第5章 Ceph File System 管理


ストレージ管理者は、以下のような共通の Ceph File System (CephFS) の管理タスクを実行することができます。

前提条件

  • 実行中、および正常な Red Hat Ceph Storage クラスター
  • Ceph Metadata Server デーモン (ceph-mds) のインストールおよび設定
  • Ceph ファイルシステムを作成してマウントします。

5.1. cephfs-top ユーティリティーの使用

Ceph File System (CephFS) は、リアルタイムに Ceph File Systems でメトリックを表示する top のようなユーティリティーを提供します。cephfs-top ユーティリティーは、Ceph Manager の stats モジュールを使用してクライアントパフォーマンスメトリックを取得して表示する curses ベースの Python スクリプトです。

現在、cephfs-top ユーティリティーは約 10,000 のクライアントをサポートしています。

注記

現在、Red Hat Enterprise Linux 9.2 カーネルで、パフォーマンス統計がすべて利用できるわけではありません。cephfs-top は Red Hat Enterprise Linux 9 以降でサポートされており、Red Hat Enterprise Linux の標準ターミナルの 1 つを使用します。

重要

cephfs-top ユーティリティーと互換性のある Python の最小バージョンは 3.6.0 です。

前提条件

  • 正常かつ稼働中の Red Hat Ceph Storage クラスター
  • Ceph File System のデプロイメント
  • Ceph クライアントノードへのルートレベルのアクセスがある。
  • cephfs-top パッケージのインストール

手順

  1. Red Hat Ceph Storage 7 ツールリポジトリーがまだ有効になっていない場合は、有効にします。

    Red Hat Enterprise Linux 9

    [root@client ~]# subscription-manager repos --enable=rhceph-7-tools-for-rhel-9-x86_64-rpms

  2. cephfs-top パッケージをインストールします。

    [root@client ~]# dnf install cephfs-top

  3. Ceph Manager stats プラグインを有効にします。

    [root@client ~]# ceph mgr module enable stats

  4. Ceph ユーザー client.fstop を作成します。

    [root@client ~]# ceph auth get-or-create client.fstop mon 'allow r' mds 'allow r' osd 'allow r' mgr 'allow r' > /etc/ceph/ceph.client.fstop.keyring

    注記

    必要に応じて、--id 引数を使用して、client.fstop 以外の別の Ceph ユーザーを指定します。

  5. cephfs-top ユーティリティーを起動します。

    [root@client ~]# cephfs-top
    cephfs-top - Wed Nov 30 15:26:05 2022
    
    All Filesystem Info
    Total Client(s): 4 - 3 FUSE, 1 kclient, 0 libcephfs
    COMMANDS: m - select a filesystem | s - sort menu | l - limit number of clients | r - reset to default | q - quit
    
      client_id mount_root chit(%) dlease(%) ofiles oicaps oinodes rtio(MB) raio(MB) rsp(MB/s) wtio(MB) waio(MB) wsp(MB/s) rlatavg(ms) rlatsd(ms) wlatavg(ms) wlatsd(ms) mlatavg(ms) mlatsd(ms) mount_point@host/addr
    
    Filesystem: cephfs1 - 2 client(s)
    
    
      4500     /          100.0   100.0	     0	    751    0       0.0	    0.0	     0.0	   578.13   0.03     0.0       N/A         N/A        N/A         N/A       N/A        N/A       N/A@example/192.168.1.4
      4501     /          100.0   0.0      0	    1    0       0.0	    0.0	     0.0	   0.0   0.0     0.0       0.0         0.0        0.0         0.0        0.41        0.0       /mnt/cephfs2@example/192.168.1.4
    
    Filesystem: cephfs2 - 2 client(s)
    
    
      4512     /          100.0   0.0	     0	    1      0       0.0	    0.0	     0.0	   0.0      0.0      0.0       0.0         0.0        0.0         0.0        0.4        0.0        /mnt/cephfs3@example/192.168.1.4
      4518     /          100.0   0.0	     0	    1      0       0.0	    0.0	     0.0	   0.0      0.0      0.0       0.0         0.0        0.0         0.0        0.52        0.0        /mnt/cephfs4@example/192.168.1.4

5.1.1. cephfs-top ユーティリティーの対話型コマンド

特定のファイルシステムを選択し、cephfs-top ユーティリティーの対話型コマンドを使用して、そのファイルシステムに関連するメトリックを表示します。

m
説明
ファイルシステムの選択: 選択するファイルシステムのメニューを表示します。
q
説明
終了: すべてのファイルシステム情報が表示されたホーム画面にいる場合は、ユーティリティーを終了します。ホーム画面にいない場合は、ホーム画面にリダイレクトされます。
s
説明
ソートフィールドの選択: ソートフィールドを指定します。‘cap_hit’ がデフォルトです。
l
説明
クライアントの制限: 表示するクライアント数の制限を設定します。
r
説明
リセット: ソートフィールドと制限値をデフォルトにリセットします。

メトリクス表示は、矢印キー、PgUp/PgDn、Home/End、およびマウスを使用してスクロールできます。

ファイルシステム選択メニューの開始と終了の例

[root@client ~]# m

                       Filesystems
Press "q" to go back to home (all filesystem info) screen



                        cephfs01
                        cephfs02
[root@client ~]# q

cephfs-top - Thu Oct 20 07:29:35 2022
Total Client(s): 3 - 2 FUSE, 1 kclient, 0 libcephfs

5.1.2. cephfs-top ユーティリティーのオプション

cephfs-top ユーティリティーコマンドをさまざまなオプションとともに使用できます。

[root@client ~]# cephfs-top --selftest
selftest ok

--cluster NAME_OF_THE_CLUSTER
説明
このオプションを使用すると、デフォルト以外のクラスター名に接続できます。デフォルト名は ceph です。
--id user
説明
これは、Ceph クラスターに接続するクライアントであり、デフォルトでは fstop です。
--selftest
説明
このオプションを使用すると、セルフテストを実行できます。このモードは、stats モジュールの健全性チェックを実行します。
--conffile PATH_TO_THE_CONFIGURATION_FILE
説明
このオプションを使用すると、Ceph クラスター設定ファイルへのパスを指定できます。
-d/--delay INTERVAL_IN_SECONDS
説明

cephfs-top ユーティリティーは、デフォルトで統計を毎秒更新します。このオプションを使用すると、更新間隔を変更できます。

注記

間隔は 1 秒以上にする必要があります。小数秒は尊重されます。

--dump
説明
このオプションを使用すると、curses 表示を作成せずにメトリクスを標準出力にダンプできます。
--dumpfs FILE_SYSTEM_NAME
説明
このオプションを使用すると、curses 表示を作成せずに、指定されたファイルシステムのメトリクスを標準出力にダンプできます。
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