第8章 非同期エラータの更新
このセクションでは、z-stream リリースのバグ修正、既知の問題、機能拡張について説明します。
8.1. Red Hat Ceph Storage 5.3z7
Red Hat Ceph Storage リリース 5.3z1 が利用可能になりました。この更新に含まれるバグ修正とセキュリティー更新は、RHSA-2024:4118 および RHSA-2024:41 19 アドバイザリーに記載され ています。
8.1.1. 機能拡張
8.1.1.1. RBD
rbd_diff_iterate2()
API のパフォーマンスの向上
以前のバージョンでは、fast-diff モード (whole_object == true
で fast-diff
イメージ機能が有効な場合) で開始時点 (fromsnapname == NULL
) との差分を取る際に、排他ロックが利用可能な場合、RBD diff-iterate のローカルでの実行が保証されませんでした。
この機能拡張により、rbd_diff_iterate2()
API のパフォーマンスが向上し、fast-diff
イメージ機能が有効になっている QEMU ライブディスクの同期およびバックアップのユースケースでパフォーマンスが向上します。
8.1.2. 既知の問題
8.1.2.1. Ceph のアップグレード
RHEL 8 から RHEL 9 へのアップグレード中にクラスターキーと特定の設定ディレクトリーが削除される
RHEL 8 では、libunwind
パッケージが非推奨になっているため、RHEL 9 にアップグレードすると、このパッケージが削除されます。ceph-common
パッケージは libunwind
パッケージに依存するため、これも削除されます。ceph-common
パッケージを削除すると、/etc/ceph
ディレクトリーおよび /var/log/ceph
ディレクトリー内のクラスターキーと特定の設定が削除されます。
その結果、さまざまなノード障害が発生する可能性があります。/etc/ceph
パッケージが削除されたため、一部のノードで Ceph 操作は機能しない場合があります。/var/log/ceph
パッケージが削除されたため、ノード上の Ceph サービスで systemd および Podman を起動できません。
回避策として、libunwind
パッケージを削除しないように LEAPP を設定します。完全な手順は、Upgrading RHCS 5 hosts from RHEL 8 to RHEL 9 removes ceph-common package を参照してください。Red Hat カスタマーポータル でサービスの開始に失敗する