第5章 Red Hat Ceph Storage Dashboard を使用したコンテナーで実行されている Ceph クラスターのモニタリング
Red Hat Ceph Storage Dashboard は、Ceph Storage Cluster の状態を視覚化するためのモニタリングダッシュボードを提供します。また、Red Hat Ceph Storage Dashboard アーキテクチャーは、ストレージクラスターに機能を追加する追加のモジュール用のフレームワークを提供します。
- Dashboard の詳細は、「Red Hat Ceph Storage Dashboard」 を参照してください。
- Dashboard をインストールするには、「Red Hat Ceph Storage Dashboard のインストール」 を参照してください。
- Dashboard にアクセスするには、「Red Hat Ceph Storage Dashboard へのアクセス」 を参照してください。
- Dashboard のインストール後にデフォルトのパスワードを変更するには、「デフォルトの Red Hat Ceph Storage ダッシュボードパスワードの変更」 を参照してください。
- Prometheus プラグインの詳細は、「Red Hat Ceph Storage の Prometheus プラグイン」 を参照してください。
- Red Hat Ceph Storage Dashboard のアラートおよび設定方法について詳しく知るには、「Red Hat Ceph Storage Dashboard アラート」 を参照してください。
前提条件
- コンテナーで実行されている Red Hat Ceph Storage クラスター
5.1. Red Hat Ceph Storage Dashboard
Red Hat Ceph Storage Dashboard は、Ceph クラスターのモニタリングダッシュボードを提供し、ストレージクラスターの状態を可視化します。ダッシュボードは Web ブラウザーからアクセスでき、クラスター、モニター、OSD、プール、またはネットワークの状態に関するメトリックおよびグラフを多数提供します。
Red Hat Ceph Storage のこれまでのリリースでは、監視データは collectd
プラグインを介して提供され、これにより、データを Graphite 監視ユーティリティーのインスタンスに送信されました。Red Hat Ceph Storage 3.3 以降、監視データは ceph-mgr
Prometheus プラグインを使用して ceph-mgr
デーモンから直接取得されます。
監視データソースとして Prometheus が導入されたことで、Red Hat Ceph Storage Dashboard ソリューションのデプロイメントと操作管理が簡素化され、全体的なハードウェア要件も軽減されました。Ceph モニタリングデータを直接適用することで、Red Hat Ceph Storage Dashboard ソリューションはコンテナーにデプロイされる Ceph クラスターをよりよくサポートできるようになりました。
アーキテクチャーにおけるこの変更により、監視データの Red Hat Ceph Storage 2.x および 3.0 から Red Hat Ceph Storage 3.3 への移行パスはありません。
Red Hat Ceph Storage Dashboard は、以下のユーティリティーを使用します。
- デプロイメント用の Ansible 自動化アプリケーション。
-
埋め込み Prometheus
ceph-mgr
プラグイン。 -
ストレージクラスターの各ノードで実行される Prometheus
node-exporter
デーモン。 - ユーザーインターフェースおよびアラートを提供する Grafana プラットフォーム。
Red Hat Ceph Storage Dashboard は以下の機能をサポートします。
- 一般機能
- Red Hat Ceph Storage 3.1 以降のサポート
- SELinux サポート
- FileStore および BlueStore OSD バックエンドのサポート
- 暗号化された OSD および暗号化されていない OSD のサポート
- Monitor、OSD、Ceph Object Gateway、および iSCSI ロールのサポート
- Metadata Servers (MDS) の初期サポート
- ドリルダウンおよびダッシュボードのリンク
- 15 秒の粒度
- ハードディスクドライブ (HDD)、ソリッドステートドライブ (SSD)、Non-volatile Memory Express (NVMe) インターフェース、Intel® Cache Acceleration Software (Intel® CAS) のサポート
- ノードメトリクス
- CPU および RAM の使用状況
- ネットワーク負荷
- 設定可能なアラート
- OOB (Out-of-Band) アラートおよびトリガー
- インストール時に通知チャネルが自動的に定義される
デフォルトで作成された Ceph Health Summary ダッシュボード
詳細は、「Red Hat Ceph Storage Dashboard Alerts」セクションを参照してください。
- クラスターの概要
- OSD 設定概要
- OSD FileStore および BlueStore の概要
- ロール別のクラスターバージョンの内訳
- ディスクサイズの概要
- 容量およびディスク数によるホストサイズ
- 配置グループ (PG) の状況内訳
- プール数
- HDD vs などのデバイスクラスの概要SSD
- クラスターの詳細
-
クラスターフラグの状況 (
noout
、nodown
など) -
OSD または Ceph Object Gateway ホストの
up
およびdown
ステータス - プールごとの容量使用度
- Raw 容量の使用状況
- アクティブなスクラブおよびリカバリープロセスのインジケーター
- 増加の追跡および予想 (raw 容量)
-
OSD ホストおよびディスクを含む、
down
またはnear full
の OSD に関する情報 - OSD ごとの PG の分散
- 使用過剰または使用不足の OSD を強調するための PG 数別の OSD
-
クラスターフラグの状況 (
- OSD のパフォーマンス
- 1 秒あたりの I/O 操作に関する情報 (IOPS) およびプール別のスループット
- OSD パフォーマンスインジケーター
- OSD ごとのディスク統計
- クラスター全体のディスクスループット
- 読み取り/書き込み比率 (クライアント IOPS)
- ディスク使用率ヒートマップ
- Ceph ロールによるネットワーク負荷
- Ceph Object Gateway の詳細
- 集約された負荷ビュー
- ホストごとのレイテンシーとスループット
- HTTP 操作によるワークロードの内訳
- Ceph iSCSI Gateway の詳細
- 集約ビュー
- 設定
- パフォーマンス
- Gateway ごとのリソース使用度
- クライアントごとの負荷および設定
- Ceph Block Device 別のイメージパフォーマンス