。

  4. SSH プライベートキーを ssh-agent に追加します。

    $ ssh-add <path>/<file_name> 1
    1
    ~/.ssh/id_ed25519 などの、SSH プライベートキーのパスおよびファイル名を指定します。

    出力例

    Identity added: /home/<you>/<path>/<file_name> (<computer_name>)

次のステップ

  • OpenShift Container Platform をインストールする際に、SSH パブリックキーをインストールプログラムに指定します。

19.5.11. 環境へのアクセスの有効化

デプロイ時に、OpenShift Container Platform マシンはすべて Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) テナントネットワークに作成されます。したがって、ほとんどの RHOSP デプロイメントでは直接アクセスできません。

インストール時に Floating IP アドレス (FIP) を使用して OpenShift Container Platform API およびアプリケーションのアクセスを設定できます。FIP を設定せずにインストールを完了することもできますが、インストーラーは API またはアプリケーションを外部からアクセスする方法を設定しません。

19.5.11.1. floating IP アドレスを使用したアクセスの有効化

OpenShift Container Platform API およびクラスターアプリケーションへの外部アクセス用に Floating IP (FIP) アドレスを作成します。

手順

  1. Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) CLI を使用して、API FIP を作成します。

    $ openstack floating ip create --description "API <cluster_name>.<base_domain>" <external_network>
  2. Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) CLI を使用して、apps (アプリ)、または Ingress、FIP を作成します。

    $ openstack floating ip create --description "Ingress <cluster_name>.<base_domain>" <external_network>
  3. API および Ingress FIP の DNS サーバーに、これらのパターンに準拠するレコードを追加します。

    api.<cluster_name>.<base_domain>.  IN  A  <API_FIP>
    *.apps.<cluster_name>.<base_domain>. IN  A <apps_FIP>
    注記

    DNS サーバーを制御していない場合は、次のようなクラスタードメイン名を /etc/hosts ファイルに追加することで、クラスターにアクセスできます。

    • <api_floating_ip> api.<cluster_name>.<base_domain>
    • <application_floating_ip> grafana-openshift-monitoring.apps.<cluster_name>.<base_domain>
    • <application_floating_ip> prometheus-k8s-openshift-monitoring.apps.<cluster_name>.<base_domain>
    • <application_floating_ip> oauth-openshift.apps.<cluster_name>.<base_domain>
    • <application_floating_ip> console-openshift-console.apps.<cluster_name>.<base_domain>
    • application_floating_ip integrated-oauth-server-openshift-authentication.apps.<cluster_name>.<base_domain>

    /etc/hosts ファイル内のクラスタードメイン名により、クラスターの Web コンソールおよび監視インターフェイスへのローカルアクセスが許可されます。kubectl または oc を使用することもできます。<application_floating_ip> を指す追加のエントリーを使用して、ユーザーアプリケーションにアクセスできます。このアクションにより、API およびアプリケーションは他のユーザーがアクセスできない状態になり、この状態は実稼働デプロイメントには適していませんが、開発およびテスト目的のインストールが可能になります。

  4. FIP を、以下のパラメーターの値として install-config.yaml ファイルに追加します。

    • platform.openstack.ingressFloatingIP
    • platform.openstack.apiFloatingIP

これらの値を使用する場合には、install-config.yaml ファイルの platform.openstack.externalNetwork パラメーターの値として外部ネットワークを入力する必要もあります。

ヒント

Floating IP アドレスを割り当て、ファイアウォール設定を更新することで、OpenShift Container Platform リソースがクラスター外で利用できる状態にすることができます。

19.5.11.2. Floating IP アドレスなしでのインストールの完了

Floating IP アドレスを指定せずに OpenShift Container Platform を Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) にインストールすることができます。

install-config.yaml ファイルで以下のパラメーターを定義しないでください。

  • platform.openstack.ingressFloatingIP
  • platform.openstack.apiFloatingIP

外部ネットワークを提供できない場合は、platform.openstack.externalNetwork を空白のままにすることもできます。platform.openstack.externalNetwork の値を指定しない場合はルーターが作成されず、追加のアクションがない場合は、インストーラーは Glance からのイメージの取得に失敗します。外部接続を独自に設定する必要があります。

Floating IP アドレスまたは名前解決がないために、クラスター API に到達できないシステムからインストーラーを実行すると、インストールに失敗します。このような場合にインストールが失敗するのを防ぐために、プロキシーネットワークを使用するか、マシンと同じネットワークにあるシステムからインストーラーを実行できます。

注記

API および Ingress ポートの DNS レコードを作成して、名前解決を有効にできます。以下に例を示します。

api.<cluster_name>.<base_domain>.  IN  A  <api_port_IP>
*.apps.<cluster_name>.<base_domain>. IN  A <ingress_port_IP>

DNS サーバーを制御しない場合は、/etc/hosts ファイルにレコードを追加できます。このアクションにより、API は他者のアクセスできない状態になり、この状態は実稼働デプロイメントには適していませんが、開発およびテスト目的のインストールが可能になります。

19.5.12. クラスターのデプロイ

互換性のあるクラウドプラットフォームに OpenShift Container Platform をインストールできます。

重要

インストールプログラムの create cluster コマンドは、初期インストール時に 1 回だけ実行できます。

前提条件

  • OpenShift Container Platform インストールプログラムおよびクラスターのプルシークレットがある。
  • ホスト上のクラウドプロバイダーアカウントに、クラスターをデプロイするための適切な権限があることが確認されました。アカウントの権限が正しくないと、インストールプロセスが失敗し、不足している権限を示すエラーメッセージが表示されます。

手順

  • インストールプログラムが含まれるディレクトリーに切り替え、クラスターのデプロイメントを初期化します。

    $ ./openshift-install create cluster --dir <installation_directory> \ 1
        --log-level=info 2
    1
    <installation_directory> については、カスタマイズした ./install-config.yaml ファイルの場所を指定します。
    2
    異なるインストールの詳細情報を表示するには、info ではなく、warndebug、または error を指定します。

検証

クラスターのデプロイが正常に完了すると、次のようになります。

  • ターミナルには、Web コンソールへのリンクや kubeadmin ユーザーの認証情報など、クラスターにアクセスするための指示が表示されます。
  • 認証情報は <installation_directory>/.openshift_install.log にも出力されます。
重要

インストールプログラム、またはインストールプログラムが作成するファイルを削除することはできません。これらはいずれもクラスターを削除するために必要になります。

出力例

...
INFO Install complete!
INFO To access the cluster as the system:admin user when using 'oc', run 'export KUBECONFIG=/home/myuser/install_dir/auth/kubeconfig'
INFO Access the OpenShift web-console here: https://console-openshift-console.apps.mycluster.example.com
INFO Login to the console with user: "kubeadmin", and password: "password"
INFO Time elapsed: 36m22s

重要
  • インストールプログラムが生成する Ignition 設定ファイルには、24 時間が経過すると期限切れになり、その後に更新される証明書が含まれます。証明書を更新する前にクラスターが停止し、24 時間経過した後にクラスターを再起動すると、クラスターは期限切れの証明書を自動的に復元します。例外として、kubelet 証明書を回復するために保留状態の node-bootstrapper 証明書署名要求 (CSR) を手動で承認する必要があります。詳細は、コントロールプレーン証明書の期限切れの状態からのリカバリー に関するドキュメントを参照してください。
  • 24 時間証明書はクラスターのインストール後 16 時間から 22 時間にローテーションするため、Ignition 設定ファイルは、生成後 12 時間以内に使用することを推奨します。12 時間以内に Ignition 設定ファイルを使用することにより、インストール中に証明書の更新が実行された場合のインストールの失敗を回避できます。

19.5.13. クラスターステータスの確認

インストール時またはインストール後に OpenShift Container Platform クラスターのステータスを確認することができます。

手順

  1. クラスター環境で、管理者の kubeconfig ファイルをエクスポートします。

    $ export KUBECONFIG=<installation_directory>/auth/kubeconfig 1
    1
    <installation_directory> には、インストールファイルを保存したディレクトリーへのパスを指定します。

    kubeconfig ファイルには、クライアントを正しいクラスターおよび API サーバーに接続するために CLI で使用されるクラスターに関する情報が含まれます。

  2. デプロイメント後に作成されたコントロールプレーンおよびコンピュートマシンを表示します。

    $ oc get nodes
  3. クラスターのバージョンを表示します。

    $ oc get clusterversion
  4. Operator のステータスを表示します。

    $ oc get clusteroperator
  5. クラスター内のすべての実行中の Pod を表示します。

    $ oc get pods -A

19.5.14. CLI の使用によるクラスターへのログイン

クラスター kubeconfig ファイルをエクスポートし、デフォルトシステムユーザーとしてクラスターにログインできます。kubeconfig ファイルには、クライアントを正しいクラスターおよび API サーバーに接続するために CLI で使用されるクラスターに関する情報が含まれます。このファイルはクラスターに固有のファイルであり、OpenShift Container Platform のインストール時に作成されます。

前提条件

  • OpenShift Container Platform クラスターをデプロイしていること。
  • oc CLI をインストールしていること。

手順

  1. kubeadmin 認証情報をエクスポートします。

    $ export KUBECONFIG=<installation_directory>/auth/kubeconfig 1
    1
    <installation_directory> には、インストールファイルを保存したディレクトリーへのパスを指定します。
  2. エクスポートされた設定を使用して、oc コマンドを正常に実行できることを確認します。

    $ oc whoami

    出力例

    system:admin

関連情報

19.5.15. デフォルトの OperatorHub カタログソースの無効化

Red Hat によって提供されるコンテンツを調達する Operator カタログおよびコミュニティープロジェクトは、OpenShift Container Platform のインストール時にデフォルトで OperatorHub に設定されます。ネットワークが制限された環境では、クラスター管理者としてデフォルトのカタログを無効にする必要があります。

手順

  • disableAllDefaultSources: trueOperatorHub オブジェクトに追加して、デフォルトカタログのソースを無効にします。

    $ oc patch OperatorHub cluster --type json \
        -p '[{"op": "add", "path": "/spec/disableAllDefaultSources", "value": true}]'
ヒント

または、Web コンソールを使用してカタログソースを管理できます。Administration Cluster Settings Configuration OperatorHub ページから、Sources タブをクリックして、個別のソースを作成、更新、削除、無効化、有効化できます。

19.5.16. OpenShift Container Platform の Telemetry アクセス

OpenShift Container Platform 4.16 では、Telemetry サービスにもインターネットアクセスが必要です。Telemetry サービスは、クラスターの健全性と更新の成功に関するメトリクスを提供するためにデフォルトで実行されます。クラスターがインターネットに接続されている場合、Telemetry は自動的に実行され、クラスターは OpenShift Cluster Manager に登録されます。

OpenShift Cluster Manager インベントリーが正常である (Telemetry によって自動的に維持、または OpenShift Cluster Manager を使用して手動で維持) ことを確認した後に、subscription watch を使用 して、アカウントまたはマルチクラスターレベルで OpenShift Container Platform サブスクリプションを追跡します。

関連情報

19.5.17. 次のステップ

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